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ハニュー効果

作者: さきら天悟
掲載日:2018/02/18

えッ、声が出そうになる。

反応がないと思って、既に次の作業に入っていた。

が、足音が聞こえる。

ジーーー。

紙が出る。

出終わるまで、次の作業に移れない。

相手は、まだか、という顔をする。

ようやく、正規の手続きを進め、

相手に謝罪も含め、頭を下げた。

そして、俺は驚きと嬉しさで男の家を後にした。


まただった。

俺は、同じ轍は二度と踏まない。

今度は少し待った。

すると、女の声が帰ってきた。

いつもは夜の女。

30前後、いつものように不機嫌な顔をしていた。

「早くして」と言ってるような。

俺は素早く処理し、いそいそと引き上げた。



夜の女パート2のはずだったのに・・・

前の夜の女を処理した後、3件こなしていた。

中年、高齢の人らだった。

これまで驚異の100%。

しかし、夜の女パート2で途切れると思っていた。

女は満面な笑みをたたえていた。

俺はドキッとした。

おっと、手が・・・

ペンを落としてしまった。

女は嫌な顔もせず、自分でペンを拾い署名した。

「寒い中、ご苦労様」と女は言った。

俺は深く頭を下げ、彼女の家を後にした。



異常な土曜日だった。

いつも出掛ける人が在宅しているなんて。

2月17日?


「そうか」、俺は一つ頷いた。

思い当たることがある。

「ハニュー効果ッ」と俺は思わずつぶやいた。

「逆に・・・、

逆ハニュー効果があったかもしれない・・・」

テレビやレストランは冷や冷やしたろうと想像した。


さっそく、ネットで検索した。

案の定そうだった。

『羽生結弦選手、金メダル』、

さらに宇野昌磨選手も銀メダルを獲得していた。

みんな羽生選手を見るために在宅していたのに違いない。

これぞ『羽生効果』と言わずして、なんと言うだろう。


ありがとう、羽生選手!

ありがとう、宇野選手。

配達員一同より。



逆ハニュー効果、もしフィギュアスケートがゴールデンタイムに

放送されていたなら、裏番組は壊滅し、レストランの客足も減っただろう。

夜の女とは、本当の夜職業の女ではないですよ。

だって、よる夜に在宅してるから。

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