プロローグ
ガリガリ、ガリガリ、ガリガリ、ガリガリ・・・・
岩をひっかく音が響く。それは爪を研ぐかのように岩肌をひっかき続ける。
村から離れた山奥に巨岩が積み重なった所に自然の洞窟になった岩屋がある。村人は近くに来ることはあっても絶対に入ったりしない。
それは、子供でも知っている村の常識であった。
ガリガリ、ガリガリ、ガリガリ、ガリガリ・・・・
その音は今日も岩屋の中を反響して、外にいても耳をすませば聞こえてくる。
ある日、旅人が山道を通って岩屋の近くを歩いている。するとどこからか音が聞こえてくる。
ガリガリ、ガリガリ、ガリガリ、ガリガリ・・・・
気になった旅人は音のする方へ道をそれて歩いて行く。そして、岩屋にたどり着く。音は中から絶えず聞こえてくる。
旅人は洞窟の中に入ることを躊躇する。しかし、旅人は好奇心に逆らえずに洞窟に入って行く。旅人が岩屋の中に消えた後
ぎゃぁぁぁぁーーーー
旅人の物と思われる悲鳴が岩屋の中に響き渡る。そして半日後
ガリ、ガリ、ガリ、ガリ・・・・
骨をかみ砕く音が岩屋の中で響く。
そこは入った者が出て来られたことのない人外の住まう場所であった。




