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機体解説2 ヴィルヘルム・カッセル

・型式番号 Frobel-HR-A-5re

・機体名  Wilhelm Cassel

・世代 第1世代

・戦術レベル C


・全高 14.0m

・本体重量 56360

・分類 中量級二脚型アセラント

・外見の特徴 細過ぎず太過ぎず、手堅く纒まった体型で、全体的に角ばったデザイン。装甲色はチョコレート色をベースに、所々赤や金。センサー類はオレンジに発光。


・武装

デフォルト:レーザーブレード 兼 レーザーバックラー

大口径レーザーライフル

肩部マイクロミサイルランチャー ×2

背部大型ロケットランチャー (劇中では「バズーカらしきもの」として紹介)


・概要

 テレストリスの国内企業・フレーベル社が開発したアセラント。テレストリスが統一連合政府への独立を宣言し、開戦した当時から存在する古参機。

他の第1世代機たちは損傷・老朽化のために解体処分されたり、次世代機の登場に伴い訓練機に降格されたりしており、本機が実質最後の第1世代機である。

ただし、ある作戦で中破したことをきっかけに最前線を引退し、修復・改良を経て本土の防衛に就いていた。


・解説

 第1世代という通り本機は旧型で、しかもアセラントというよりも超高級ワーカーに近い。しかしながら、当時はそれこそが長所とされた。

 アセラントの黎明期では、神経操縦システムの実用化が難航していた。当時はまだ開発者側のノウハウも、パイロット側の熟練度も十分でなく、いくら便利でも信頼性が低かったのだ。

アセラントのパイロット候補者自体貴重だったのに、こういった心配が更に人を選んでしまう……それは本末転倒だと考えたフレーベル社は、「一機のワーカーを極限まで強化する」というコンセプトで本機を開発。発展途上の神経操縦システムはあくまでも補助とした事で使用感は従来兵器に近づき、多くのパイロット候補から歓迎された。

また、同様の理由で整備性も高い。


 テレストリスは統一連合との圧倒的国力差を覆す為、重要拠点を中心に一点突破の急襲作戦を仕掛け来た。その多くを成功に導いた立役者こそがアセラントである。

アセラントの役割は、味方が敵を足止めしている隙に高機動・高火力で敵防衛線に穴を空ける事。

ヴィルヘルム・カッセルはこの軍事ドクトリンに忠実な設計をしている。

 敵陣に突撃する際は大量の弾丸を浴びる事が予想されるため、余計な機能は削ぎ落して軽量化し、その分正面装甲を強化。中量機体としては目を見張る実弾防御力を獲得した。

 武装構成も近距離での一対多に特化しており、レーザーブレードによる格闘を最大の強みとする。実際、アセラントの持ち味を生かすという意味では、格闘武器は最も理に適っている。

本機は射撃性能を犠牲にし、「威力最大化」「取り回し向上」「姿勢制御機能の充実」といったアプローチでブレードとの相性を極めた。その過程で、生物的な関節や内部フレームを上手く取り入れる事にも成功し、第一世代とは思えない傑作と称されている。


 ブレードは使用時のみ刃を出力する分、一瞬の出力は極めて高い。しかも殆どの兵器はレーザーに弱いので、まとめて薙ぎ払うなど造作も無い。

また、レーザーブレードの副機能としてバックラーがある。ほんの数秒という条件付きで面状レーザーを展開し、盾とする。この防御力はサンセット・スワンの纏うプラズマフィールドにも匹敵するが、展開可能時間・防弾面積の都合上、あくまでも緊急用。

 その他の武装は射撃性能の低さが露呈しないように選ばれている。

大口径故に当て易いレーザーライフルは、実弾銃と異なり反動が小さく、弾倉交換も不要なので格闘の補助に優秀。

マイクロミサイルは当然自動で追尾するので、照準を気にせず撃てる。

また、背のロケットランチャーもある程度の爆発範囲があり、狙いが完璧でなくとも敵を巻き込める。

……といった具合だ。


・弱点

従来兵器に準えて操縦難易度を軽減した分、アセラントとしてはレスポンスが低い(=若干動きが鈍い)。

武装構成を工夫して克服できているが、やはり射撃性能の方は劣悪。

また、防御力が高いと言ってもレーザーやプラズマには特段耐性があるわけではない。


・まとめ

全体的に現行世代機には一歩劣るものの、弱点は上手く隠し、優れた防御力と格闘攻撃を存分に発揮して敵陣を切り崩す。この運用法はテレストリス軍の戦略に上手く合致し、アセラントの黎明期を支えた。

ヴィルヘルム・カッセルは第一世代の傑作であり、当時のテレストリス軍の英雄でもあったのだ。



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