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龍神の巫女の助手になる~大学生編~  作者: ぽとりひょん
閑話
112/127

祐二の災難

 沙衣と祐二が通う明城大学には、学園祭のクイーンコンテスト2連覇中の須藤美晴(すどうみはる)がいる。彼女は大学の人気者で男女分け隔てなく付き合っている。

 もちろん、恋人はいない。表向きには、「これまでお付き合いしたことがないのです」となっている。明城大学の絶対的なクイーンとして認知されている。

 しかし、須藤は納得していない。確かにコンテストで圧勝しているが全く喜べない。中野沙衣いるかぎりクイーンとは言えないと彼女は思っている。

 中野沙衣はクイーンコンテストの推薦票で、須藤の得票を大きく上回っているにもかかわらず、2回とも出場を辞退している。

 そして、沙衣は男女分け隔てなく必要なことしか会話をしない。つまり、友達を作らないボッチである。にもかかわらず彼女に惹かれて玉砕する男は数知れず。

 女子からも態度をはっきりさせている沙衣をかっこいいと言って人気がある。

 須藤にとって耳障りなことは、沙衣が「無冠の女王」「氷の女王」呼ばれていることである。須藤は沙衣に勝ちたいが沙衣は同じ土俵に上がって来ないので決着をつけることが出来ない。

 ある日、男子から驚きの話を聞かされる。沙衣が講義中、ある男子の横に座ったというのだ。あの男子を寄せ付けない沙衣がである。

 「誰の横に座ったの。何学部の子?」「同じ文学部の中井祐二だよ。中野さんの肩を抱いて、その後、顔面を机にたたきつけられて後頭部を足で踏みつけられていたよ。」

 「その中井君とは仲がいいの。」「僕は話をするくらいだよ。」

 「違うわ、中野さんと仲がいいか聞いているのよ。」「分からないけど、男子はみんな嫉妬しているよ。」

 「そうなの。」

須藤は確かめる必要があると考える。もし、沙衣にその気が会ったら、中井をデートに誘って、目の前で奪ってしまえばいいのだ。

 講義時間中、祐二は真面目に講義を受けている。沙衣も離れた席で受講している。須藤はそれを確認すると講義が終わるまで廊下で待つ。

 講義が終わると須藤はすぐに祐二の前に立って前かがみになり推定Cカップのバストを強調して声をかける。

 「中井祐二君でよかったかしら。」「はい。」

祐二は学祭クイーンに声をかけられて赤くなる。須藤は目で沙衣の様子をうかがう。沙衣はこちらを見ている。

 「私、中井君とお話をしてみたかったです。」「はあ。」

祐二は何が起こっているのかわからない。沙衣がこちらに歩いて来る。須藤は「よし、予定通り」と思う。

 「中井君はお花は好きですか。」「嫌いではありません。」

 「今度、お花を見に行きませんか。」

教室にいた男子たちがうろたえる。誰とも付き合いのないクイーンがデートに誘っているのだ。さらに沙衣が祐二の隣に座る。

 なぜだー、中井だけがもてるんだー、男子たちは祐二に嫉妬する。肝心の祐二は状況が飲み込めていない。

 「僕も行くんですか。」

「何だ。この鈍感男は」と須藤はイラッとするが、バストをさらに祐二に近づけて、ちょこっと怒ったように言う。

 「デートに誘っているんです。」「デートですか。僕は行きません。」

須藤は耳を疑う。もう一度行ってみる。

 「いやです。行きましょうよ。」「行きません。」

男子たちが祐二を見て「こいつ何を何を考えているんだ。クイーンのお誘いだぞ」と思う。

 須藤は涙目になる。祐二は教室の沙衣を省く全員を敵に回す。祐二は突然、沙衣の肩を抱いて言う。

 「僕は沙衣が好きなんだ。」

須藤は両足が震える。負けた。負けた。沙衣に負けた。

 沙衣は、祐二の顔面を机にたたきつけて後頭部を右足で踏みつけてグリグリする。

 「祐二、何をするのよ。」

沙衣は去っていく。近くにいた男子たちは涙を流して拝む。

 「白だ。」「白だった。」「目に焼き付けたぞ。」

須藤もフラフラと教室を出ていく。祐二は失神していた。

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