一人称
あらすじにも書きましたが、二次創作が嫌いな方はご遠慮下さい。こんなでも一応、二次創作です。
後、この小説は完全に読者様に依存する形になります。つまり、読者様が次の話の内容を決めて下さらない限り、永遠に更新はされません。それを了承した上で、お読み下さい。皆様のご協力を、よろしくお願いいたします。
それと、この作品は次話の内容か決定しても、なかなか執筆の時間が割けません。遅くても、文句は言わないで下さいね。
記念すべきだい一話は、一人称について書いていきたいと思います。そんなテーマですから、一般読者向けと言うよりは作者向けだと思われます。
駄作ですが、よろしくお願いします。
「魔理沙、やけに楽しそうだけどどうしたの?」
「聞いてくれよ霊夢!
作者から色々と頼まれたから、キノコと引き替えに了承したら、あ〜んなキノコやこ〜んなキノコが山盛りだぜ!」
「…あんた、キノコごときで働かされているの?」
「幻想郷じゃ手に入らない、希少なキノコなんだぜ? これがあれば、あれもこれもやりたい放題だー!」
「…腐っても、キノコはキノコよ」
「…逐一、釘を刺してくるな。
そういう霊夢も何かもらってたみたいだけど、何に釣られて働かされているんだ?」
「お賽…。……。大切なものよ」
「…十貫くらいか?」
「…うるさい!」
「と、いう前置きもも終わったところで、簡単な設定を伝えるぜ」
「博麗神社の私の部屋にお饅頭があって、魔理沙はそれを食べたいと思っている」
「ちょ、おま、それ私の台詞!」
「良いじゃない。減るもんじゃないし」
「いや! 現に私分の文字数が減ってるってーの!」
(例文)
いつもと変わらない博麗神社。そのいつもの道をいつもより静かに私は歩いている。扉も音を立てないように開き、廊下も慎重に進む。
廊下を進んだ所にある、いつも霊夢がいる部屋の襖を少しだけ、開ける。その隙間からのぞき込むに、中には誰もいない。そして部屋の真ん中にある机には、皿に盛られた饅頭が三個ほど置いてあった。
「さて、例文が上がった訳だが」
「そうね。例の如く、魔理沙は手癖が悪いわね」
「突っ込む所はそこなのか?」「いえ、勿論例文にも突っ込むわよ。
まず考えなければならないのは、この例文には五感以外の情報が一切書かれていないということ」
「一人称でよく見る、行動を示す文の集合体だな」
「これだけを見る限りなら、魔理沙がどんな風に動いて私の大切なお饅頭までたどり着いたのか、わかるわね」
「でもわからないことも沢山あるぜ?そもそもなんで私が博霊神社に忍び込んだのか、理由も何もわからないし、私が饅頭をどうしたいのかすらわからないぜ」
「そうね。例文が簡素なだけに、前置きの説明が無いと何が何やらさっぱりの文章になるわね」
「そこで登場するのが、色々な描写って訳だな」
いつもと何ら変わりない、相も変わらず古びた博麗神社。そのいつもの苔蒸した道を、いつもより静かに私は歩いている。明らかに蝶番が壊れかけている扉も極力音を立てないように開き、そこから続く廊下も抜き足差し足で慎重に進む。
いつも霊夢がいる部屋の襖には所々穴が開いているが、その穴からでは中の様子は完全にはわからない。襖を少し開けてその隙間からのぞき込むに、中には誰もいない。そして、小綺麗に整理された部屋の真ん中にある、背の低い木造の机の上には、良い感じに焼き色のついた饅頭が三個ほど、素焼きの皿の上に並べて置いてあった。
「描写は描写でも、これは風景描写ね」
「そうだな。私が見たそのままだった例文に、それぞれの私の印象を加えたものだな」
「確かに風景描写のお陰で想像しやすくなったけど、なんだか少し面倒臭くなったわね」
「あぁ。風景描写は使う量を間違えると文が長く、重くなるんだ」
「使い所が難しいわね。その辺りはどうなの、魔理沙?」
「その辺りはまた後で触れることにして、次の描写に行くぜ」
いつも通りに古くて、今にも壊れるんじゃないかと思わせる博麗神社。目を瞑っても歩けるのではないかと思わせる程見慣れたその道を、絶対に音を立てないように細心の注意を払いながら、私は歩いている。蹴破りたくなるような壊れかけた扉も丁寧に極力音を立てないように開き、いつもは軋む音がうるさい廊下も、抜き足差し足で慎重に進む。
この部屋にいつも霊夢がいるのだが、その部屋の襖は穴だらけで、あまりにぼろぼろである。早く張り直せば良いのにと思いながらも、部屋の襖を少しだけ、開ける。その隙間からのぞき込むに、中には誰もいない。そのことに内心で一安心しながら部屋を眺めるに、質素な部屋の真ん中にある机には、皿に盛られた美味そうな饅頭が三個も置いてあった。
