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龍神の巫女の助手になる~大学生編~  作者: ぽとりひょん
9章 化け猫
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1話 拉致

 佐竹和沙(かずさ)は、両親と祖母、弟と暮らしている。彼女は高校生である。

 彼女の家には、生まれる前から猫のぼたんがいる。随分長生きをしているが元気である。

 ぼたんはいつも祖母の話し相手をしている。おそらく、祖母が一方的に話しかけているのだろう。

 和沙は、高校へは徒歩で通学している。そんな彼女を見ている男がいる。

 ある日、和沙が下校中、20歳代前半の小太りの男が話しかけてくる。

 「君のこといつも見ていたんだ。お話をしたいから喫茶店にでも行かないかい。」

 「困ります。」

和沙は走って家に帰る。数日後、ポストに差出人不明の封筒が投函されている。

 封筒の中には写真が何十枚も入っている。すべて、和沙の写真で登下校の時に撮影されたらしい。

 和沙は先日、声をかけてきた男を思い出す。

 和沙は母親と警察に相談しに行く。

 彼女は警察に声をかけてきた男について話す。

 彼女は登下校を当分母親が送り迎えをすることになる。

 1か月送り迎えを続けるが何事もなく過ぎていく。和沙は再び歩いて登下校するようになる。

 数日後の下校中、人通りのない道に黒色のワゴン車が止まっている。和沙は何気なくワゴン車の横を通り過ぎようとする。

 突然、ワゴン車のスライドドアが開いて、和沙を引き込む。車の中には例の男がいる。

 男は和沙の口をガムテープでふさぎ、ロープで縛り上げると、ワゴン車を発進させる。

 和沙は抵抗して助けを呼ぼうとしたが無駄だった。ワゴン車は町にある空き倉庫に入って行く。

 男は倉庫の中にワゴン車を止めると和沙のいる後部座席に来る。男は和沙を服の上から全身を確かめるように触る。

 和沙は男に汚されるような嫌悪感を抱く。男は和沙に言う

 「これから一緒だよ。ずうっと一緒に暮らすんだ。君は僕を好きになるしかないんだよ。」

男は、歪んだ愛情を押し付けてくる。和沙は男をキモイを思う。

 「触るな!キモイんだよ」和沙は叫びたいが口はふさがれている。男はさらに言う

 「助けは来ないよ。ここはパパの倉庫だから僕しか来ないよ。」

 「これからは君の世話は全部僕がしてあげるね。」

和沙に怖気が走る。彼女は早くこの男から逃げたいと考える。男にわからないようにスマホを探す。

 男が気づいた様に和沙のスマホを手に持ち言う。

 「これを探しているのかな。これは処分しておくから安心して。」

男は和沙の体を触った時、スマホを見つけていたに違いない。

 和沙の母は、いつも帰ってくる時間に和沙が帰って来ないので不安になる。そして、暗くなるころ、警察に通報する。

 警察は捜索をしてくれることになる。しかし、時間だけが過ぎてゆく。

 和沙は車の中でひもをほどこうとする。ひもはほどけない。男が帰ってくる。手にはコンビニの袋を持っている。弁当を買ってきたようだ。

 男は和沙の口を塞いでいるガムテープをはがす。和沙はすかさず大声を出す。

 「助けてー誰かー」

男は和沙を殴り言う。

 「いい子にしないと殺すよ。」

和沙は腹の下が冷たくなってくる。男に恐怖している。男はペットボトルのお茶の蓋を開けて和沙に言う

 「痛いことしちゃったね。お茶を飲んで。」

男はペットボトルの口を和沙の口に当ててお茶を飲ませる。次に弁当を開け箸で和沙に食べさせる。

 和沙は涙を流す。自分をみじめに感じているのだ。男は和沙の涙を見て言う

 「泣くほどうれしいのか。僕もうれしいよ。」

男は全てを自分の良いようにとらえている。和沙を独占したいという欲に囚われている。

 男は再び和沙の口にガムテープを貼ると車から出ていく。

 しばらくすると、スライドドアが開く、和沙は男が来たと思い身構える。しかし入ってきたのは、猫のぼたんだ。

 ぼたんは易々と和沙を縛っていたロープを切る。自由になった和沙は口に貼られていたカムテープをはがす。

 ぼたんは和沙に言う

 「ついて来い。」「ぼたんがしゃべった。」

和沙は驚く。車を出ると男に見つかる。

 「まてー」

男が走ってくる。ぼたんは倉庫に開いた壁の穴から外に出る。和沙も後に続く。男も追いかけるが小太りの体は穴を通りぬけれない。

 和沙はぼたんについて走る。ぼたんはコンビニに和沙を案内する。和沙はコンビニの店員に助けを求める。店員は警察に通報する。

男がコンビニに来て店員に言う。

 「女の子が来なかったか。」「来ていません。」

和沙はカウンターの影に隠れている。そこへ警察官がコンビニに入って来る。

 和沙は立ち上がり警察官に言う

 「その男が私を拉致しました。」「何言っているんだ。君を愛しているんだぞ。」

男は警察官に逮捕される。

 和沙は、それからぼたんと話をするようになる。


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