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クソゲー

「ジャンプ、ジャンプ、一呼吸おいてジャンプ!!……よしっ、クリア!!


……って、え?は?何で捕まって……はぁっ!?何が本気で走ってたからだよ!?速度落とした瞬間捕まるだろ!?どうやって逃げりゃ良いんだ!?」


……等と、絶賛発狂中の俺がプレイしているのは、恋愛系RPGゲーム、光射す明日へ。


何故かいきなり横スクロールアクションが始まったり音ゲーが始まったり絵画を集める事になったりする、アンダーテイル社屈指のクソゲーである。


で、俺が発狂したのは、ゲーム開始から(ゲーム時間で)約10日程経った後に強制で起こるストーリーイベント、『ドライアドの絵画』をプレイしていた時の話だ。


このイベントの始まりは、町に定期船が現れ、強制的に乗せられる事になるのだが、そこには知り合いのオカマが居た、というもの。


筋肉ムッキムキで、ややケツアゴで、顎髭が3mm程生えた、縮れ毛でおネエ口調の男性だ。此処で彼から逃げると強制で捕まり、掘ら……バッドエンドとなる。


で、仕方なく話して、適当に相槌を打ち(無反応だと掘られ……バッドエンドになる)、適当に切り上げて自分の部屋に向かうと、何と定期船が座礁し、沈没し始めるではないか!!


慌てて逃げようとする主人公。しかし、現実は無情である。此処で制限時間有りの脱出ゲームが始まる。


主人公のレベルに合わせた難易度のトラップ群(ほぼ全てが即死級,レベルを上げすぎると難易度が高過ぎてクリア不可,推奨レベル5)を回避しまくり、助けに来たオカマの目を掻い潜り(捕まると容赦無く掘……バッドエンド)、甲板から海へダイブし、気絶する。


運が悪いと此処で死ぬが、それはさておき、主人公が目を覚ますと、そこは浜辺だった。身体はダルく、体力は僅か1で、持ち物は全て消失していた。


迫り来る小さな蟹やウニ、小石達の猛攻(少しでも触れると怪我をして一発で死ぬ)を華麗に回避し、何とか森につくと、そこには有名な絵画、『ドライアドの微笑』の下書きが残されていた。


疲れていて頭がおかしくなっていたのか、突如この絵画を完成させなくてはという気持ちになった主人公は、著名な画家達に修復を依頼し、謎の試練をこなして1パーツずつ描いて貰うのだが、この試練がまた鬼畜。


定期船に乗ってから絵画完成までセーブは一切出来ないのに、容赦無く主人公を殺しに掛かるのだ。


涙目で何とかクリアしていき、最後のパーツ、ドライアドの右目を残すのみ、といった段階で、あのオカマが登場。


私が描くわ、と野太い声で言うオカマの出した試練は、オカマからの逃走。


此処でいきなり映像が切り替わり、軽快な音楽と共に横スクロール風のステージの端から端までゆっくりとスクロールして行き、捕まると掘られ……バッドエンドの、恐怖の逃走劇が始まる。


画面上部にはF1~F12までのキーがある順番に並べられ、対応したキーを押すことでジャンプできるのだが、そもそもメモを取る時間も記憶する時間も無い。


此処で初見の人は大概発狂する。

逃げようにも、ジャンプ出来なければ地面から生えた針に刺さって即死するからだ。


何の説明も無くいきなり放り出され、最初の崖をジャンプ出来ずに後ろから迫るオカマに捕まり、ゲームオーバー。こんなの、やる気をなくすに決まってる。


それに、仮に全部暗記したとしても、スタートのタイミングが一瞬でも遅かったり、無駄な行動をしたのであれば、最終的には捕まり、ゲームオーバー。


どうすれば良いんだ、と悩んだプレイヤー達は、あることに気がついた。これ、スクロール時の音楽に合わせてジャンプすれば最適解になるんじゃね?と。


その結果が、今の俺である。


一切の油断無く走り抜け、何とかゴールにたどり着いたは良いものの、本気で逃げるなんて格好良くない、もっと爽やかに走らないと、なんてふざけた事を言われ、ゲームオーバー。


血の涙を流しつつ攻略wikiを確認すると、アクセサリー装備、尻尾を装備して、全力疾走しつつ尻尾を振り、余裕に見せ掛けろ、との事。


因みにその尻尾は、画家達の試練の途中で見つけた洞窟(難易度は恐ろしく高いが、オカマ程の理不尽さは無い)にあるらしい。


成る程ね……って、ふざけんなよ!!こっちは何万回やり直したと思ってるんだよ!!こんなゲーム、クソゲーだ、クソゲー!!


というコメントに溢れていたが、どうやらこれでも、難易度理不尽さ共に序の口らしい。


俺はため息を吐きながら、攻略wikiに公開されているクリアデータをダウンロードした。


はい、これで終わりです。

御目汚し失礼致しました。

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