7話 救出
沙衣は、祐二、ゆたか、すぐると共に再び山に入る。彼女は地中の水分を使って薄い霧を作りだし周囲の検索をする。
しかし、黒いローブを羽織ったものは発見できない。黒いローブを羽織ったものが現れたところへ来ると彼女は言う。
「もう一度、黒いローブを羽織ったものが現れるのを待ちましょ。」「食料が無いから長期戦はできませんよ。」
祐二が言うと沙衣は答える。
「今日は夕方までにしておくわ。」「分かりました。」
4人は静かにして時を待つ、夕方に近づいた頃、再び霧が出てくる。沙衣はペットボトルの水を使って陣を張る。
霧が濃くなり、しばらくして霧が晴れてくると黒いローブを羽織ったものが忽然と現れる。沙衣たちが見張っていると黒いローブを羽織ったものは移動を開始する。
沙衣は地中の水分で霧を発生させ、黒いローブを羽織ったものの動きを把握する。
沙衣たちは黒いローブを羽織ったものに気づかれないように距離を取って後を追う。
山の中を15分位歩くと黒いローブを羽織ったものは移動をやめる。沙衣たちは、気づかれないようによく見える所まで移動する。
黒いローブを羽織ったものは、大きな木の幹に手をつくと何かを引っ張り出す。それは人の形をしている。
沙衣たちは、引っ張り出されたものを見て驚く。それは人間で子供だった。
ゆたかが沙衣にささやく。
「行方不明の子供です。」
子供は魂を抜かれたようにボーッと立っている。黒いローブを羽織ったものは、手を子供の額にかざす。
沙衣は祐二にすべてのペットボトルの蓋を開けるように言う。さらにゆたかとすぐるに指示を出す。
「私が黒いローブを羽織ったものに攻撃を仕掛けるから、その隙に子供を連れて山を出て。」「分かりました。」
沙衣は水の槍を作ると黒いローブを羽織ったものに投げつける。同時に飛び出す。
水の槍はローブに当たった所で止まる。沙衣が迫り、水の槍を掴んで押し込む。槍はローブを突き抜け左腕を串刺しにして横っ腹に刺さる。
沙衣が叫ぶ。
「今よ。」「はい。」
ゆたかとすぐるが飛び出し子供の手を取り、逃げ出す。彼らは子供の手を引いて必死に走る。黒いローブを羽織ったものが追ってくる気配はない。
山の入り口まで戻ると父親が待っていた。彼は子供の姿を見ると涙を流し息子を抱きしめる。
ゆたかは警察に連絡する。山の入り口にはパトカーと救急車が駆け付ける。
子供は、言葉を話すことはできたが自分の名前が判らず、父親のことも忘れていた。
子供は心配する父親と共に救急車で病院に搬送される。
ゆたかとすぐるは警察に事情を聞かれる。




