3話 山の中の家
沙衣と祐二は、ロードスターに乗って、佐伯の山の中の家に向かう。佐伯の家は都市から30分ほど走ったところにある山間の町から15分位走った所にある。
佐伯の家は山の中だが、車で1時間もかからずに都市に行くことが出来る割と便利なところにある。
ロードスターは山間の町を抜けて山道に入る。15分ほど走ると木造の家が見えてくる。沙衣は車を家から100メートル位離れたところに止める。
家は木造2階建てで家のわきには白いSUVが駐車してある。祐二は沙衣に聞く。
「どうして車を家に横付けしないの。」「冗談じゃないわ。」
沙衣には何か見えているのだろうと祐二は考える。沙衣は、祐二に車から降りる前に言う。
「車から降りたら私の後ろにピッタリついてくるのよ。わき道にそれたらだめだからね。」「どこまでもついて行きます。」
沙衣は車から降りると家に向かって歩き出す。しかし、まっすぐには歩かない。何かを避けるように曲がりくねりながら歩く。祐二は、そんな沙衣の後ろにピッタリとついて行く。
彼女は玄関に着くと玄関周りを見て玄関ドアについているドアノックを4回鳴らす。しばらくすると玄関ドアが開き、30歳代後半の痩せた男が出てくる。
「ようこそ佐伯アラタです。中野沙衣先生ですね。先生なら玄関まで来てくれると信じていました。」「盛大な歓迎、痛み入ります。」
沙衣はにこやかに言うが目は笑っていない。アラタは、リビングに2人を案内する。
「料理を用意しますので少々、お待ちください。」「どんな料理か楽しみですわ。」
沙衣が答えるとアラタは部屋を出ていく。祐二は不審に思って沙衣に言う。
「お祓いに来たのになぜ料理が出てくるのですか。」「依頼者の目的は、私たちよ。」
「初めて会う人ですよね。」「そうね、車から玄関に行くまでの間に落とし穴が作られていたわ。」
「どうしてわかったの。」「霊たちが教えてくれたわ。」
「親切な霊ですね。」「みんな、あのアラタに殺されたのよ。」
「彼は人殺しですか。」「殺人鬼ね。人を攫っては殺してきたのよ。」
「よく捕まりませんね。」「厄介な相手よ。」
「捕まえて警察に連絡しましょう。」「まずは尻尾を掴んでからよ。」
「ちょっとさっきから部屋が寒くありませんか。」「そうね。・・・部屋から出るわよ。」
「えっ」「二酸化炭素よ。ドライアイスを使っているわ。」
沙衣と祐二は、部屋から出ようとするがドアにカギがかかっている。沙衣は、ミネラルウォーターのペットボトルを取り出すと、水を出し水の刀を作り出す。
そして、ドアのカギを水の刀で切り、カギを壊して廊下に出る。




