4話 事情を聞く
翌朝7時にすぐるがゆたかの家に来る。7時半になると父親が車で迎えに来る。3人は車で事務所に向かう。
中野沙衣探偵事務所には1時間ほどで到着する。事務所には沙衣と祐二が来客を待っている。父親が沙衣に言う。
「電話した尾城です。所長さんはまだですか。」「所長は私です。」
沙衣が父親に言う。父親とゆたかたちは沙衣が若いので驚く。
「若くても私は優秀ですよ。」
沙衣はまたかと思いながら言う。
「失礼しました。息子が行方不明になっているので探してほしいのです。」「昨日は人に見えないのもがどうとか言われていましたが・・・」
ゆたかが沙衣に言う。
「私とここにいるすぐるは同じように行方不明になっています。」「その時のことを覚えていますか。」
「いいえ、記憶が無いのです。私たちは1か月行方不明になった後、発見されています。」「その時の事の記憶が無いのですね。」
「いいえ、これまでのことすべての記憶が無くなっていました。言葉も忘れていました。」「まるでサルガタナスですね。」
「何ですかそれは。」「人の記憶を食べる悪魔です。人を操れるそうですよ。」
「悪魔ですか。」「たとえ話です。調べないとわかりません。」
「私とすぐるは霊を見ることが出来ます。」「そうですか。事務所の中にいますか。」
「あれ、いません。不自然です。」「それは私がいるからです。」
沙衣は、ゆたかの話を信用することにする。
「では、今回のことを話してください。」「すぐるが住宅街で頭に白いひもをつけている子供を見つけて後をつけると山に入って行きました。」
「白いひもですか。」「はい、子供は操られているように歩いています。」
「あなたは見ていないのですか。」「私はすぐるからの連絡で山の入り口で合流して子供を追いました。追いついた時、子供の頭に白いひもがありました。」
「子供に声をかけなかったのですか。」「今は声をかけるべきだったと思います。私たちは原因を突き止めたかったのです。」
「それで後について行ったのですね。」「ついて行くと黒いローブを羽織ったものがいました。それは子供が前に来ると薄い膜のようなもので包まれました。」
「その黒いローブを羽織ったものは人間に見えましたか。」「いいえ、人間には見えませんでした。」
「それからどうしたのです。」「警察を呼びました。でも警察官たちには見えませんでした。私は膜を破ろうと膜に触りました。するとしびれて気を失いました。」
「まだそこにいる可能性がありますね。案内してください。」「はい、わかりました。しかし、何とかできるのですか。」
「私はプロですし、それなりの報酬を受け取りますよ。」
沙衣は、ゆたかたちの案内で山に入ることにする。




