激突!タマキン飛行人間・手塚くんの巻
■ チョット普通じゃない少年時代 ■
時は昭和の高度経済成長期! 日本中が「モーレツ!」と叫んで働いていたあの頃!東京タワーのふもとで、一人のトチ狂った少年が生命の神秘にドハマリしていた!
その名も、手塚高彦!
近所のガキ大将がメンコや仮面ライダースナックに夢中になる中、手塚くんの目は完全にイッていた!
「ハァハァ……ムササビちゃん、なんて素晴らしいのん!」
夜な夜な森に潜んでは、木から木へ滑空するムササビを凝視する毎日。手塚は思った!思っちゃった!
金玉を広げてムササビみたいに飛びたいと!!!
(えぇーーーー!!! )
これが全ての『おバカの始まり』だったのである!
■ 孤独のビチビチ思春期 ■
時は流れて昭和50年代!中学校の教室は、ピンク・レディーやタモリの話題で大騒ぎ!しかし、手塚くんの机の上にあるのは「タマキンの皮の伸縮性について」という謎の自作ノート!
当然、クラスメイトからは
「おい見ろよ、デカイナリ野郎だぜ!」
「近寄ると危険だっちゅーの!」
と指をさされる始末!
ガビーーーーン
トホホな中学生活!ガックシ!
そんでそんで!またまた時は流れて流れちゃって!高校生!不良どもがツッパリバイクでブンブン暴れるお年頃!だが手塚くんの野望は、さらにブッ飛んでいた!
「ケッ、文明の利器なんてケツの穴が小さいやい! ボクはマイ・いなりをビローンと伸ばして、ムササビみたいに大空を翔んでみせるジョーッ!!」
これぞ近代科学への大暴走!来る日も来る日も、自らの「お稲荷さん」をグイグイ、ビブブブーンと引っ張り続ける地獄の特訓が始まった!
初期: 打ちたてのきな粉餅
中期: ちぢれ毛の生えた象の耳
完成期: 生臭い肉のハネ(グロテスク!)
「フフフ……皮の伸び率は1200%! 期は熟したザンス!」
1983年、夏。手塚高彦、17歳の青春が爆発する!
■ 運命のテイクオフ……そしてドカーン! ■
決行の朝! ギラギラ照りつける太陽!手塚くんは近所の巨大な杉の木に登った!下で見守る(というか、面白がって見にきた)野次馬たち!
そしてジュディ・オングのように金玉を広げる手塚!
「往くぞォォォ! ジュディ・オングも真っ青の、魅せられて飛行!!」
ビロロロロロ〜ンッ!!!
自慢の肉羽(タマ皮)を左右に大きくぶち開け、勢いよく大ジャンプ!風を掴んだかと思った、その瞬間ーー!
「ウヒョーーーッ!? 重力が! 重力がすんごいのーーーッ!!オーーーー・ニューートーーーン」
揚力ゼロ! 引力マックス!
手塚くんはただの『金玉を広げた全裸の塊』となり、バキバキバキと小枝を顔面でブチ破りながら真っ逆さま!
ドッチャグシャーーーーン!!!(星がチカチカ)
見事な大惨敗! 夢は木っ端微塵に砕け散り、救急車がピーポーピーポーと鳴り響いたのであった!(ちゃんちゃん(^^♪)
■ 立ち上がれ!フライング・ゴールデン・ボールズ ■
それから数年後。バブル景気で日本中が浮かれポンチになっていた時代。社会人になった手塚くんは、ディスコでワンレン・ボディコンのお姉ちゃんをナンパ……するわけもなく、居酒屋でクダを巻いていた。
「俺のタマ皮は、まだ死んじゃいねえ……!」
あの1983年の痛恨の墜落データ(激突の角度、風速、キンタマの開き具合)を夜な夜な分析する手塚くん。その狂気に満ちた眼光に、会社のダメ同僚たちが次々と涙を流して共感し始めた!
「手塚……おめえのタマに、俺たちのタマも賭けさせてくれ!」
「何言ってんのかわかんねぇけど!わかったぜ!オイラについてこい!」
こうして結成された謎の秘密結社、その名も『フライング・ゴールデン・ボールズ』!
彼らは毎夜、銭湯のサウナで互いのタマキンの皮を引っ張り合い、凄まじい特訓を繰り返した!
■ 伝説のソラへ!シェーッ!!(感動のフィナーレ) ■
再び、あの杉の木の上に立つ手塚くん!背後には、自らの股間を犠牲にして最高のコンディションに仕上げた仲間たちが、なぜかふんどし姿でがっちりと肩を組んでいる!
「手塚! いけーっ! 男の意地を見せてみろ!」
「みんな……サンキュー、みんなの金玉、無駄にはしないザンス!」
沈みゆく真っ赤な夕日が、男たちの涙をギラギラと照らす!もう、そこに迷いはなかった!
「テイクオフ、なのだーーーッ!!」
手塚くんは、昭和の大空へ向かってダイブした!大きく広がった究極の肉羽が、バブルの怪しい熱風をガシッと、確かに捉えた!
ブワサァァァーーーッ!!
「滑空してる! 本当に、本当に翔んでるジョーッ!?」
遮る小枝はもうない!夕日に向かって、ビローンと広がったタマ皮が美しく黄金色に輝きながら、ゆっくりと空を舞う!それを見上げる仲間たちの目から、止めどなく熱い涙がチョチョ切れる!
「やった……やったぞ手塚ぁぁーッ!!」
「俺たちのタマは……間違ってなかったんだなぁぁーッ!!」
抱き合い、男泣きするフライング・ゴールデン・ボールズの面々!
空を飛んだ手塚は思った!
「ついにやった…。ついにやったんだ」
男・手塚高彦の目から、大粒の涙がドボドボと溢れ出た。
苦節十数年。クラスメイトに指をさされ、変人と呼ばれ、それでも己の信念だけを信じて「お稲荷さん」を引っ張り続けてきた地獄の日々が、いま走馬灯のように脳裏を駆け巡る。
嬉しいはずなのに、熱い涙がどうしても止まらない。嬉しいのに、なぜだか涙がボトボト流れ落ちる!
手塚の溢れる涙は、黄金色に煌めく夕日の反射で、まるで光り輝く金の玉のような金玉となって、ボトボトと落ちた。
「フフフ、ハハハハハ!」
涙を拭い、笑ったその横顔は、あの日、純粋に夢を追いかけた、少年のまま。
遠ざかる手塚くんの背中(というか、広がったお稲荷さん)に向かって、仲間たちはいつまでも、いつまでも手を振り続けた。
ありがとう、手塚高彦!行け、僕らのフライング・ゴールデン・ボールズ!
男たちの飽くなき挑戦は、新時代(平成)の空へと、どこまでも続いていくーーー。たぶんこれでいいのだ!おわり!!




