模擬戦の授業
人物紹介
【ザイン・パンチズ】(1)
試験を5位で通過した男。担任のザクロとは親子関係にある。
初日で遅刻したり、ザクロの元妻の事を暴露したりと……今後が危なっかしい。
【フレイジス・コルエス】
「では初日1限目の授業を始めるぞー!最初の授業は模擬戦、担当教師は……担任の私、ザクロ・パンチズだ!」
ターンライト学園の授業に関しては予習という形で分かってはいるが……
1限目から早速模擬戦なのか……
この学園は1限から3限の授業構成で、1限ごとに90分の授業。
そして1限から2限の間で15分休憩、2限から3限の間で昼休みとなる。
他のクラスもスターエイトも、実技と座学がそれぞれ半々で行われる。
他のクラスならば、多少魔法の事や戦い方を教わってから実技の授業があるが……
「早速だが、俺が決めた1対1で戦ってほしい。銅像を攻撃するだけじゃ、実際の強さは分からないからな。」
俺たちは最初から本格的な実技の授業があるらしい。
「ではまずルールを説明するぞー!ルールは簡単。1対1で戦い、相手を気絶させるか降参させた方が勝ち。それだけだ!ただしここで殺すようなら上に報告させてもらうからなー、これは授業だぞー。」
授業外ではOKとなっているが、授業では責任は全て学園が負うこととなる。
”生徒のせいにできないから”だと噂されているが、実際は分からない。
「じゃあ1戦目!『スーギール対俺の息子ザイン』!」
「親z……先生!?」
やはり苗字が同じな息子だからか、パンチズだけ”ザイン”と呼んでいる。
……もしかしたら先生は今後、成績面でも特別扱いしてくるかもな。
「よろしくね、ザイン君!」
「……あぁ。俺は好きだぜ、最初から仲良くしようとして来る奴が!」
俺たちは少し離れた所で観戦する。
そこに……
「コルエスさん!私と当たったらよろしくお願いしますね!……あの二人の戦い、気になりますね。どちらも”魔法を使わない”のですから。」
「確かにそうだな。だが、魔法を使わずとも強い奴は、大体基礎的な身体能力に優れてるからな。」
……魔法。
この世界には、魔法は2種類存在する。
親から子に遺伝する”遺伝魔法”と、特殊な装置で習得する”習得魔法”。
俺の炎魔法は”遺伝魔法”。母から遺伝した魔法だ。
魔法を持っていない場合、両親が持っていないか……遺伝されなかったかのどちらかだ。
一般市民の俺たちは、基本的には習得魔法を覚えることができない。
だが……
「では、始めろ!」
「ふっ!」
「はぁ!」
離れた距離にいた両者が詰めていく。
速い……!やはり魔法が使えない分、運動神経を鍛えていたか!
「速さはお前の方が上か。ならパワーはどうかな!」
パンチズが構え、そして……
「はあぁ!」
「うっ!?」
あの実技試験の時に銅像を吹き飛ばす威力で殴り飛ばそうとする。
しかし……
「見切った!はぁ!」
「何!?うぐっ!?」
スーギールはギリギリで躱し、カウンターの蹴りを入れる。
「はぁっ!」
「ふっ!」
耐えきったパンチズがスーギールを殴ろうとして、スーギールはそれを躱そうとする。
しかし……
「ふふっ、はあぁ!」
「え!?うわぁ!?」
何と、パンチズがフェイントを入れたのだ。
既にフェイント攻撃を躱す体制に入っていたスーギールは、本命の攻撃を避けれず……
「うわあぁ!?」
(ドゴーン!)
吹き飛ばされ、後ろにあった壁に激突し血を吐く。その後意識を失って倒れ伏した。
「ザインの勝ちだ!さすが俺の自慢の息子ぉ!」
「親父……授業でそういう事されると恥ずかしいんだが……」
先生がパンチズの髪をくしゃくしゃに撫でる。
……親馬鹿かよ。
「じゃあ2戦目だ!『ゲソダーネ姉対キチエエテ』!」
……入学式では言ってなかったが、ゲソダーネの2人は双子の姉妹らしい。
ベリリフィアが姉、タンソフィアが妹という話を、先生達の噂から聞いた。
名前以外ほとんど同じなので、区別をつけれないという。
ただ……もしそうなら……何故実技試験の点に差がついたんだ?
「うぇ、あ、よろ、よろしく……」
キチエエテが噛み噛みで挨拶をすると、ベリリフィアは無言で頭を下げた。
「では、始めろ!」
「うりゃあー!」
キチエエテが突撃する。だが……
「……やぁ!」
半透明な白色の障壁が防御し、そしてその壁が押し出される。
キチエエテは押し返され、地面を転がった。
「凄いですね。障壁ってあんな使い方できるんですね。」
「あぁ。工夫すればああいう防御系の魔法でも攻撃できる。」
オイシーネと観戦しながら話していた。
すると……
「やあぁ!」
ベリリフィアがキチエエテの周りに、円状の障壁を囲む。
そして……
「やぁ!」
「うぐわっ!?うぎぎ……!」
障壁が圧縮され、キチエエテの体を挟むように狭まっていく。
「うぐうぅ!?こ、こさ!降参!痛い痛い痛いああぁぁ!」
「そ……そうか。2戦目はゲソダーネ姉の勝利だ!」
「はぁ、はぁ、はぁ……あぁ……」
キチエエテがその場で荒く呼吸しているが、何事もなかったようにベリリフィアは去っていった。
「それじゃあ、3戦目は……」
2戦目が終わったのも束の間、3戦目が始まろうとしていた。
この3戦目の組み合わせによって、俺の対戦相手が決まる。
オイシーネか、タンソフィアか……フエーラーか!
「3戦目!」
「『ゲソダーネ妹対オイシーネ』!」
「……っ!?」
「これで4戦目も決まるな。4戦目は……『フエーラー対コルエス』だ!」
先生がそう叫んだ途端、俺とフエーラーの目が合った。
どうか私に……星という恵みを……
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