現実逃避
私の名前は遊葵。
どこにでもいるピチピチの16歳!
というわけではなく。
たまに居るそこらへんの
姫なのだが、どうやら私は
転生したらしい
生まれたてだよ
ピチピチだよー。
中身は大人見た目は子供
その名は…!
「じゃないよおおおあの馬鹿鳥ー!」
そう、たまに居るそこらへんの私は
どっかの不死鳥のせいで
新しい人間に生まれ変わったのだ。
全くの別人として、
生まれたての幼女として。
(あ、幼女ってかいたけど
正確には男の子だから違うのか)
どうしてこうなったのかは
定かではない、と言いたいところだが
前世での記憶を持ち合わせている為
十中八九あの不死鳥が悪い。
おまわりさんあいつです。
そんなこんなで生まれて
一ヶ月くらいがたったのだが、
どうも私言葉が抜けずこの男の子の
体に未だに馴染めていない。
この先吉と出るか
凶と出るのか
どうしたものか。
もうひとつわからないのは、
母である亜咽さんの
適応能力の高さである。
だっていつの御時世にも
いきなり生まれて喋る赤子
います?見たことあります?
私はなかったよ短い16年の間では。
普通に話しかけて微笑んでくれたよ
綺麗で優しそうなお母さんだった。
それこそ、前の世界の……
なんでもない。
駄目だよ私もう眠いよ寝ます。
体はまだ成長過程だからか、
長い時間起きてることは
出来ないみたいなんだよ。
前世でのよわっちい体よりは
いいんだけどねー、
てか不死鳥ってどこいった?
こっちの世界ではまだ
一度も見たことないけど
まあいいや起きてから考えよ。
よし、おやすみなさーい。
《あら…寝てしまったの
おやすみなさい
いい夢を 。》
眠りについた私の髪をだれかが
撫でていてくれる。
懐かしいけど、誰なのか思い出せない。
貴方、だあれ。