遊葵の憂鬱
どーも猫かぶり姫こと遊葵です★
こんな登場の仕方2回目だけど
二度あることは三度あるからね!
ここテストに出ます
覚えてとくよーに。
とまあ前世では16歳で死んだ
そこいらの姫の女の子だよ!
まだまだ生まれたてのピチピチの0歳
でもこの世界どうも
時間軸の流れがおかしくて、
すでに見た目は
5歳時くらいの年齢で。
前世の記憶よろしく
右も左もわかるけど
知らぬ間に不死鳥になってたらしい!
わービックリビックリ
どんどんぱふぱふー
人型なのに羽で飛べるって
天使だけだと思ってた元人間です。
お元気ですか父よ母よ
今空飛んでます私。
しかもチート転生よろしく
なんでも思いのまま魔法が使えるよ
想像してごらん
詠唱なんていらないよ。
杖でボンッだよ!
飛びながらだって使えちゃう
はいこの通り!
気を付けないと焼け野の出来上がりー
あ、属性は風と炎なんですね。
まあなんて恐ろしい子!
そういえばショタじじいの言ってた
不死鳥のスキル
光の加護翼
ってなんだろう
名前がやけに、かっちょいい。
今度聞いてみよう。
なんて、マシンがントークよろしく
自己紹介したけど
つまりは不死鳥様が、
新しい肉体を手にしたいが為に
死んだ私の魂だけ抜き取って
自分の肉体と一緒に
転生させたってことらしい。
だから、肉体を共有する
運命共同体であるという説明を
この間やっと聞けた。
理解が追い付かないことだらけだけど
生まれ変わる度に人間の肉体と一緒に
転生しなければならない一族らしいから
亜咽様の適応能力も
そりゃー高いわけで。
でも、ひとつの体に2つの精神が
存在しているのは後にも先にも
ショタじじいだけらしい。
私が表に出ているときは
ショタじじいは外には
出られないらしいけど、
私が寝ているときには
表に出ているって聞いたし。
何より本体が眠りにつくときには
二人とも精神の部屋でお喋りできるしね。
でもまあわかりにくいから
私は遊葵として
ショタじじいは元から名乗っていた
棗という名で呼んで貰っている。
お前の名前が棗だったんかーい!
て突っ込んでしまったよトホホ
でもショタじじいは何故か
私のことを棗と呼ぶ。
何でだろう?
(何故か知らないがショタじじいが
遊葵の見た目のまま
外の世界に居られるようにしてくれた
だから私が棗って名乗る必要もないんだよね)
どんな力使ったんだろうか
想像もつきません 想像してごらん。
日が暮れるよ。
(実際目が覚めたら朝だった)
改めてまあ不死鳥の能力はエグい
やばいよやばいよー。
私も使えちゃうんだよ
いいだろー。と言いたいところだが
今のところ私が使えるのは
杖で起こす風と炎だけ。
後々使えるようになるのか?
魔法の力が巨大であればあるほど
この私たちの住んでいる街は
恩恵がもたらされる筈だと
ショタじじいが言ってた。
ハズなんだけど、現状
私たちの街は荒れ果てている。
【EDENGARDEN】
道化達の宴の街
と呼ばれていて、
昔はそれはそれは
人と人ならざる者達が共存し
活気溢れ栄えていたらしく。
だが、今は綺麗な街の名残も無い
人ならざる者たちだけが
蔓延る死地となっているのだ。
楽園を皮肉った呼ばれをしているのも
無理はない。
荒れ果てた街では、その日を
生き抜くのが精一杯で。
これらの原因は全てを
統率していたかの王が
失踪し街は力を無くした。
皆の力では街を存続させるだけの
力が足りず、なす統べなく
人間はこの地を去り。
残ったのはわずかな
人ならざる者達という話だ。
そしてこの者達を統べる者
その座についたのは、
我が母 亜咽であると
ショタじじいは言った。
とまあ大体はこんな感じで
ざっと近況報告したけれど、
いくら運命共同体だからって
凄いとこに連れてきてくれたもんだよねー全く。
…………
「不死鳥といっても
不死身ではないのだ
そう、消えたらまた
この世に産まれねばならない」
「つまり、お主の肉体をどうしても
手に入れたかったのじゃよ」
ケースバイケースじゃな
そう言って笑った不死鳥の顔は
とても亜咽に似ていた。