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JSとJKとOLが異世界で…  作者: ・・・・
1章 異世界へ強制的に招待される
3/16

交換と供物と恩恵と



「我々は最大の危機に直面している。今更、皆まで語る事はしない!ただ心して欲しい今夜の儀式が失敗すれば我々に未来はない!しかし、今まで多大な犠牲を払いながらも入念に準備をして来た我々に失敗はない」


「「おぉー」」


「供物の準備は出来ているな?」


「はい!」


 異世界交換の基本は等価交換だ、今回の為に最高の供物を用意した失敗などあり得ない。


 必ず三英雄様を引き当てて見せる!!


「では皆配置につけ」


「「はっ」」


 男達が配置についた事を確認して、儀式の開始を告げる。


「詠唱を開始せよ」


「「オヤビンカビンハゲチャビンッオクサンイサンイチモクサンッニッチモサッチモドッチモコッチモッコソットコシャットミンナニナイショデ…」」


 何世代にも渡り2000年間毎年行われて来た、異世界交換。


 今まで様々なモノを交換して来た。


 丸い石の玉が岩の様な塩に。


 水晶のスケルトンが黄金に。


 魔鉄の柱が魔族になった事もあった。


 大量発生した黒死ネズミや飛虫皇(イナゴ)、疫病コウモリを送った事もあった。


 過去最も賞賛された交換は三英雄様だろう。


 この世界に様々な文化や技術を齎らした、知恵の英雄様。


 全ての害となるモノから人々を守った、武の英雄様。


 女を弄ぶ楽しさを教えてくれた、愛の英雄様。


 あぁ早く実物にお会いしたいものだ。


 2時間にも及ぶ詠唱を終え、いよいよこの儀式最後にして最重要手順の供物を捧げ最後のキーワードを唱える。


「「ブツブツコウカン!!!」」


 眩ゆい光の中に三人の人影が現れた時、我々は成功を確信し歓喜した。




 興奮は未だ冷めないが、召喚に応じて頂いた三英雄様に失礼があってはいけない。


 ご尊顔を拝する栄誉を賜わる前に、跪き首を垂れる。


「三英者様ようこそ御出で下さいました」


 っとお出迎えのご挨拶する。



 予定だった…



 

 が交換で現れたのは女、三英雄様と同じく同族で有るならまだしも魔族だった。


 過去にも魔族が現れた事が有ったあの時は確か…


「女?しかも魔族だと!?」


「集合!」


「女ってどー言う事だよ!三英雄様じゃないのか?」


「しかも魔族だと!」


「いやいや魔族だと決め付けるのはまだ早い、ほらあの小柄なのはゴブリンにも見えなくは無い様な気がする…それに、他のだって獣魔族や鱗族って可能性がある」


「例え、魔族じゃないとしても女だぞ!」


「現実から目を背けるなよ!どー見ても魔族の女だろ!大失敗じゃねーか!誰だよ成功率100%だっつたのはよー」


「オマエ詠唱間違えただろ」


「オレが間違えるわけねーだろ!」


「イヤ、俺は聞いたぞオマエが“オレヲニャメンニャヨ”言ったのを」


「俺も聞いた」


「ナニ言ってやがる!音程外しまくりのてめーらの耳が当てになるもんかよ!」


「「確かにアレは酷かった」」


「おまえも息継ぎのタイミングズレてたよな」


「そんな些細な事より、もっと根本的な間違いが有っただろ…」


「根本的な間違いだと!?」


「見たんだよ、供物が光に包まれて消える瞬間を!」


「なに!!首を垂れ目を瞑り祈りをしゃしゃげるべき時になんて事を!」


「フッ、そんなに動揺するなよ。確かに俺は見ていた!ソレが失敗の原因なら責任は取る、だがその前に聞いて欲しい」


「言えよ!聞いてやる」


「異世界交換は等価交換が原則なのは知ってるだろ供物の価値は恩恵の価値だ。なら今回準備した供物はなんだ?」


「「……」」


「虹色大アゲハの幼虫と双子の妖精…」


「だよなぁ!っで妖精は歌ったり踊ったりとにかく騒がしい。だが、今日はどうだった?」


「静かだった…」


「おかしくないか?」


「たしかにおかしい」


「だから、気になって見たんだよ。そしたら別の物だった」


「なにを置いたんですか?」


「飛猫と妹の使用済みスライムとメッチャ蝿を500匹ぐらい?」


「飛猫はさ可愛いしペットとして人気高いから良いよ、でもさ妹の使用済みスライムってなんだよ!ゴミだよ!メッチャ蠅500ってキモいよ!悪質な嫌がらせだよ!そんなの送り付けられたら神様もビックリだよ!魔族だとか女だとか文句を言うなよ!交換されただけでも奇跡だわ!」


「妹のスライムを馬鹿にするなよ!妹が産まれてから3年間、ずっと腹の中でウンコを食べ続けてくれたスライムだぞ!希少だろ⁉︎敬えよ!!」


「確かに我々貴族は王族所縁の品を大切にしますが…使用済みスライムは誰の使用済みであっても廃棄物ですよ。クソ王子」


「っであの時見せて貰った虹色大アゲハの幼虫と双子の妖精は何処やったんですか?バカ王子」


「幼虫は庭園で放し飼いにしてた、雑草食ってくれるし庭師達も切った枝葉を食わせてたよ。妖精って歌上手いから、部屋で聴いてたんだけど、ある日妹に見つかって母上に知られて気付いたら楽団呼んで東屋で演奏会してた。いつの間にかサナギになってた幼虫が妖精の歌を聞いて羽化して飛んでったんだよ。ほんとビックリだよね、でも虹色大アゲハキレイだったなぁ」


「っで代わりがペットと廃棄物と害虫ですか?変態王子」


「メッチャ蠅は捕まえるの苦労したよ〜聞く俺の武勇伝!聞いちゃう?」


「害虫捕まえた事を武勇伝として語るなんて…王族とか関係なく人として終わってますよ。クズ王子」


 将来この王子が王になるのか…不安しかないよ!


「おい!みんな魔族が⁉︎」


「どうした?」


「魔族が破廉恥な事してる」


「「なに!!」」


「振り返るな!見る時は一人づつそっとだ」


「なんだアイツらは⁉︎人前でチチをチチクリ合うなど!破廉恥極まりない!魔族には羞恥心という物がないのか⁉︎」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 その日とある国で奇妙な事件がおきた。


 少女が翼のあるネコになって男を追い回している。


 女子高生が無数の蠅になって教師を襲った。


 片方のシリコンパットを残して消えた女。


 いずれの事件も多くの目撃情報が寄せられているが、彼女達の行方を知る者はい無い…

次のお話は明日の20時を予定しています。

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