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黄金の魔術師と白き大悪魔  作者: 寝月夜兎
≪第1章 大悪魔と人間≫
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第1話 友人の誕プレ

朝田怜穏あさだれおん

ただいま絶賛独り身、本日めでたく20歳になる。

楽しいお誕生日会はない。

一人、寂しくカレンダーの日付を眺める。


「明日から連休かぁ」


家族とは離れて暮らしている。

連休の予定はない。

いつも通りにだらだらと安いアパートで過ごす予定だった。


ピンポーン


インターホンが鳴る。


「すみませーん」


画面を覗き込めば、宅配屋さんの姿が見えた。


(俺、なんか頼んでいたかな?)

「はーい」

「こちらにサインをお願いします」

「あ、はい」

「ありがとうございました」


手短に済ませた後は、足早に宅配屋さんは再びこちらに気づき会釈をして、さっさとどこかに走り去ってしまった。

忙しそうだ。

こんな小さな荷物一つのために。


「なんだこれ?差出人は・・・ってあいつか」


学校の旧友。

なぜか仲が良かった男友達。

どちらかというと一方的に絡まれていた記憶があるが気のせいだろう。


部屋に戻り、包み紙をはがせばでてきたのは一冊の分厚い本だった。


「魔法陣?ファンタジーか何かの本・・・?」


中身をペラペラとめくれば、魔法陣やイラストがでてきた。


「悪魔書?」


どういった経緯でこんなものをよこしたんだ。

ん、待てよ。

今日って確か。


「誕生日・・・プレゼント?」


悪魔書をプレゼント?

いやいや。

何かの手違いだろう。

この悪魔書はあいつの仕事先の資料かもしれない。

でも、悪魔書を使う仕事っていったい。

アニメ、漫画・・・ドラマとかか?ゲーム制作とか?

いや、インスピレーションのために買ったのか?

趣味、オカルト趣味。

ありそうだけど、なさそうだな。

そう思いたい。

まぁ、手違いなら何か連絡あるだろうし。

暇だし読んでみるか。


数十分後。


「ん?レオ。昔のあだ名だ。懐かしいな。今でも一部では呼ばれてるんだよな」


俺のあだ名が書かれていた、ページの上には『不死ふし大悪魔だいあくま』ネビュラと書かれていた。

反対ページには、『深淵しんえん大悪魔だいあくま』ベルギオという大悪魔についてが書いてあった。

いろいろな情報が書いてあり、召喚される方法がのっていたので暇つぶしにやってみた。

もちろん実際にそうなるだなんてこの時の俺は思ってもみなかった。


魔法陣の形を真似て紙にうつして、髪の毛を一本おく。

そして、詠唱する。


「えーっと、なになに・・・我は汝、汝は我。一心同体なり。永劫の契約、不滅の契約、願い叶えたり。その対価を、代償を清算せよ。我は強者、弱者は過去なり。我は、求む。汝を。契約は呪い、我が望めば、契約すらも書き換える。不死の呪い、魂の摩り替え、肉体の形成、定着、安定、拒絶は我が許さん。我は求める。求めよ汝。答えよ、我の名を。答えよ、汝の名を。我の名は、ネビュラなり。汝の名は、・・・《《れお》》ん・・・?」


詠唱呪文のようなものをそのまま朗読する。

最後の部分はかすれていて読めなかったが、ノリで自分の名前を入れてみた。


「なんだ何も起きないじゃないか」


所詮子供だまし。

そう思っていた。


「・・・久々に本を読んだせいか・・・眠い、な」


睡魔が突然襲ってきた。

布団に入るのも億劫で、床で目を閉じていく。

意識が閉ざされていった。


数秒後、意識を失う様に眠った少年を囲うように魔法陣が広がっていく怪奇現象を見たものはこの世界に誰もいなかった。

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