3話 両親
子供は2週間たっても発見されない。とうとう夕方、子供の両親がゆたかの家に押し掛ける。
「うちの子を返して。」「私はお子さんがどこにいるのかわかりません。」
「警察に呼ばれたのは知っているのよ。」「山に入って行く子供をすぐるが見つけて、2人で後を追ったんです。」
「うちの子は勝手に山に入ったりしないわ。」「子供は操られるように歩いていました。そして、黒いローブを羽織ったものがいたのです。」
「何それ、そんな作り話を警察が信用したの。」「本当のことです。私たちは警察に連絡しました。」
「警察に連絡したのにどうしてうちの子がいないのよ。」「駆け付けた警察官には見えなかったのです。」
「どういうこと。」「黒いローブを羽織ったものと子供は薄い膜に包まれていました。それで見えなかったのだと思います。」
「あなたたちには見えたのね。」「はい、私とすぐるは霊とかが見えるのです。」
「そんなこと信じろというの。」「まて、会社の仲間に祓い屋に助けてもらったものがいる。」
「あなた、信じるの。」「ここで話していても前に進まないよ。」
父親がゆたかに言う。
「ゆたかさん、協力してくれますよね。」「私にできることなら協力します。」
「私は祓い屋を雇うから協力してくれ。」「分かりました。すぐるにも連絡しておきます。」
父親は会社の仲間に連絡して祓い屋の連絡先を聞き出す。
父親はその場で電話をかける。中野沙衣探偵事務所の電話が鳴る。沙衣が電話に出る。
「中野沙衣探偵事務所です。どうされましたか。」「尾城と言います。息子が行方不明になっているのですが、人の目に見えないものが関係しているようなのです。」
「分かりました。詳しいお話を伺いたので明日にでもお会いできますか。」「はい、明日の午前中に伺ってもよろしいでしょか。」
「お待ちしています。」
父親は電話を終えるとゆたかに言う。
「明日、祓い屋に会うことになった。一緒に来てくれ。」「分かりました。」
子供の両親は帰ることになる。ゆたかはすぐるに連絡する。
「明日の午前中、祓い屋に会うことになったから、朝7時に来てくれないか。」「分かりました。誰か話を信じてくれたのですか。」
「いいや、一応、子供の父親が話を聞いて祓い屋を雇うことになったんだ。」「それでも一歩前進ですね。」
「それは分からないよ。祓い屋が話を信じるのかわからないよ。」「そうですが、僕たちも同じ目に遭っているのだから元凶を何とかできればいいですね。」
「私もそう思うよ。明日はよろしく。」「はい。」
ゆたかは、黒いローブを羽織ったものが人間だとは思っていない。今度、それに会ったらどうすればいいのかわからない。
祓い屋が何とかしてくれれば良いと考える。




