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機体解説3 ジョン・ファットマン

・型式番号 Bertrand-HR-A-16

・機体名 John FatMan

・世代 第4世代

・戦術レベル C


・全高 15.5m

・本体重量 89970

・分類 弩級二脚ホバー型アセラント

・外見の特徴 ずんぐりした体型で、特に脚が太く膨らんでいる。丸みを帯びた装甲はごく厚い。頭部にはカメラやアンテナが多数あり、歪な形をしている。色はダークグリーンとグレー。センサー類は赤く発光。


・武装

デフォルト:内蔵式シールドユニット

専用セミオートショットガン

肩部マイクロミサイルランチャー×2

背部特大グレード砲 ×2


・概要

 テレストリスの国内企業【バートランド・エレクトロニクス】が開発した試作アセラント。劇中において比較的新型……言わば新参者。

アセラントの本来のコンセプトは「強襲特化兵器としての高機動・高火力」なので、身軽に越した事はない。

しかし、本機はその常識に敢えて逆行する試みにより生まれたもので、徹底的な重装甲化が図られている。

その程度というのも甚だく、過ぎた自重のために歩行すら儘ならない。通常移動はホバーとなっている。弩級という分類上の枠も、このジョン・ファットマンの為に新設された。


・解説

 本機のコンセプトは「強行突破」の一言に尽きる。

このプロジェクトは、テレストリスの国内企業【ジェット・ブライアンズ】がとあるジェットエンジン及びブースターを新たに開発した事から始まった。

 アセラントのブースターには主に「通常移動時推力」、「上昇推力」、「限界出力」、「瞬発推力」、「燃費」といったスペックがあり、製品によって得意分野が異なる。各機体は運用上の相性が良いものを選んで採用するのだ。

また、それぞれの製品は苦手分野もはっきりしているのかというと、実はそうでもなく、どのブースターもある程度の水準が保証されている。

ただし、近年例外が生まれた。【Dragonfly】というブースターは、あらゆるスペックが底辺だが、限界出力のみ過剰とも言える出来を誇る。

確かに目を見張る長所を持つが、あまりにも極端なこの製品を誰もが見限る中、バートランド・エレクトロニクスだけはどうにか活かせないものかと模索を始めた。


 軽量な機体であれば、より万能で小回りの利くブースターを採用する方が良い。

直進しか取り柄の無い――直進だけが最強のブースターを活かすには、その突撃を何人にも止められぬよう、むしろ重装甲化が有効だと結論付けられたのだ。

バートランド・エレクトロニクス系列の企業が作る装甲は元々レーザー防御力に優れており、これを多層構造で装着した結果、実弾・レーザー共に最高峰の防御力を獲得。

更に、シールドユニットまで搭載し、もう一段階強化した。


(ただし、テレストリスのシールドユニットに関する技術は未発達であり、プラズマフィールドが展開されるのは前方のみ。オーバーヒートも速く、エネルギー消費は言うまでもない。

【サンセット・スワン】に搭載されたCTMB製のものは、プラズマフィールド全方位展開を長時間維持でき、エネルギーはエンシスジェネレーターで容易に賄う事ができる。)


 ただし、シールドユニットの影響でこれ以上のエネルギー消費の激しい武装は採用できなくなり、ショットガンやミサイル、グレネード砲といったレーザーを使用しないシンプルな武装構成になった。

 小回りがまる利かないジョン・ファットマンにとって、面状の攻撃範囲を持つショットガンはまさに救世主。武器種からして突撃戦法との相性が良く、一丁でも十分メインウェポンとして機能する。

また、本機の専用ショットガンは散弾率が抑えられているので、少しでも命中率を上げるというよりも、狙った範囲を確実に粉砕するという使い方になる。ショットガンの弱点である射程も改善された逸品。

なお、自機の弾丸がプラズマフィールドで消失する事が無いよう、サンセット・スワンのライフル同様に特殊なコーティングがされてある。(これが高く付くんだわ……)

 ショットガンが優秀とは言え、決め手は必要。そこで活躍するのが背負った2門のグレネード砲だ。

これは頭の悪いくらい巨大な武装であり、2本合わせた重量は本体の25%に匹敵する。その分、威力と範囲は折り紙付きであり、要塞の壁を吹き飛ばした事例すらある。

これを撃つ際は、自動でプラズマフィールドが一時停止する。


 記述する場所に困り、最後になってしまったが、

本機の特筆すべき点としてもう一つ、優れたセンサーやレーダーがある。何度も言うように本機は小回りが利かないので、素早い敵を相手取る事や地形を利用した戦いが大の苦手である。

その弱点を補うべく、逸早い詳細な戦況の把握を求められ、テスト運用を経て実装された。建物を挟んで反対側に居る敵機のシルエットを透視したりする事が可能で、前述した特大グレネード砲で奇襲を仕掛ける。


・まとめ

 非常にピーキーな性能をしているせいで、新世代型にも拘わらず戦術レベルもただのCと、総合的な評価は今一つだが、「強行突破」というコンセプトに恥じない機体である。

 地下施設や坑道と言った一方通行の狭い場所では、回避の自由が封じられて集中砲火を浴びてしまうため、一般的なアセラントでは近寄り難い。

そんな状況を、本機は一切怯まぬ突撃で攻略し、一定の戦果を挙げている。



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