【十一】
なにかホモ小説になりそうな気がします。
やばいどうしよう。眠れない。昼だけど。
ものすごく興奮しすぎて眠れない。別に今は眠れなくていいけど。
遠足前の小学生・・・いや、もはや幼稚園生になった気分だ。
だって望みがかなったんだ!飛び跳ねたい気分だぞ、もう。
そう、俺は明日この学校を出る。
そして、人生初のおそらく人類史上初の大冒険が幕をあけるなんかテンションやばいぞ俺悶絶!!
「・・・すみません、少し引いてもいいんでしょうか」
「青谷、随分冷たいな、お前だって選ばれたんだろ、ならわかるだろこの興奮が」
「・・・嬉しいのは、わかります。私も嬉しいですよ。だけどさすがにこれからのことを考えるとのんびりはしていられないと思うのですが」
「たしかにそうだな。それで、青谷は何か対策を思ったわけだ」
「はい」
「それで、お前の場合はその『対策』がそういう行動だったと・・・」
青谷は今、せっせとお札を作成していた。
お札なんて、意味を成すんだろうか。多分クラスの誰もが首を横に振ると思う。校長はけしからんとか言いながら首横に振りすぎてカツラが吹っ飛ぶと思う。あ、小和田ティーチャーは違うか。
それにしても、文月が言っていた守護神?憑くやつ?はいったいどんな奴なんだろう。あ、使い魔って言ってたか?
“共鳴の世界”は一見、“人間の世界”がコピペされた世界のようだが、中身はまるで違う。道端の泥地にでっかい獣の足跡はついているわ、巨人もいるわ、それ以外にも狐狸やら鳥やらのちっさいあやかしみたいな謎の生物がたまに校庭来てるわで、普通の住民がその分少ない。
ということは、使い魔もそんな奴なんだろうか。
そっちも早く教えてくれ。
救いを求めるような目で文月を見てみたが、文月は何か深く考え事をしているようで、また窓の外を眺めていた。
大喜びの長月君。