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八星の奥へUターン  作者: セカイエーゼロ?
第1章:かき氷にブラッドオレンジのシロップをかける
6/6

2位の目標

人物紹介

【ウオドワー・キチエエテ】(1)

多言語魔法でモンスターと話すことができるという、フレイジスの隣の席の男。

スターエイトの中では最弱であり、性格も……人として最弱レベル。

ネットとかあったら叩いたり冷笑してるタイプの陰キャ。



【フレイジス・コルエス】


「3戦目はオイシーネの勝利だ!」


3戦目のタンソフィアとオイシーネの戦いは、ほぼ互角の戦いの末、オイシーネの勝利で終わった。

だが、この戦いで気になる事があった。

タンソフィア……戦い方が姉のベリリフィアとそっくりではあるのだが……

どうも違和感を感じる。まるで似てるのではなく()()()()()()()()()……


「コルエスさーん!私、勝ちましたよ!」(ニギッ)


オイシーネはさっきまで疲れを見せていたにも関わらず、何事もなかったように近づいては、俺の手を握ってきた。


「あの俊足魔法、凄かったな。まさか自分自身だけでなく相手や無機物にもかけれるとは思わなかった。」


「ふふw 今度はコルエスさんの番ですね! 相手は……あのフエーラーですけど、勝てる見込みはありますか?」


「……皆言うだろ?”諦めたらそこで試合終了”と。倒すつもりで、全力でやるさ。」


俺は軽く屈伸をして、フエーラーと戦う位置についた。

フエーラーも俺と反対側の位置につき、戦いが始まろうとしていた。


「フレイジス君とチオニス君の戦いがいきなり見れるなんて嬉しいなぁ!1位と2位なんて最初に持ってくるもんじゃないからね!」

「俺はコルエスの試験を見てないから知らねーが、あのフエーラーの技にどう対処するんだろうな?」


スーギールとパンチズの話し声が聞こえてくる。

俺だってあの謎の技については、”切断された銅像が濡れていた”位しか情報を持っていない。

それに、あの時の威力で斬られるのはごめんだ。

……最初の一発を耐えて対処法を考え、二発目から技を見切る。そして反撃するか。


俺はフエーラーと顔を合わせる。

……!?何だ、その顔は!?


フエーラーは、まるでやる気がなく、”さっさと倒してくれ”と言わんばかりの顔をしている。


「……何だその顔は!俺じゃあ役不足とでも言いたいのか!?」


「……さぁね。」


突き飛ばすような冷たい回答に、思わず手を握り締める。

まさか……わざと負けようなんて思ってないよな……?


「では……始めろぉ!」


楽しみにしてたかのような大きな叫び声と共に、俺たちの戦いが始まった。


「はあぁ!」


まず手始めに俺は手から火炎放射を放つ。

フエーラーは……


「……っち!」


何事もないように避けてやがる!俺はつい舌打ちした。


「これはどうだ!」


俺は炎の球を連続で放つ。

そのうちの二球は大きく、全く別の場所に放った。


「……!」


フエーラーは多少身構えながらも、なるべく少ない動きで避ける。

ならば……!


「はぁ!」


俺は直線方向に速い球を放つ。

これでフエーラーは左か右のどちらかに避けるはず!


「……ふっ」(シュン!)


よし!左に躱した!

俺は先ほど別方向に放ちスタンバイさせていた球の内の一球をフエーラーめがけて放つ。

躱すために動いた先、左側から来る球だ。普通なら躱せないはずだが……


「……っ!」(シュン!)


スレスレで避けてきた。だがこれは想定内だ!


「はぁ!」

「……!?」


もう一球の球は、フエーラーの今の背中側にある!これで……


「……ふっ!」(シュン!)

「何!?」


しゃがんで躱しただと!?

くそ、こうなったら……


~15分後~


「はぁっ……はぁっ……」

「ふぅ……ふぅ……」


……何故だ!?15分も戦ってるというのに!?

何故お前は攻撃してこない!?何故避けることしかしてない!?


「お前、本気でやってないな!?」

「ふぅ、ふぅ、だって……僕のあの技を使ったら、殺してしまうかもしれないから……」

「はぁ!?ふざけてるのか!?」


フエーラー……!

優しく控えめに話してる癖に、内心では俺の事を舐め腐ってやがる!

それに……ふぅふぅとか言っておいて……!


「その演技もいい加減にしろ!お前ほとんど疲れてないだろ!」

「いや、別に……ソンナコトナイヨ(裏声)?」


裏声なんか使いやがってぇ!

それにさっきまで、いくつか攻撃は当たっていたが……わざとらしいのがムカついてくる!

その当たった攻撃も……弱くて速い攻撃ばっか狙って……!


「何故お前は躊躇ってんだ!前にこんな事言ってたな、”僕に1位を譲るくらいなら、君が1位になるべきだ”って!お前はこの戦いでわざと負けようとしてんのか!?」

「えっと……その……」

「はっきり言えよ!そうなんだろ!?”わざとらしさを見せずに俺に負ける”為に、さっきから本気出してます感を出して躱してるんだろ!?」


言いたいことを口に出すのはすっきりするが、今は違う。

怒りをぶつけてもぶつけても、もっと怒りが湧き上がってくる。

本気で疲れてる俺を舐め腐って、その上でわざと負けようとしてるんだ!


「……はっきり言い出せるように、俺からはっきり言ってやる!」

「え……?」


本気で今の俺の気持ちを伝えるため、大きく息を吸う。


「俺は!初めてお前の試験を見たときから!お前の事が大嫌いだった!俺は今まで天才と呼ばれ続けて、子供の中なら最強という絶対的な自信があった!だからこそ、お前が俺以上のパフォーマンスをして!お前が俺と比較する形で評価されるのが聞こえた時……お前を暗殺してやろうとも思った!」

「……!」


フエーラーが俺に対して、初めてハッとした表情を見せてくる。


「だがな!殺すのは、俺のプライドが許さなかった!俺は世界最強になりたいが、その方法が”己を悪の道に進める”方法や”他人を下げる”方法は絶対にしない!俺は今の俺、そして俺の掲げた目標に打ち勝って、俺の力で限界を超えてみせる!だから……本気のお前を絶対に倒してやる!今日とはいえないかもしれない……だがいつか絶対だ!何故なら……」


俺の……俺の……!

俺は強く足を前に出し、手を握り締めた。


「お前に正々堂々と勝つことが、俺の最初の目標だからだ!」

「……あっ!!」


さっきまで”負けさせてほしい”と思っていたようなフエーラーの顔が……変わった。


「……おーい!そろそろ1限目が終わる時間だぞー!そろそろ決着つけろよー!」


先生が俺たちを心配するように声をかけてくれる。

だから……


「……さぁ!お前の力を俺に見せてみろ!俺もそれに全力で応えてやる!」


ここで……本気になったフエーラーを倒す!


「……ふっ!」


フエーラーは決心したような笑顔で、初めて攻撃の構えを取った。


どうか私に……星という恵みを……

あげたくないという人はブックマークしてくれるだけでも嬉しいです。

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