期待
「...様......者様......起きてください、勇者様!」
知らない声だ、って勇者?俺のことか?何かの聞き間違えだろう。それにしてもここはどこだ?家ではない。
目を開けるとそこには歳は18歳くらいの金髪の少女が照れた目つきで俺のことを見ている。
「夢、なのか?」
「夢ではありません!勇者様どうか、どうか我々人間の聖域をお護りください。」
どういうことだ?勇者?聖域?意味がわからない。とりあえず詳しいことは後で聞こう。問題はここが俺たちが住んでいる世界であるのかだ。
「ここはどこだ?」
「この場所は風の都レイナ。嵐の王レイナ様が遥か昔に建てたとされる聖域の中でも有数の発展国家です。」
聞いたことがない、ということは異世界確定だな。
「これから一度、王に謁見していただきたいのです。」
しょうがない詳しい話はその王に聞くか。
「わかった。案内してくれ。」
「はい!こちらへ。」
随分と歴史のある城みたいだ。今までの王の肖像画が数えられないほど飾られている。俺は本当に異世界に来てしまったのか?
だとしたらすごくウハウハなファンタジーライフを送ること間違いなし!
と、歩いているうちに今までよりも大きな派手な扉の前に着いた。
ゆっくりと開き中に入る。中央の玉座に60代くらいの男が座っている。多分あれが王様だろう。
その前に10代から20代まであたりの男女が6人立っている。
「これで勇者は揃ったの。ではまず自己紹介を、わしがこの風の都レイナの王アレクサンダー・G・レイナだ。」