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#13
あの日から僕は、心の穴を埋めるかのように勉強に打ち込んだ。
受験が終わり、大学に入り、新しい友達が出来て。
徐々に彼女の存在は綺麗な記憶の欠片に変わっていく。
ただ、唯一変わったことは、
僕は桜を直視出来なくなった。
風に散る桜を見る度に、彼女を思い出しては、彼女を1秒でも忘れた自分を責める。
唯一時の止まったように部屋に飾られたクマのぬいぐるみと、その傍らに置かれた彼女の携帯電話と手紙だけが、僕の中の彼女を保ち続けてくれた。
彼女が去って3回目の桜が咲いて、散っていく。




