俺の強さ
元々短編にする予定でしたが、案が沢山出てきたので連載にしました。
初日はプロローグなので3話投稿ですが、毎日1話ずつの投稿を目指したいです。ただどうしても火曜日は用事があるので、月1のどこかの週に投稿します。
【フレイジス・コルエス】
俺……フレイジス・コルエスは今、学園の実技試験の順番を待っている。
ターンライト学園。
世界に2校しかない ”強さを極める学園” の内の1校だ。
毎年約1500人が試験を受け、その内の500人だけが入学できる。
何故この学園を志望するかは人それぞれだが、俺は更なる強さを求めるためだ。
8月から始まり、14歳から15歳の子供が3年間通うことになる。
国によって違うが、この国では16歳以上が大人とされている。
大人になる直前の子供が、学園生活を送りながら大人へと成長していく場所だ。
「次、1052番。フレイジス・コルエス。」
「はい。」
この学園には、実技試験と筆記試験がある。
実技試験の内容は、世界で最も固く重いとされる銅像、”オッドアイ像”に攻撃することだ。
かつてこの国を襲撃した一族を模した像らしい。余程その一族に恨みがあるのだろう。
いよいよ俺の実技試験が始まる。
ここに来る子供は全員未熟だ。
「では、攻撃してください。」
「はああぁぁっ!」
(ボオオオォォォ!!)
……この俺、フレイジス・コルエスを除いてな!!
「す、すげぇ……あいつの炎魔法、銅像の一部分を焦がしちまったぞ……!」
「俺たちと同い年のはずなのに、どうしてあんな強く!?」
「ありゃあ……あいつは”スターエイト”入りだな。それも首席候補だ。」
「……ふっ。」
周囲の反応に、思わず笑みがこぼれる。
「こ、この年でそれほどの魔力を……? で、では下がってください。」
子供の中で一番強いのは俺だ。
俺は幼い頃から魔法を扱えるようになり、周りからは”天才”と呼ばれてきた。
近所の子供と戦い、全員殺さずに勝利した。
”強さ”こそが俺の取り柄だ。
だからこそ俺は、世界で一番強くなるためにこの学園に来た。
「なぁ、知ってるか?卒業時にスターエイトの1位だった奴は、王国からのもの凄く良い待遇を受けるんだとさ。」
「じゃあ、あいつはその第一候補か。……その待遇って具体的に言うと?」
「”生活費は全額無償”!”世界有数の五つ星シェフの料理が毎日”!更に”国の最新技術を全て使える”! こりゃあ最高だろ?ここに来る奴らのほとんどはそれ目的だぜ。」
「……なぁ、あいつを超える奴がこれから来ると思うか?」
実技試験を終えた受験者は、全員観客席に座り、後続の試験を見ることになる。
”大勢が見てる中でも自分の強さを発揮する”というのも強さの一つだ。
俺は周囲の会話に聞き耳を立てる。
俺を超える受験者……?そんな奴はいない。
もし俺より強ければ、必ずニュースになっている……田舎住みでもない限り。
幼い頃、俺もニュースに取り上げられた。
そのせいか、一部の受験者は俺の事を知っている状態だ。
そんな事を考えながら、俺は後続の試験を眺める。
「次、1059番。ザイン・パンチズ。」
「おらああぁぁ!」
(バゴォォン!)
1059番のパンチズが固い銅像を殴り飛ばす。
銅像自体には傷一つないが、その吹っ飛び具合は相当なものだった。
「あ、あいつ……あんなに重い銅像を吹き飛ばしたぞ!?」
「そ、そうだな……あいつもスターエイト入りか。さっきの……コルエスだったか?あいつとどっちが強いか?」
「コルエスに決まってんだろ。あの銅像は炎の耐性が低いとはいえ、損傷を与えたんだぞ。」
……『スターエイト』。
評価の高い上位8名が入る特別なコースだ。
この学園では全生徒に順位が付けられており、月ごとで変動が行われる。
スターエイトにいても、9位以下に落ちれば別コースとなり、8位になった生徒が新たに入る。
スターエイトに入った生徒は、質の高い授業や"上級魔法使い"との交流など、特別授業を受けられる。
「あなたが、コルエスさんですね。」
「あ、何だお前は?」
「私はパフエア・オイシーネって言います!その……隣、いいですか?」
「あ、あぁ……」
俺の元に、先ほどまで実技試験を受けていたであろう女の子がやって来た。
「私、あなたの試験の様子を見てたんですけどぉ、その……とてもお強いんですね! この後時間があったら、学園を一緒に見て回りませんか?」
(ギュッ)
「……ん!?」
こいつ、どさくさに紛れて手を握ってきたんだが!?
「……悪いが断る。俺は今日早く家に帰らないといけないからな。」
「ガクシッ! そ、そこを何とかぁ~」
(ギュッ)
断ったら更に寄って来たんだが!?
……ガクシッって何だ?
「次、1061番。」
「ほら、次始まるぞ。」
「え、あ、はい!そうですね!」
俺たちは次の受験者を見る。
「チオニス・フエーラー。」
「……はい。」
薄い水色の髪に、黒い瞳。
人は目と髪が同じ色で生まれる。
俺の髪は赤。だから目も赤色なんだが……あいつの髪と目は不一致。染めたのか?
「では、攻撃してください。」
そう言われたフエーラーは、突然目を閉じた。
何だ……?
(スパッ! ドゴオオォォン!!)
「……は?」
な……何だ?何が起こった!?
瞬きもせず、しっかり見たはずだ。
だが、何故だ!?目を閉じて開けただけなのに……!?
「あ、あぁ……」
「……何が起きたのか分かりますか?」
「い、いや……だが、あの子、オッドアイ像を……」
「せ、切断しましたね……」
「剣士の私でさえ未だ出来ていない偉業を、こんな若さで!?」
試験官さえも驚いている……俺よりもずっと大きく反応を見せている。
「さ、下がって……後で報告しないと……」
「……はい。」
あいつは何事もなかったように下がっていき、人が少ない観客席の一番端へと移った。
「な、なぁ……あいつ、何をしたんだ?見えない斬撃でも飛ばしたのか?」
「俺にも分からん。だが……あいつは実技の1位になる。あのコルエスって奴を遥かに凌駕する、ぶっちぎりのな。」
「なぁ、入学したらあいつの能力を探ってみないか?」
「お前一人でやっとけ。」
「つ、次、1062番……不在。1063番。」
「あ、あの……棄権します。1位になろうとしたのが馬鹿馬鹿しくなりました。」
周りの反応も凄まじい。
……俺よりも!俺よりもだ!
何故!?どうしてあんな奴が、あんな技を!?俺が……同い年のあいつに負けているだと?
違う!そんなはずがない!天才と呼ばれ続けてきたこの俺を!
「……コルエスさん?」
残るは筆記試験。点数次第では、順位だけなら1位になるかもしれない。
だが、強さを追い求める俺にとって、実技も1位でないと気が済まない。
悔しいが、”今は”俺の方が弱い。
……決めた。
俺はこの学園生活の中で、必ずお前を超え、世界最強になってやる!
”チオニス・フエーラー”。覚えたぞ。
どうか私に……星という恵みを……
あげたくないという人はブックマークしてくれるだけでも嬉しいです。
基本甘い評価なAIにさえ「文章が下手」と言われた私ですが、頑張って良い作品にしてみせます。




