1話 依頼
祐二は沙衣が、バイト代を5000円に上げてくれた理由を知りたい。沙衣は祐二に
「仕事が長続きしているから上げてあげたのよ。」
と言うだけである。沙衣は祐二に退魔の力があるため利用できると思い時給を上げた。
しかし、祐二は自分に退魔の力があると知れば図に乗るに違いない。
だから、沙衣は祐二に理由を教えない、間違っても泥人形が祐二に見えたからではない。
中野沙衣探偵事務所に電話がかかってくる。沙衣が電話を取る。
「中野沙衣探偵事務所です。」「佐伯と申します。幽霊に悩まされて眠ることが出来ないのです。」
「霊が見えているのですか。」「はい、山の中の一軒家に住んでいるのですが幽霊が出るのです。」
「霊は何かしますか。」「いいえ、私を睨みつけるだけです。」
「精神科に診てもらったことはありますか。」「いいえ、私が幻覚を見ているというのですか。」
「これ以上相談に乗ることはできません。一度、精神科に言った方が良いですよ。」「私は、先生に調べてもらいたいのです。」
「お引き受けできません。」「そうですか。医者に診てもらうことにします。」
アラタは電話を切る。祐二は沙衣が仕事を断ったことを見て疑問に思う。
「沙衣、どうして仕事を断ったの。」「勘よ。何か普通の依頼ではないように感じたのよ。」
アラタは電話の何がいけなかったのか考える。彼は幽霊が出ると言えば簡単に仕事を受けてもらえると考えていた。
しかし、結果は相手にされずに断られてしまっている。相手は霊能力者である。嘘がばれたかもしれない。
彼は霊現象や霊障を調べてシナリオを作ることにする。彼は何としても沙衣を家に呼び寄せたいのである。
彼はまず五條家に話をして、仕事の橋渡しをしてもらうことにする。
彼は、沙衣が五條と深い関係にあることは調べて分かったいた。
アラタは五條家に電話する。
「五條です。」「佐伯と申します。霊のことで話があります。」
「少々、おまちください。」
電話を樹に代わる.
「五條樹と言います。霊の話と伺いましたが。」「はい、最初は精神科に診てもらったりしたのですが、原因が霊の仕業のようなんです。」
「何がありましたか。」「夜寝ていると階段を上がってくる足音がするのです。足音は私の部屋の前までします。」
「それから何かありますか。」「あとは恐ろしくて朝まで震えているのです。」
「五條ではお祓いをしませんので祓い屋を手配します。」「祓い屋は中野沙衣先生をお願いします。」
「中野沙衣を知っているのならば直接依頼した方が良いのではありませんか。」「そこを何とかお願いします。」
「分かりました。一応、ご依頼を伝えます。」「お願いします。」
樹は不審に思いながら一応引き受ける。




