6話 梨沙子、沙衣に出会う
翌朝、沙衣と祐二は、早い時間に起きる。2人は朝食の時間まで港を散歩することにする。
その頃、梨沙子を乗せた船は、若者たちの船に追われながら向浜漁港へ向かっている。彼らの船は一斉に港の中に入って来る。
梨沙子を乗せた船は、舳先を岸壁に押し付け、梨沙子を船から降ろす。若者たちが乗った船も岸壁に横付けすると若者4人が岸壁に飛び移る。
彼女は「助けてー」と叫びながら逃げるが、港にいる人たちは宇高の島から来たと知っているため、関わり合いになろうとしない。梨沙子に男たちは追いついて来る。
沙衣と祐二は港の中を歩いていると女性の悲鳴が聞こえる。2人が声がした方を見ると女性が男たちに追われている。祐二が沙衣に言う。
「助けたほうが良いと思うけど。」「トラブルはごめんよ。一銭にもならないわ。」
彼は、彼女はもうからないとなると徹底して動かないなと思う。こうしているうちに女性は2人の方に向かって走ってくる。
梨沙子は祐二に「助けてください」と言うと彼の背中に隠れる。沙衣の顔が険しくなる。
男が4人追いつくと祐二に言う。
「島の問題だ。梨沙子を引き渡せ。」「あの~何のことですか。」
「この女は島から逃げ出したんだ。関係ない奴は引っ込んでろ。」「穏便に話し合いましょう。」
男の1人が祐二に手を上げようとする。すると海の水が男の所まで伸び振り上げた右腕に巻き付く。そして、男を海に引き込む。
梨沙子と3人の男は凍り付く。今のはマビメの力に見えたからだ。4人の視線は沙衣に向く。祐二の隣の沙衣は、美しくそして怒っていた。
「マビメ様だー」
3人の男は青くなり叫び船へ逃げ出す。3人は船に戻ると海に落ちた仲間を助け港から出ていく。
梨沙子は沙衣に土下座をして言う。
「無礼を承知して言います。夫をマビメ様から助けてください。」「さっきからマビメって何のこと?」
「宇高の島の生き神様です。水を操る力を持っています。」「私がその神様を倒せばいいのね。」
「はい。」「仕事料は出せるでしょうね。」
「喫茶店を出すために貯金してます。」「分かったわ。まずは朝食にしましょう。」
2人は、梨沙子を連れて船宿に戻る。




