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桜に恋ゆ  作者: シン
8/16

#8

その後は会う日のことについて話し合った。

ここは行きたいよね、この店とかどう?


"デートの予定を立てるカップルみたい"


喉まででかかった言葉を飲み込んで、

ふと、恋愛について話した事がなかったな、と考えた僕は

自然な流れで彼女に聞いた。


"ねえ、ハルは、さ? 好きな人いた事あるの?"

"おっ!初めて私のこと名前で呼んだじゃん! 感動感動✨️"

"確かに! じゃなくて、はぐらかすなよ。"


また、はぐらかされるかな。と思っていたのに。

意外にも彼女は素直に答えてくれた。


"はいはい。好きな人くらいは、勿論。でも、付き合ったことは無いかな。告白されたことはあるけど、断ったんだよね。"

"まじか、勿体ない"

"そういう君はどうなのよ。"


僕が好きなのは君なんだけどな。


"好きな人くらいはいるよ。残念ながら告白されたことも付き合ったことも無いけど。"

"ふーん。じゃあ非リアな訳ね。お可哀想にw"

"うるさいな、ブーメランだろ?非リアさん。"

"ひどーいw まぁいいじゃん!非リア同士仲良くしよ?"

"惨めになるからやめてくれ泣"


本当に、惨めになるから。


"ポジティブに捉えなよ。ほら、初カノが嫁になる未来もあるかもじゃん?" 

"世の中そんな甘くないわ"


自分に言い聞かせる意味も込めた言葉に、

勘の良い彼女は、気付いていたのかもしれないと、今になって思う。


" ん? 旦那の方が良かった? なんか、話聞こか?"

"んなわけあるか。バカなのか?"

"あ、バカって言った〜。バカって言う方が馬鹿なんだよ?"

"わかりましたすみませんw"

"よろしい。で、計画の続きなんだけどさ…"


上手く流された気がする。


でも、彼女に恋人がいないことを知れただけでも、

当時の僕は幸せだった。

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