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プロローグ

                  プロローグ「理不尽な現状」

2080年、世界の支配体制は単純な独裁だった。権力による支配ではなく、単純な力。いや、単純だが理解しがたい、しかし受け入れざるを得ないものだった。

奇跡という言葉がある。偉人と呼ばれる存在があった。常人ではなしえないことがなしえられてきた。言葉で民衆を先導した。学問で時代を開拓した。戦で百戦錬磨をつらぬいた。そんな奇跡、偉人、異人。それは『本当に常人じゃない』人間達だったからなりたってきたのだ。

全部が全部異人だったというわけではない。本当に心から説いたり、学問を突き詰めたりした者もいただろう。だがしかし、『奇跡の継承』という特異がこの世に存在した。

この特異は宗教に遡る話になる。宗教の神という存在は人ならざる奇跡の存在という意味でなり得ていた。だが、聖書や絵に書き記されている神はほとんどが人間もしくは人なのだ。ここからわかるだろうか、神とは人の形をした特異な存在なのだ。そしてなぜかこの世に人間とともに生まれてきた。つまりはこの世を形成する歯車なのである。そしてその歯車が狂わないようにその特異性は受け継がれる。転生し、常にこの世に存在し続けている。今この瞬間にどこかである神が死んだならその瞬間世界のどこかでその神が新しい生命に宿って生まれる。いつからかその存在は『聖人』と呼ばれるようになった

奇跡の力は絶大だった。その存在一つ一つが世の断りだと言わんばかりの脅威だった。ある神は必殺の力を持ち、ある神は死物を蘇らせ、魅了する神もいれば天災を呼ぶ神もいた。形は変われど神々はその力を身に秘めて常に現存している

そして2030年頃から、世界中の国々で支配をしているのは神の特異性を持つ聖人だった。第三次世界大戦を機に聖人たちが猛威を振るい、そして君臨した

脅威で従わせ、絞り取り、捨てる。それが国のシステムだった。

そんな国が何人もの聖人によりいくつも作られ、反発し合ったり共存したりしていた

だがしかし、いくら踏みつけようとも抑えようとも、燻ぶる火種というのは消えないものだった

奇跡に対抗しようと人間は自分たちの手で『人外』を作った

素質のあるものを調査し、研究し、そして2060年に超越者<オーバー>と呼ばれる人間が造られた。その存在は各国に広まり、やがて世界中が造られるようになった

ただし、超越者になれる素質は限られていて、人数は限られていた

だが、聖人たちはその超越者たちをも組み敷き、自国のシステムに組み込もうとしていた。研究勢力をねじ伏せ、国の戦力として利用しようとしていた

そして現在2080年、いくつかの思惑や執念や計画により、世界が少し動き始めた


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