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長編小説 2 『魂のクオリア』  作者: くさなぎそうし
第一章 青の静寂と赤の鼓動
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第一章 青の静寂と赤の鼓動 PART0

『俺の名は』 これは、双子の音楽家の人格が交差するミステリー


 クオリア。


 これは言葉ではいい表せない感覚を差す単語だ。


 頭の中に、赤い林檎りんごを想像して欲しい。


 今、あなたが想像した『赤』色はどんな色だろうか?


 『赤』といってもたくさんのアカがある。緋、朱、紅、茜……。これらはどれも赤色をさすけれど、決して同じ色ではない。色の表現は言葉では言い表せないからだ。


 だからあなたが想像した『赤』はオレが想像した『赤』と同じかどうかわからないし、それを確かめる術はない。

 まして完全に好きな色が被ることはない、同じ『人間』でない限り、同じ数値で表した色を選ぶことはないからだ。


 クオリアができる過程にはディープラーニングという、その人物が培ってきた『記憶』が重要になる。

 

 だからたとえ、オレ達が双子だといっても、『共感覚』を持つことはありえない。

 同じ環境にあっても、経験や視点は絶対に違うし、オレ達の性格は正反対にあるからだ。


 オレは今、自分の感覚に疑問を感じている。


 扱ったことがない指揮棒を通じて、魂が喜びに打ち震えている。初めて扱うものが全て、何かの糸に導かれるように円滑に進行していく。この感情に抗うことはできない。きっとオレの魂が、この体こそが、自分の体だと認識しているのだろう。


 『オレ』は本当にピアニストの水樹(みずき、で間違いないのだろうか――?

 

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