3話 マビメの来訪
仕え人の葬式を終えてから島の男たちは家の中に引きこもる生活をしている。
外に出てマビメ様に出くわし、彼女に魅入られでもしたら仕え人として、これまでの生活の全てを失うことになる。
マビメは、1週間ほどは島の中を徘徊していた。それを過ぎると、民家に上がり込みだす。
島の家々は、カギをかける習慣がなく、カギそのものが無い家の方が多い。
マビメが上がり込んだ家では、引きこもっていた男が震えだす。彼女は男をちらりと見ただけで去って行く。男は彼女に気に入られなかった。
彼女は次の家に上がり込む、男は押し入れに隠れていたが、すぐに見つかる。またしても男を見ただけで去って行く。
マビメは一軒づつ上がり込み、男を品定めしていく。彼女はこれを2日行うが気に入る男は見つからない。
3日目、マビメは何軒か家に上がり込んだ後、宇野家に上がり込む。梨沙子はマビメに言う。
「マビメ様、ここには私の夫がいますが、マビメ様にお渡しすることはできません。帰ってください。」「妻がいようが関係ない。我が気に入ればよい。」
「夫はだめです。」
梨沙子はマビメの前に立ちふさがる。これまで、興味が無いように梨沙子を見ていなかったマビメの目が彼女に向けられる。
「退くのなら今のうちだぞ。」「私はここを通しません。」「そうか。」
マビメの目が冷たく光ると彼女の顔の前に水の玉が出来る。溝の玉はこぶし大になると彼女の顔の前から梨沙子の顔に向けて撃ち出される。
顔面に水の玉を受けた梨沙子は仰向けに倒れ後頭部を床に打ち付け昏倒する。
マビメは何事もなかったように家の中を進む。そして部屋の戸を開ける。そこには、はまおの両親がいる。父親のいわおはマビメに懇願する。
「マビメ様、許してください。私には家族がいます。」
マビメは、いわおに興味を示さず。部屋から出ていく。彼女は続いて奥の部屋の戸を開ける。そこにははまおが土下座の格好で縮こまっている。
「マビメ様、まだ結婚したばかりです。お見逃しください。」「おぬし、顔を見せよ。」
はまおは土下座の格好のまま動かない。マビメははまおの髪を掴み引っ張って頭を上げさせる。マビメははまおの顔を見て、歓喜に満ちた顔になる。
「見つけたぞ。お前じゃ、お前がいい。我は決めたぞ。」「マビメ様、お許しください。」
はまおは怯え、許しを求めるが、マビメははまおに口づけをする。はまおの目は怯えたものから意思のないような目に変わる。
マビメは、着物を脱ぎ全裸になる。はまおは吸い寄せられるようにマビメに抱き着く。




