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JSとJKとOLが異世界で…  作者: ・・・・
1章 異世界へ強制的に招待される
10/16

魔族はヤバンで浅はかだ




 異世界交換、それが夏季休暇の自由研究のテーマだ。入念に準備をして来たが、些細な食い違いから最上とは言い難いが交換は成功した。

 あとは休明けには研究発表会迄にすべき事を擦り合わせておこう。


「さて、明日から何をしようか」


「湖でバカンスってのはどうよ」


「いいね〜」


「狩にも行きたいな」


「のんびりと釣りをするのも捨てがたいな」


「魔族はどうする」


「どうするって世話は侍女達がするだろう」


「世話はそうだが、言葉はどうする?」


「言葉?」


「さっきの感じでいいだろ」


「だな、休明けの研究発表会で自己紹介をさせれば、魔族が服従している事を強く印象付けれるだろ」


「しかし、名前を言うだけではインパクトが弱く無いですか?例えば、凶悪な魔族が作法に則った美しい所作をしたら皆驚くかと」


「たしかに、そうなれば俺達への評価は更に上がるな、っで言葉を覚えさせるとして、良い案はあるか?」


「子供の教材を与えて置けば、その内覚えるだろ」


「それで、発表会迄に間に合うのか?」


「なら、オーキス卿の発明はどうだ?」


「あぁ、動物と会話出来ると言うヤツか」


コンコン


「入れ」


「レイビーズ様、お食事の用意が整いました」


「そうか、それでメニューは?」


「はい、ご要望通りカサブダの生き血の蜂蜜酒割り、旬野菜の塩茹で、新鮮野菜とカサブダの頭と臓物を海水で煮込んだ吸い物、カサブダの塩釜焼き、ナマ麦100%のパン、食後の甘味は木の実の蜂蜜漬けでございます」


「魔族達の分もか?」


「はい、ご用意しております」


「貴重な塩をふんだんに使った料理とは贅沢ですな」


「今日は俺達が英雄の仲間入りした記念すべき日だ、存分に楽しもう」


「「ゴチになります!」」


(流石はジスデンバー殿だ王子を煽て美味い食事を用意させるとは)


「これだけのもてなしを受けたら、魔族達はますますに王子に惚れ込んでしまいますな」


(コレぐらいの役得が無ければ、ボケ王子には付き合いきれんよ)


「惚れられても嬉しくなどないな。まぁあの者達が妹以上の美貌と教養それに品格を持っていたなら可能性が無くも無い何て無いと思わない事も無いかもな」


(シッポうっざ〜冗談を間に受けるな、デレた顔で何重否定してだ?ウザデレ王子)


「あの者達には過分なお言葉ですね」


(あぁ〜めんどくせ〜)


「ハッハッハハ俺は寛大だからな」


(ほんと、簡単に煽に乗りましたね、あの激チョロ王子)


「あの者達はスライムを入れていなかったらしい。やはり、オーダーの魔王伝説は事実で、魔族は野生の獣と同じく辺り構わず糞尿を垂れ流す穢れた者達と言う事だな」


(なにが言う事かだよ、アンタが言ってたのは間男伝説だろ!それに交換直後にチチ触られて漏らしてたじゃねぇか!記憶飛んでんのか?ボケ王子は)


「はい、先程のシエラの行動は王子への発情と尿意の合わせ技かと」


ブッ!(合わせ技って何ですか⁉︎失笑させ無いで下さいよ!)


「先程、部屋から聞こえたシエラの艶かしい声はそう言う事だったのか…フッ、俺はなんて罪作りな男なんだ」


(笑うな!最後まで気を抜くなよ)


「女の癖にはしたない!魔族がそこ迄の蛮族だったとは…」


「王子が許可したとは言え、その様な蛮族と食を共にするのは穢らわしいですなぁ」


「気持ちはわかる、だから今回だけだよ。不快ではあるが共に食事をする事で、高尚な食文化や財力、品格を見せつけ格の違いを理解させると共に、俺の寛大さを後世に示す一幕になるのだよ」


「「「さすがです(ゲス)王子!」」」


「ん?いまなんか違ってなかった?」


「気のせいでゲス王子」


「ソレより、そろそろ食堂へ行きましょう」



ーーーーーー


コンコン


「レイビーズ様魔族達を連れて来ました」


「入れ」


 俺が空いてる席を指差し座る様に指示すると、魔族達は戸惑いつつも席に座った。


 それを見た侍従達が、料理を運んで来る。


「ハッハッハッハッハ!贅を凝らした嗜好の料理の数々に驚いてる様だな、お前達が口にした事も無い贅沢な物ばかりで気後れしている様だが遠慮はいらん。どうせマナーも知らんのだから自由に食べるがいい」


 俺の勧めにもかかわらず、魔族達は俺達をチラチラと見ながら話をしている…


「そうか…そう言う事か」


「王子どう言う事ですか?」


「単純な事さ、主人が先に口にする迄、手をつけないっと言う事だよ…それなりの礼儀はある様だな。まぁいい、さぁ皆も遠慮なく食べてくれ」


「では、お言葉に甘えて…」


「ん〜口に広がる新鮮な血の香りと蜂蜜酒のほのかな甘味、食欲をかき立てるこの喉越し…」


「ガツンと来る塩の味、それにも負けない肉の旨味。そして、ひと噛みする毎に溢れ出す肉汁…」


「磯の香りと新鮮な頭や臓物の味が渾然一体となって…」


 ふと魔族を見ると、侍従に四角い物を見せ、ソレを見たセヴァスタンが珍しく取り乱している。


「どうした?」


「そっ、それが魔族達が武器を所望しておりまして…」


「「なに!!」」


「どうも、魔族は武器を使って食事をする様なのです」


「なんとヤバンな!!」


「イツ如何なる時も戦闘に備えるっと言う事か…面白い!いいだろう、望みの武器を与えよ」


「しかし、蛮族に武器を渡すなど…」


「かまわん、皆が見ていた通り主従の関係はハッキリしている。食事中にと言うのは驚かされたが、概ね予想通りだ小賢しくも蛮族なりに知恵を絞ったのだろうがマダマダだな」


「どう言う事でしょうか?」


「俺達の主人としての度量試し、自らは武器を持っても敵意を示さない事で信頼を得ようとしているのだよ。さぁ早く望み通り渡してやれ」


「畏まりました」


「俺と知恵くらべで勝とうとは浅はかな」


次のお話は明日投稿する予定です。


誤字とか教えて頂けたら嬉しいです。

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