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龍神の巫女の助手になる~大学生編~  作者: ぽとりひょん
4章 影から出(いづ)るもの
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2話 突然の電話

 みおが開業してから半年、依頼は徐々に増えてきている。

 だが、仕事で忙しいことはない。

 そんな中、高校の同級生の浅子からみおに携帯電話がかかってくる。

 浅子(あさこ)は、同級生の黒城(くろしろ)たくみと高校生の時から付き合い。

 浅子は、親の反対を押し切って、たくみと結婚したのである。

 親が反対したのは訳があった。

 たくみは、坂田村黒川地区の住人である。

 隣町である坂井町にも黒川地区の住人が閉鎖的であることが知れ渡っていたのだ。

 娘が嫁いでしまえば、容易に会えなくなることは目に見えている。

 そのため両親は、浅子とたくみの結婚を反対したのである。

 結婚式には浅子とたくみの友人として参加したが浅子の親戚が1人も参加していなかったのを覚えている。

 その浅子からの突然の電話である

 浅子は挨拶もそこそこに一方的に話す出す

 「みお、お祓いの仕事しているのでしょ。」

 「ええ、しているわ。」

 「私の娘が死んだの交通事故で、娘は生きているのよ。」

 「どういうこと。」

 「助けて、私どうしたらいいのかわからないわ。」

 「何を言っているの。娘さんが亡くなったの?」

 「そうよ、でも生きているの。」

 「浅子、誰に話しをしている。」

たくみの声が聞こえる。

 「いやよ、離して、やめてよー」

突然、電話が切れる。

 みおは電話をかけなおす。

 しかし、電話はつながらない。

 しばらくして、浅子の携帯電話からかかってくる。

 みおが出るとたくみである。

 みおはたくみに聞く

 「浅子どうしたの。様子が変よ。」

 「大丈夫だ、浅子は娘が事故に遭って混乱しているだけだ。」

 「事故で死んだって言っていたわ。」

 「娘は死んでなんかいない。ちゃんと生きているんだ。」

 「本当なの。」

 「交通事故に遭っただけだ。大丈夫だ。」

 「浅子を出して。」

 「今はだめだ。落ち着いたら電話させるよ。」

 「分かったわ。」

みおには、いやな予感がする。

 しかし、たくみがそう言う以上、追及できない。

 みおの様子に順二が聞く

 「どうかしたのですか。」

 「高校の同級生から携帯かかってきたんだけど様子が変だったの。」

 「訳が分からないのですか。」

 「ええ、今その子の旦那と話していたの。」

 「同級生とは話せなかったのですか。」

 「ええ、そうよ。」

 「その子の家に行ってはどうですか。」

 「2日かかるし、閉鎖的な地域なの。」

 「難しいですね。」

 「でも、いやな予感がするわ。」

 「何とか、その子と連絡は取れませんか。」

 「仕方ないわ。連絡を待つことにするわ。」

みおは、動くことが出来なかった。

 それから半月後、みおに浅子から電話がある。

 浅子は落ち着いた様子でみおに話す

 「この前は、ごめんね。」

 「浅子、大丈夫なの。」

 「大丈夫よ。この前はおかしなことを口走ってしまったわ。」

 「浅子、会えない。」

 「たくみに相談してみるわ。」

 「出来れば、坂井町で会いたいわ。」

 「分かったわ。」

みおは、浅子の無事を確認したが、不安はぬぐえていない。

 みおは順二に言う。

 「坂井町に行くかも知れなくなったわ。」

 「しばらく、事務所を休みにしなければなりませんね。」

 「ええ、順二さんには休んでもらうつもりよ。」

 「所長について行ってもいいですか。」

 「どうして、せっかくの休みよ。」

 「することがありませんから。それに所長は何かあると思っているのでしょ。」

 「給料は出さないわよ。」

 「構いませんよ。」

順二はみおについて行くことにする。

 翌日、浅子からみおに電話がある

 「みお、坂井町で会えることになったわ。」

 「それは良かったわ。坂井町に着いたら電話するね。」

浅子はこれまで黒川の集落から出てきたことはない。

 同級生会があった時にも、浅子とたくみは不参加であった。

 みおは当然、坂井町では浅子に会えないと思っていたのである。

 会えるとしたら、みおが黒川地区に足を運ばなければならないと考えていたのである。

 それが、あっさり坂井町で会えることになる。

 みおは不安と募らせ順二に言う

 「本当についてくるつもり。」

 「はい、不都合がありますか。」

 「危ないことになるかもしれないわよ。」

 「ならば、私が必要でしょ。」

順二はみおとの同行を断らない。

 みおと順二はみおの車で出発する。

 途中、ビジネスホテルに1泊する。

 坂井町に着くとみおは実家に向かう。

 みおの久しぶりの帰郷に両親は準備をして待っている。

 そこへ、みおは助手の順二を連れて帰ってきたのだ。

 みおの母は言う

 「みお、その人は誰なの。お付き合いしている人。いつ結婚するの、早い方がいいわよ。」

 「この人は、助手の御堂順二さんです。」

 「付き合っているの。」

 「いません。」

みおは否定する。

 みおは順二に両親を紹介する

 「順二さん、母がすみません。」

 「いえ、御堂順二です。事務所で助手をしています。」

 「みおをお願いします。」

 「私が世話になっているのですが。」

 「順二さんは独身なの。」

 「お母さん、やめて。」

 「もう、本当に結婚しないつもりなの。」

 「私の仕事は危険だから、結婚はしません。」

みおは独身で通すつもりでいる。

 それでも順二はみおの両親に歓迎される。

 みおは浅子にスマホで電話する

 「坂井町に着いたわ、明日会える。」

 「いいわよ。町のファミレスで10時でどお。」

 「わかったわ。」

この日はみおの実家に泊まることになる。

 順二は空き部屋を借りる。

 翌日の10時、みおと順二はファミレスに行く。

 坂井町にファミレスは1軒しかない。

 店内に入ると浅子はすでに来ている。

 みおは浅子を見ると険しい表情になる。

 みおは平静を装いながら浅子に言う

 「浅子、久しぶり。」

 「みおこそ、みおは若く見えるわね。」

 「本当。」

 「うらやましいわ。」

 「こちらは、私の助手の順二さんよ。」

 「御堂順二です。」

 「浅子、何があったの。」

 「娘が事故に遭ったの。もう大丈夫よ。」

 「娘が死んだけど、生きていると言ったわよね。」

 「そんなこと言ったかしら。」

 「そうお。」

みおと浅子は学生時代の話をしてから別れる。

 順二はみおに言う

 「元気そうで、良かったですね。」

 「良くないわ。順二さんには普通の人間に見えたのね。」

 「はい、そうです。」

順二は、みおの言うことが判らず答える。

 みおには浅子がモノクロ写真のように色がなく見えていたのだ。

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