第1話 失踪
1週間後の深夜、祐二と小林たちが集まる。しかし、集まったのは十数人しかいない。
「全員参加じゃなかったのか。」「そんなことは言っていないよ。」
「僕は帰るよ。」「逃げるのか。中野さんに逃げたって教えるぞ。」
「かまわないよ。沙衣はそんなこと気にしないよ。」「わかったよ。俺が1人で行く。戻ってきたら中野さんから手を引け。」
「しつこいな。一緒に行けばいいんだろ。」
小林たちは、ほくそえむ。祐二が怖がるところを撮影して、中野沙衣と須藤美晴に送り付けて笑いものにして愛想をつかせるのだ。
祐二と小林は一番に出発する。そして2人の後ろに1人祐二に気づかれないように後をつけ暗視カメラで撮影をする。
祐二たちは旧校舎に入ると地下へ降りる階段に向かう。小林が祐二に言う。
「本当に地下へ行くのか。」「一番奥のトイレまで行って鏡に映った自分の姿をスマホに撮るんだろ。」
「そういうルールだが怖くなってきた。」「僕は何ともないよ。」
「何か嫌な予感がしないか。」「怖いなら逃げればいいよ。」
「そんなこと言われたら逃げることができないだろ。」「じゃ、がんばれ。」「くそー」
小林は我慢して進むことにする。祐二は悪霊と同じ部屋で生活するくらい鈍感なので何も感じることもない。
祐二と小林は通路を奥に進んでいく。その後ろをカメラマンがついていく。
奥のトイレに着くと祐二たちは鏡に向かう。2人は鏡に顔を写してスマホで写真を撮る。
その瞬間、カメラマンの腰が砕ける。カメラマンは冷や汗を流しながら床を這って戻っていく。
小林の仲間が旧校舎の前で待っているとカメラマンが這いずって出てくる。
「なに這っているんだ。趣味か。」「腰が抜けたんだよ。」
「小林と中井はどうしたんだ。」「消えた。」
「えっ?」「消えたんだよ。突然パって。」
「カメラ見せてくれ。」「ほれ。」
暗視カメラの録画映像を再生する。すると祐二と小林が鏡に前から突然消えてしまう。小林の仲間たちは驚いて言う。
「これ、トリックじゃないだろうな。」「違う、本物だ。」
「どうする。」「警察に通報しよう。」
学生2人の失踪だ。警察官が数人駆けつける。




