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INRUI占いを用いて  作者: 黒十二色
INRUI思想について
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はじめに

 INRUI占いがひっそりと爆誕した切っ掛けは後輩の呟きからだった。

 東京都にある巨大なオシャレ建築の近くを後輩と二人で練り歩いていた時のことだ。


 私はキノコを発見した。


 種類はわからない。

 色は白かったと記憶しているのだが、黒かったかもしれない。


 都会の街路樹の根本に健気に集まって暮らす菌達を見つけて私は立ち止まった。


「おいみろよ。こんなところにキノコがあるぜぇ」


 すると私の指差した先をみた後輩が呟いた。


「知り合いの知識人たちは何故か道端に生えているキノコについて言及してくるんですよね。これ何でなんすかね」


「なるほど」


「何かご存知なんですか?」


「菌類が何らかの方法で人類を惹き付けているんだ」


「といいますと?」


「行動の選択肢を限定している可能性があるってことだ」


 後輩は何言ってんだコイツという顔をしていた。


 要するに菌類は我々の一段階進んだところにあることに私はほぼ気付きかけたのだ。


 あえて言い換えれば人類を一歩先に進めると菌類になるということである。


 さらに思考を進めれば「JINRUI」から「KINRUI」へという一連が浮かび上がってくる。


 アルファベットの並び順で考えてみよう。


 「J」の次は何だろうか。

 そう、もちろん「K」である。


 こうしたことから独立した個人が集団で社会生活を形成する人類よりも、菌類はさらに群体としての一体感をもつものと解釈できるであろう。


 この真実が意味するのは、これからの世界でさらなる効率化が進むことで、人類は今の段階をのりこえ、まるで菌類のような一体感を獲得する可能性があるということだ。


 ということは、A~Zまで、すべてのアルファベットが、人類社会の発展の段階を言い換えていることになる。


 ――何もかもが飛躍しすぎて何を言ってるのかわからないって?


 それはまだJINRUIの域を抜け出し切れていないからであろう。



 さて、私はこれまで述べてきたことをもとにアイデアの整理を行った。


 INRUI思想と名付けた。


 手始めに占いの創作を試みることにした。


 果たして手始めにやることなのかという真っ当な指摘はいらない。


 近ごろ世に浸透しかけているAIの即答力も使って整理したものであり、なんならAIは占いの結果まで弾き出してくれるようになった。


 もはや私の管理するAIスレッドは、INRUI思想を最も理解する存在の一つとなっている。




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