共同体は始まりとともに(8)
物音ともに目を覚ます
外で、何かが壊れる音がし
悲鳴や、怒号が飛び交っている
ルミナは、何事かと飛び起き
すぐさま、馬車の外へと出ようとする
(なに!なに!・・・外で何が起きてるの?)
戸惑いながらても、杖を手に取りる
「みんなは大丈夫かな」
ルミナが外に出ると世界は真紅に染まっていた
夕暮れの日とは別に火と血に染まっていた
「!・・なにこれ・・」
あたりを見渡すと、死体がそこらじゅうに転がっていた
「!」
ルミナはあたりを見渡す
そこには、まだ生きてる人がいた
かけより、しゃがみこむ
「大丈夫ですか!」
「・・・・・・」
気を失っているようで倒れている男性は返事は
帰ってこなかった
「この人・・・たしか」
男性はルミナの顔見せ知りの人物であった
今回の行商団の一員の商人だ
ただ、この男性以外にも周りに倒れている人物はかなりいたが
行商団の人たちではなく今回の旅にに雇われていた護衛の
「冒険者」たちのほうが多く見受けられる
(襲われたのだとしたら護衛の方が戦ってくれる・・)
そう、護衛として雇われている人間達が彼ら商人を守るのは
当然で、その過程で倒れるのも、痛ましいことだが、わかる
だが現状はなにかがおかしいと違和感をルミナはおぼえた
それは、死体が冒険者達のばかりであるということ
襲撃があったのだとしたら、その襲撃者の死体も倒れているはず
それに、この倒れている商人の数もおかしいとふと思った
ソレは、たんなる感でしかなかったが
こんなにも、護衛の人たちがやられているのに
倒れている商人の人達が少ない気がしてならない
「・う・・っ」
「大丈夫ですか!」
「待ってください、今治しますあら」
ルミナは、辛うじて意識が戻りかけた男性に回復魔法をかける
柔らかな光が男性を包み込み傷を少しずついやす
(応急処置はこれで大丈夫かしら・・)
「・・・・・」
ルミナは、男性をとりあえず馬車のなかへと運ぶ
やっぱり、変だとルミナは思った
よく見ると、倒れている冒険者達の顔を恐る恐る見ると
行商団の先頭を、守っていた人たちの顔もチラホラと見えた
ルミナのいるところは、行商団の中でも真ん中
前の方で火の手が上がっているのも見えているし
怒号や、音も前の方から聞こえていた
このあたりはどうやら、人が少ないようだ
周りを見ると、馬車の中で隠れていた商人の人たちも
どうやら、少し出てきたようで
慌てている
「なんだ、どうなっている!」
「火だ!、先ず火をを消せ!」
「ひ!・・何だこの死体は・・・儂の商品は無事なのか!!
やっとった護衛はどこに!?」
「アルヴェドはどこだ!」
どうやらルミナと同じで、休んでいたものたちも出てきたようだ
状況がつかめず
各々が、好き勝手に騒いでいた
その時、追い打ちをするように
ドォン!?
物凄い爆音が今度は行商団の後方の方でなった!?
ルミナは、その音を聞いたとたん急に顔がこわばり
音のする方へ慌てて向かった
「後ろの荷物の中には【あれ】が!」
後方の荷物の中には、
ルミナの今回の旅の目的である大事な物があった
今の強烈な音がもし
荷物を積んでいる荷台の壊れる音だとしたらと
心配になり、急いで後方へ向かう
(あれを、をちゃんと届けないとみんなが!)
かなり慌てているらしく、先程の疑問や違和感などを
すっかり、頭からこぼれ落ちてしまっていた
走って倒れた馬車を横に避けたとき
馬車の影で隠れていた
一人の護衛である冒険者の男が傷を追った姿で出てきた
「!」
ルミナは、驚いて止まろうとしたが
勢いを殺せず、ぶつかってしまう
その衝撃で冒険者の男は持っていた袋を
落とし中身が外に散らばる
男自体は、体制を崩しただけであるが
ルミナは、衝撃で後ろに倒れてしまう
「すいません!、急いでいたもので!」
「っつ!?」
男は顔をこわばらせた、まずいところで出くわしてしまったがごとく
ルミナは先程の心配事と突発的な出来事で気がどうてんしており
男の不審な行動にも気が付かず無防備に下に落ちた物を
広い袋につめようとする
「今、拾います、あ! 護衛の方なら知ってますよね
何が襲って来たんですか!?」
ルミナは、何が起きたのかを聞いた
「真ん中でも、冒険者の方が死んでいて!・・それで・・?」
散らばった物を拾って集めているところで金に光る硬貨拾ってようやく
落ちていたものが何かをちゃんと見た
ソレは、金貨だった
散らばっている物はどれも高価な品に見え
ましてや宝石のたぐいも見て取れた
「これって・・」
よくよく考えればおかしいのであった
このような、襲撃にあっている状況で
護衛の冒険者が一人でいるのも傷だらけの状況でここで
このような、高価な品が詰まった袋を
こそこそと、運び出そうとしていたことも
そう思い、ルミナが男の方を振り向くと
「っう!!?」
(!)
ルミナの頭上にめがけて携えた剣を
渾身の力を込め振り下ろした
・・・・・・・・
・・・・