第1話 動物に嫌われている主人公VRMMOを買う
初めての小説投稿になります。初心者なので拙い文章ですが、よろしくお願いいたします。
俺の名前は木代優人、今年から高校2年生だ。
只今、始業式が終わり下校中である。
それなりに裕福な家に産まれて、それなりの容姿を持っていると思いたい。
そんな俺だが、一つの悩みがある。
それが...
「グルルゥ...バウッガウッ!!」
「キャン...キャウン...キャウーン!!」
「フシャー!!」
このように、種族問わず人間以外の動物にもの凄く嫌われているのだ。
その嫌われっぷりは、ある意味特技と言っても過言ではないだろう。
例をあげれば、犬に近づけば歯を剥き出しにして威嚇されたり、猫に近づくと毛を逆立てて威嚇されたりは、まだ常識的な方だが、ペットショップで子犬を見ていると、子犬が怯えだして部屋の隅っこで震え始め、動物園に行って触れ合いコーナーに行くと、優人の周りだけ見事に空白が出来ているのだ。それを見て不憫に思った飼育員さんがハムスターを近づけようとしたら、ハムスターが飼育員さんの指を噛んで逃げだす程の嫌われっぷりだ。
「はぁ...」
思わずため息が出てしまう。
ちなみに、動物達は優人が今までの嫌われっぷりを思い出し、悲しんでいる間に逃げている。
「な~に、辛気臭い顔してんのよ優人!」
俺が動物達から逃げられて、更に悲しんでいると背中に軽い衝撃と共に声が掛けられた。
「桜花...」
俺に声を掛けてきたのは月堂桜花、幼馴染みであり、学校のアイドルである。
長い黒髪はシュシュで纏められており、非常に整った容姿をしている。常に笑顔を絶やさずにいてクラスを明るくしている為、男女共に人気が高い。
「ま~た動物に逃げられたか、威嚇されたんでしょ~」
「あぁ...」
「そんな、動物に嫌われている君に朗報だよ!!」
「何だよ」
「ムフフ~実はね...free life mythologyのβ版テスター報酬として~【NEO】とソフトが届いたんだよね~」
「マジかよ!!」
free life mythologyとは最新のファンタジー系VRMMOであり、【NEO】とは、free life mythologyの発表に伴い発売された、最新型VR機器である。
βテストは抽選制で、サモナー系等の動物やモンスターを仲間にする職業があると聞き、俺も一応応募してみたが当選はしなかった。しかし、桜花はしっかり当選していたようだった。
「お前も応募してたんだな、桜花」
「まさか、私が当選するとは思はなかったけどね」
「で、報酬はどんなだったんだ?」
「んーとねぇ、正式版のソフトとベータ版の一部ステータスと装備を含めたアイテム、あとは【NEO】と正式版ソフトの優先販売券だったはずだよー」
「何で優先販売券なんてあるんだ?」
「何か手紙に凄く丁寧に書いてたけど優先販売券使って友達や家族誘ってねって感じのこと書いてあったよ」
「なるほど」
「うーん、家族はどうせゲームやらないし、幼馴染みのよしみで優先販売券は優人にあげるよ」
「...マジで?」
「マジマジ」
「...や...やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「ありがとうございます、桜花様ああああああああぁぁぁ!!」
「ふふっ喜んでくれて良かったよ」
ということで俺は優先販売券を貰って早速、土曜日に長年貯金していたバイト代とお年玉を放出して、ゲームを買った。
優先販売券は優先的に販売してくれるだけでなく、値段も下げてくれるらしく、案外安く買えた。明日サービスが開始されるので、ログインするのが非常に楽しみだ。
投稿頻度は決めていませんが、なるべく頑張りたいです。