3話 好奇心
沙衣がドライブコースを考えている頃、明城大学ハイキング部は次の連休に行くハイキングコースを決めて計画書を作っていた。
ハイキング部は部員数50人大きなクラブだが実際に活動しているのは10人ほどであとは幽霊部員だった。今回のハイキングは6人参加となっている。
当日部員は栄の地下街に集合して電車で目的地に向かう。そして駅前の街を抜けて山の方へ1時間程歩くと自然歩道の入り口に到着する。
あとは自然歩道を歩いて、自然歩道の近くにあるキャンプ場に1泊する予定だ。
彼らはスケジュールに余裕を設けているのでのんびり歩いて行く。そして、歩道の脇に千覚塚を見つける。そこには千覚塚のことについて記載されている立札もある。
立札には、千覚と言う旅の修行僧が岩屋の化け物を退治しようとして帰って来なかったことが書かれている。さらに奥にある岩屋には決して入ってはならないと記載されていた。
彼らが立札を読んでいると奥からガリガリ、ガリガリ、ガリガリ、ガリガリ・・・・と岩をひっかくような音が聞こえてくる。
部長の省吾がみんなに言う。
「みんな聞いたよな。」「やめてよ。気のせいよ。」
怖がりのツムギが言い返す。
「いや、聞こえたよ。確かめようぜ。」
好奇心の強いハルトが音の聞こえる方へ行こうとする。
「行ったらだめよ。書いてあったでしょ。」
ツムギが止めようとするが4人が音の聞こえる方へ入って行く。そして岩屋にたどり着く。省吾がみんなに言う。
「この中から聞こえてくるな。引き返そうか。」「何を言ってるんだ。ここまで来てそれはないだろ。俺は入るぞ。」
ハルトが岩屋に入ろうとする。部長の省吾は仕方なくついて行くことにする。
「何かあったら、警察を呼んでくれ。」
省吾は、残った2人に言う。省吾とハルトはヘッドライトを点けて岩屋に入る岩屋の中は狭いが奥に続いている。2人はヘッドライトの灯りを頼りに進んで行く。
彼らはガリガリ、ガリガリ、ガリガリ、ガリガリ・・・・と岩をひっかくものの正体を見つける。それは2メートル位の大きさのカエルの化け物のようなものだった。
省吾がハルトに言う。
「逃げるぞ。」
しかし遅かった。振り返ったハルトの背中を化け物が鋭い爪で切り裂く。
「うあああぁぁー」
ハルトは叫びながら倒れる。省吾が大声で逃げながら叫ぶ。
「化け物だー」
岩屋の外にいた部員に叫び声と省吾の叫び声が聞こえる。1人が走って歩道にいる仲間の元へ走る。もう1人は恐怖に耐えて2人が出てくることを待つ。
しかし、2人は出てこない。さらにガリ、ガリ、ガリ、ガリ・・・・と骨をかみ砕くような音が聞こえてくる。部員は110番通報をする。