「よっぽど私に見つかりたくないのね」
「そういうのを描くのが心理描写だからな」
「最後の方にさり気なく、饅頭が美味そうって書いてあるのが、とっても魔理沙らしいわ」
「まぁ、複雑な気分だがそういうことだな。見た、聞いただけではわからない、そのことに対する、もしくはそれに関連する思想だからな。私らしくて当然なんだよ。むしろそれが私らしくないと、物語として成立しないだろ?」
「まぁそうなんだけど…。やっぱり、面倒臭いわね」
「心理描写も度が過ぎればただ重たくなるだけだからな。最もこれは、そのシーンの重さに比例するとも言えるが」
「やっぱり、使い所が難しいのね」
「なら、次は五感の情報と風景、心理の描写を織り交ぜるぜ」
いつも通りに古くて、今にも壊れるんじゃないかと思わせる博麗神社。だがここに住む霊夢はそんなことは気にならないらしく、屋根瓦や石段にむす苔ですら、長く放置されたままだ。その他にも様々の要因があるが、ひとまず博麗神社はとても古めかしい。そんな場所でも、毎日のように通う内に目を瞑ってでも歩けるのでは、と思える程見慣れてしまったその道を、絶対に音を立てないように細心の注意を払いながら私は歩いている。音を立てて霊夢に見つかりでもしたら、元も子もないからだ。部屋に入るための蝶番が壊れかけた扉も、ぎゅっと蹴破りたくなるような衝動をなんとか抑え、丁寧に極力音を立てないように開いた。いつもは歩く度に軋む音がうるさい廊下も、抜き足差し足で慎重に進む。なるべく新しそうな板を選び、転びそうになるのを必死に堪えながら前へと進む。
博麗神社の中でも特に古びたこの部屋で、飽きることもなくいつも霊夢はお茶をすすっている。その部屋の襖は穴だらけであり、見るも無惨なまでにぼろぼろである。早く張り直せば良いのにと思いながらも、部屋の襖をほんの少しだけ、開ける。指二本入るくらいのその隙間からのぞき込むに、灯りもついておらず薄暗い部屋の中には誰もいない。ここは霊夢の居住空間であり、家具や物の整頓はきちんとされている。もしかしたら気侭な霊夢が唯一きちんとしていることはこれだけなのかもしれない。そんなことを考えながら、私は霊夢がいないことに胸をなで下ろす。一息つきながら部屋を眺めると、質素な部屋の真ん中にある使い込まれた木造の机には、皿に盛られた美味そうな焼き色がついた饅頭が三個も置いてあった。
「……めんどくさっ!!」
「しょうがないだろ? 例文の中に詰め込むとこうなっちゃうんだから」
「それにしてもよ。もっとすっきりした書き方は出来ないの?」
「おう。次ではそのことについて触れていくんだぜ」
(1)
いつも通りに古くて、今にも壊れるんじゃないかと思わせる博麗神社。屋根瓦や石段にむす苔がまた、古さを強調しているかのようだ。その他にも様々の要因があるが、ひとまず博麗神社はとても古めかしい。
そんな古くさい場所でも、毎日のように通う内に、すっかり見慣れてしまったものだ。目を瞑っても、脳裏には景色が浮かぶ。そんな道を、絶対に音を立てないように細心の注意を払いながら私は歩いている。
勝手口のような、外と廊下を繋ぐ扉は蝶番が壊れかけており、思わず蹴破りたくなるような衝動に駆られる。それを理性でなんとか抑え、丁寧に、そして極力音を立てないように開いた。
いつもは歩く度に軋む音がうるさい廊下も、抜き足差し足で慎重に進む。なるべく新しそうな板を選び、転びそうになるのを必死に堪えながら前へと進んだ。
博麗神社の中でも特に古びたこの部屋を、霊夢は自分の部屋として使っている。そんな、所々穴の開いた生活臭漂う襖をほんの少しだけ、開く。
指二本入るくらいのその隙間からのぞき込むに、灯りすらもついておらず薄暗い部屋の中には誰もいない。
霊夢の居住空間だけあって、この部屋の家具や物の整頓はきちんとされている。他の部屋と比べれば、その綺麗さがわかることだろう。まず、箪笥の上に埃が溜まってない部屋なんて、ここしかないのだから。
そんなことを考えながら、私は霊夢がいないことに胸をなで下ろす。一息つきながら部屋を眺めると、質素な部屋の真ん中にある使い込まれた木造の机には、皿に盛られた美味そうな焼き色がついた饅頭が三個も置いてあった。
(2)
いつも通りの博麗神社だが、霊夢の姿はどこにもない。いつもならやるせなく落ち葉集めでもしているのだが。そのくせ屋根瓦や石段にむしている苔とかは取らないくせに。なんで落ち葉集めだけは馬鹿丁寧にやるのだろうか。
