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雪の下のサーシャ  作者: 遊月奈喩多
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雪の下のサーシャ

こんばんは、遊月です。

最後のお話は、【雪の下のサーシャ】。

いったいどのようなお話なのでしょうか?


本編スタートです!

「サーシャは、優しい女の子です。

 どこにでもいる、けれど世界にひとりだけの優しくて可愛い、天使みたいな女の子。サーシャはいつもお姉さんと一緒にいて、ニコニコとお日様みたいに笑っています。

 もちろん、その笑顔はお姉さんだけでなく、いろんな人を笑顔にしてきました。お父さんも、お母さんも、近所のおばさんも、木こりのおじさんも、偏屈者のおじいさんも、寂しがり屋のおばあさんも、みんながみんな、サーシャの笑っているのを見たら釣られて笑顔になってしまうほどでした。


 そんなサーシャはきっと、人ではないものにも好かれていたのかも知れません。太陽の光はサーシャの柔らかそうな髪を星の小河に変えていましたし、月の光は眠るサーシャのまつ毛を宝石のように輝かせました。風はサーシャを慈しむように舞って、雨もサーシャに光のドレスを(しつら)えているようでした。

 世界の全部がサーシャを愛して、世界の全てをサーシャは愛していました。そんなサーシャを彩るように世界は目映く輝いていました。


 だから、もしかしたら雪の精が嫉妬してしまったのかも知れません。

 あるとても寒い冬のこと、サーシャは雪の下に隠れたまま、出てこなくなってしまいました。お姉さんも、お父さんも、お母さんも、街のみんながサーシャのことを思いました。

 そのうち、お姉さんにはサーシャの声が聞こえるようになってきました。

 どこにいるのか、それはわかりません。けれど、お姉さんにはわかります。サーシャは今も雪の下からみんなのことを見守っています。そして、お姉さんの呼び掛けにはいつでも答えてくれるのです。



 ……ページはこれでおしまいね。

 それじゃ、今日は帰るから、また明日ここでお話しましょうか。寒くなっちゃうからもう帰ろう、サーシャ」


 白紙のページを閉じて、お姉さんはひとりで歩き始めます。

 雪に覆われた墓地は、今日もとても静かです。

前書きに引き続き、遊月です!


全ては童話の頁に綴じられて……


また次回作でお会いしましょう♪

ではではっ!!

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