第5話 ギルド登録
ギルドへ向かう道すがら、マイは少し前を歩いていた。足取りが迷いない。この辺の地理を完全に把握しているようだった。
山を下りながら、カイはふと気になったことを聞いた。
「お前って、日本人みたいな顔だよな。祖先がそうなのか」
マイの足が一瞬止まった。
「そう」
答えながら、マイは目を閉じた。立ち止まって、何かに集中するような仕草だった。
「どうした」
「なんでもない」
目を開けた。それだけだった。
しばらく歩くと、集落が見えてきた。思ったより大きい。
木造の建物が並んでいて、人が行き交っている。
みんな髪の色が違う。青、赤、白、緑。
マイの黒髪だけが異質だった。
そして、看板が読めた。
「この文字、読めるな」
「読めるの?」マイが言った。「迷い人で読めた人、初めて」
また妙な言い方だった。でも深く考えなかった。
ギルドは集落の中心にあった。
中に入ると受付に人がいた。緑の髪の女だった。マイを見て、軽く頭を下げた。顔見知りらしい。
「登録したい」とマイが言った。「この人、迷い人だけど強い。昨日、黒猪を一人で仕留めた」
受付の女が俺を見た。値踏みするような目だった。
「名前は」
「カイだ」
「書けますか」
紙とペンを渡された。大丈夫か心配だったがそのままカタカナで書いた。
「はい、問題ありません」
問題ないらしい。
異世界補正のチートな力で言葉だけでなく、書く文字も自動で変換されてるのか。
「ランクは最初はF。実績を積めば上がります。簡単な試験があります。」
「わかった」
「マイさんも更新ですか」
「うん」
マイも登録証を出した。ランクはBだった。
——Bか。俺より全然上だ。
「それでは今すぐにFランクの試験を受けられますか?」
俺はいきなりで戸惑った、しかし
「カイなら楽勝だよ」
の声で流されるように訓練場に連れてかれるのであった。