だが、今日ばかりは馬鹿丁寧にやってもらっていては困るのだ。紫から霊夢に届けられたらしい、外の世界のお饅頭。私の狙いはそれしかない。そもそも霊夢だけそんな待遇だなんて、不平等にも程がある。私にだって、食べる権利があるはずだ。こんなこともあろうかと、方々にアンテナを立てといて、正解だった。
しかし、確実に饅頭を食べる為には、私の存在が霊夢に知られるのは芳しくない。私がいることを霊夢が知ったら、軽く蹴散らされることだろう。あいつ、食べ物への執着は凄まじいからな。
そんな余分なことを頭の片隅で考えながら、私は絶対に音を立てないように細心の注意を払いつつ、神社へと続く石畳の道を歩く。
饅頭の為を思えば、音もなく博麗神社に忍び込むことなんて容易いことだ。罠のように設置された蝶番の壊れた扉も、少し持ち上げながら開けば音は立たない。閉めるときも、音が立たないようにゆっくりと、両手を添えて閉める。
この廊下も普通に歩けば軋む音が響くのだが、抜き足差し足ならばさほどではなくなる。踏む場所を選べば尚更音は立たない。…饅頭があると思われる部屋まで、あと少し。
この襖が仕切る先の部屋に、饅頭は置いてあるはずだ。この部屋は霊夢が普段から使っている部屋である。饅頭もこの部屋に保管してあるに違いない。台所も怪しいが、まずはこちらからだ。
部屋の襖をほんの少しだけ、開ける。指二本入るくらいのその隙間からのぞき込むに、灯りもついておらず薄暗い部屋の中には誰もいない。ここまで来ても霊夢がいないことを考えると、霊夢は外出しているのだろうか。
霊夢がいないとわかった今、何も躊躇する必要は無い。私は一息つきながら襖を完全に開けると、あまりに質素な部屋を眺める。そんな部屋の真ん中にある机の上には、皿に盛られた美味そうな焼き色がついた饅頭が三個も置いてあった。
…やっと、やっと見つけた! これが紫が持ってきた外の世界の饅頭に違いない!!
「例文はもう、姿形すら残ってないわね」
「例文なんかに捕らわれてると、表現が限られるからな」
「そうねぇ…。それと、改行とか憶測の文まで使い出して、チュートリアルもへったくれもないわ」
「いや、今回はこれでいいんだ。二つほど文章があった訳だが、1と2で、どんな違いがあった?」
「うんと…。1は、博麗神社のことがよくわかったかしら。私の性格とか、神社の姿とか」
「なるほど。なら、2は?」
「2は、魔理沙がお饅頭に執着している感じだったわね。一に饅頭二に饅頭。みたいな」
「そうだな。確かにそう読みとれる」
「で、結局何がいいたいの?」
「これは、作者のいう、三人称型一人称と、心情型一人称の例なんだ」
「…何それ」
「つまりだな、
・主人公の目線であり、思想を軸にしながらも五感を説明する文章(三人称型一人称)と、
・主人公の目線もさながらに、主人公の思想からでてくる意見や疑問、感情を地の文とする文章(心情型一人称)
ってことだな」
「ふぅん。確かに1と2じゃ雰囲気があからさまに違うしね。でも、どちらも自然に読めるわよ?」
「問題はそこなんだ。どちらを使ってもおかしくはないし、間違いでもない。でも霊夢、今回の場合に限っては、2の方が自然に読めたと思わないか?」
「そうね。2は魔理沙の考えていることがよくわかったわ。基礎設定が予めわかっていたからって理由が大きいんでしょうけど。
それに対して1は、基礎設定がなくても読める感じがするわね。何だか、説明文みたい」
「正解。まさしくその通りだぜ。1の文は、その物への説明を、2の文は、その物への思想を表しているんだぜ。
つまり、世界観の説明が必要な前半部や転換の時には1の文を多用し、物語の山場や話を曖昧にしたい時には2の文を多様する。そうすると無駄な会話や地の文が削れるし、自然な流れで基礎設定を知ることが出来る。後はその二つの割合次第で、物語は如何様にも変わるんだぜ」
「その他にも
・ミスリード型一人称
・感情爆発型一人称
・思考思案型一人称
とか色々あるけど、物語の展開によりけりね」
「おまっ! だから私の台詞を取るなっての」
「もうとぼける必要もないかなって思って。それよりも魔理沙、一緒にお饅頭食べましょうよ」
「おっ、そうくると思って、新茶をくすね…。用意して来たんだぜ」
「流石魔理沙。“そういう”ところだけは鋭いわね」
「そういうところだけって、おいおい……」




