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魔法世界へ行く人達を見て

・初めに

25万作を超える作品がある中でこれを閲覧してくれたあなたに

まずはお礼を。見つけてくださってありがとうございました。

そしてお時間が有るのなら、大体5分ほどで済みますので

お付き合いいただければと思っております。


「貴様ごときに5分もかけられるか!」とおっしゃるのなら

一番下までスクロールすればまとめが載ってますので

そちらをご参照ください。




・圧倒的な転生力と召喚力

この「小説家になろう」では圧倒的にファンタジー作品が目に付きます。

ランキングを見ればお分かりだと思いますがファンタジーが

ひたすら続く中に時々恋愛が混ざると言った具合です。


しかも純粋なファンタジーではなく転生モノや召喚モノが

圧倒的主流で、主人公も学生や冴えない人生を歩んだ人が大半です。

なぜでしょうか?


単なるファンタジーでは、単なる転生や召喚モノでは、

権威のある人が主人公ではダメなのでしょうか?

そのあたりを3点に絞って語っていきたいと思います。




・現実からの逃亡

転生モノや召喚モノが流行っている1つ目の理由には

「現実に対する閉塞感」があると思います。

例えば日本の自殺者は「確認されているだけでも」年間3万人前後います。

(細かく言えば2013年は2万8千人弱ですが、実際にはもっと多いでしょう。)


Wikipediaによると野球開催時の東京ドームの収容人数が

約4万6千人とのことですから大ざっぱに言えば

1年で満員の東京ドームにいる観客の半分を越える人が

自ら命を絶っている計算になります。


毎年ニュースで機械的に報道されているので

感覚が麻痺しているかもしれませんが

これは恐ろしく高い人数で、

日本人の感じる閉塞感はかなり高いと思われます。



その閉塞感は近年「秋葉原無差別殺傷事件」や

「黒子のバスケ脅迫事件」を起こした

ネットスラングで「無敵の人」と呼ばれる人達の出現で

具現化していると思います。


そんな人が出るほどの閉塞感から逃げだしたい。

というニーズに応えるために転生モノ、召喚モノが

流行しているのではと思います。


ネットでよく言われている「リセットされたら本気出す」を地で行く展開、

ついでに言えばハイスペックな超人になって女の子にもモテモテ。という

ベタベタなライトノベル的展開がウケるのだと思います。




・ゲームファンタジー

なぜ転生モノや召喚モノが流行っているのかを述べましたが

あなたはこんな疑問を持ったことはありませんか?


「何で転生先や召喚先がお決まりのようにファンタジー世界なんだ?」


単に転生モノや召喚モノなら別にファンタジー世界でなくても構いません。

例えば石油王や不動産王の子供に生まれ変わっても良いですし、

原始時代に召喚されて現代科学の知識で

部族を率いて繁栄させるいわゆる白人酋長モノでもOKです。


しかし現実には判で押したかのように

どれもこれもファンタジーが舞台になっています。

なぜか?2つ目の理由はTVゲームが大きく関わっているからだと思います。



30代後半〜40代を先頭に今の若者はメジャータイトルでは

古くはドラゴンクエストやファイナルファンタジー、

最近ではテイルズオブシリーズ、

それ以外にも掃いて捨てるほどあるファンタジー系ゲームを

当たり前のように遊んで育ってきたので

ファンタジーというのは身近な題材になってます。


そのため読者からすれば学園モノみたいに見慣れた

馴染みのあるジャンルなのでウケが良い題材だと思います。




・説明しよう! え?いらない?

「ファンタジー」や「魔法」と言うのは非常に便利な言葉です。


とりあえず「魔法だ」と言っておけば、

とりあえず「ファンタジー世界」だと言っておけば、

大抵の事は説明しなくて済んでしまうのです。

まさに「魔法」のような手法です。

この「説明しなくてもいい」というのが3つ目の理由です。



その傾向は主人公像にも反映され、誰もが過去に通った道である学生や、

ネットを覗けばうんざりするほど見れる

ステレオタイプのニート、オタク、フリーターを

主人公にすれば彼らについて説明する手間が省けます。


特に「小説家になろう」では誰もが気軽に投稿できる

形式になっていますので面倒な説明をしなくても

済むのは大きなメリットでしょう。



逆にそうでない主人公、

先にあげた例では石油王や不動産王の子供が主人公だった場合は

説得力のある話を作るのに資料集めや時代考証などが必要なので

難易度は上がるでしょう。



事実、自衛隊員が主人公の「ルーントルーパーズ ~自衛隊漂流戦記~」では

ファンタジー世界への召喚モノであるにも関わらずに

武器などの設定が写真付きで、

登場人物もイラスト入りで解説されていますが

コレは本編を読むのに必要だから存在すると思います。


「本当にそうなの?」と疑問に思ったかもしれません。

ではそんなあなたにお聞きしますが、



【01式軽対戦車誘導弾】

《まるひとしきけいたいせんしゃゆうどうだん》



と聞いて具体的な形状や使用しているシーンをイメージできるでしょうか?

おそらくあなたが自衛隊マニアか兵器マニアでない限り無理でしょう。

それどころか任務中の自衛官の姿をイメージすることすら

難しいと思います。

蛇足かもしれませんが、私も出来ません。



解説する方も面倒、見る方も面倒となれば

「どこにでもいるごく普通の高校生」が

「魔法のある世界」へ

「召喚される物語」が流行するのは仕方ないと言えます。



・まとめ

なぜ「ファンタジー世界に」「学生や地位の低い人たちが」

「転生、召喚する」お話が多いのか?


それは「つらい現実から逃げ出したい欲求」と

「読者からすれば親近感がありウケが良い」と

「素人でも簡単かつラクに作れるから」

という3点が原因だと思います。



ただ個人的には現実世界から最も遠い位置にあるファンタジー世界が身近で

現実世界を舞台にするより描きやすい。というのは

笑えない皮肉だと思うのですが・・・。

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