その3 キャラクター作り①
世界観や設定は変わっても、シナリオはほぼそのまま使いました。そのため、登場するキャラクターも暫定段階と大差無し。
まず、イレヴン。謎の研究施設で作られた究極ロボット兵器のパイロットという立ち位置は全く変わっていません。
代わりに、ビジュアル方面から話が進みました。
「改めて、イレブンってどんな見た目なんですか?」
今回はメールで会議をしていたから、私はカステラ君のミスに気が付いた。
「その前に言っておこう。イレブンではない、イレヴンであると!」
「Oh,No!」
それはさておき、私もイレヴンの説明には大分手こずりました。
「通称『逆関節』っていうものなんだけど、実は逆じゃなくて、二重膝と言うべきか……」
「あぁ、今Googleで調べて何となく分かりました」
「獣とか鳥の骨格なんだよね」
「へぇ、そういうのを『趾行』って言うみたいです」
「打っても変換に全然出て来ないや」
「それだけ特殊な用語なんですね~」
「ともかく、性別不詳・片目隠し・趾行・幼い・カタコト、だけど戦闘時はキリッとしてカッコイイ。そういうキャラにしたいの!」
「wwwwwwwww 属性てんこ盛りですね」
「間違ってもこれが性的趣好じゃないから。だけど、今後共有するであろう設定画とかを家族に見られたら、全力で私のせいにしなさi――」
「そのつもりです」
「食い気味に言うな、コラ」
「次はアンリですかね」
「そうね。でもさ、彼女は明朗で、善くも悪くも裏表とか、悲惨な過去とか無さそうだから掘り下げ難い」
「『明朗』……これ以上無いくらい適格な表現だわ。あれは単純に良い子ですからね~」
「うん、じゃあ見た目はこんなのでいい?」
予めAIで生成しておいたアンリのイラストを添付すると、カステラ君は
「あ~、解釈一致!」
と言ってました。
黒髪ポニテ・紫目・パカー的な作業着。OK!
お次はシャルロッテ。
「タバコ吸うのは最初に決めてて、チョコくれるっていう特徴も書きながら追加したんだけどさぁ。姉御肌のキャラは『散り際の月光』で作っちゃってるからどうしてもそっちに引っ張られる……」
「ならシャルロッテは私が担当していいですか?」
「おねがいしやす」
という感じで、カステラ君が口調を確定させ、今の甘党スモーカーネキが誕生したのです。
今度はニコル。
「機械フェチの女子が欲しい」
「何言ってんすか? 先輩」
「居たら絶対面白いからまぁ見ててよ?」
このまま私が3話中編のシーンを書き上げたのです。
「私も今勢いで書いてるんだけどさ、『豊満なバックパック』って表現、初めて聞いた」
「私もですよwwwwww」
あとのキャラは大体フィーリングなのですが、1人例外が居ます。
「何でプロローグの語り手でしかない筈のボロフスキーが、こんなに味濃いんだろう?」
「私なんかやっちゃいましたね」
「これはカステラ君の中にあるマッドサイエンティストの素質なのかもしれない」
「私の中にボロフスキー居るwww」
この「制作裏 その3」を編集している際、同時並行でボロフスキーの目線での6話を作っていたのですが、私では全然ボロフスキーの香りがしないのにカステラ君に託した途端臭くて敵わないんですよ(笑)
こんな感じで、キャラクター作りは笑いの連続です。