東の妖精と剣士さん
誤字報告、ご指摘、ありがとうございます!
どうも味梨海苔ゆどうふです!
どうか皆さん、忘れないでください...ノω・、) ウゥ・・・
基本週二か週一で更新できたらなと思ってます!
上へと続く階段を登ると、そこには暗かった。
そして誰もいない。
え〜、ここもお店やさんだったはずなんだけどな〜、真っ暗だし人いないしお休みなのかな〜。
と呑気なことを考えてると、
(ん?今僕って強盗だったりする?)
条件は揃ってる。これはまずい。引き返そう。
いや、そうしたら先生の稽古に遅れてしまうじゃないか...
しばらく悩むこと3分。
僕は誰かいることを祈り、声に出す
「すみませーん、どなたかいらっしゃいますか?」
返事を聞こえるように耳をすまーー
「ふぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっっっっ!!!!」
僕が耳をすまそうとした瞬間、店の中を甲高い叫び声が駆け巡る。
「っっっ?!?!」
あまりの声量に、僕はふらっと意識を手放し床にパタリと倒れ込む直前。
明かりのついていない部屋だったが、この目でみてしまった。
部屋の隅でぷるぷる身体を震わせ、体育座りしている少女を。
ん?人?少女、暗い部屋、見ないと気づかないほどの影の薄さ。これらの情報を組み合わせると...
名探偵シンは結論に至る。幽霊なんじゃね?
今にも途切れそうな意識を握力150くらいで手放すまいと強く握り、ここで倒れるわけにはいかない。と踏みとどまる。
ここで倒れたら幽霊になにをされるか分からない。それに幽霊じゃ無いかもしれない!
僕は自分で推測した前者を捨て、後者に賭ける。
そして、10m程ある距離をそろそろと距離を詰める。
これものすごく緊張するよ...。
冷や汗で背中がビショビショだ、喉も渇いてたぶん今喋ると90代の入れ歯のおじいちゃん並に何を言っているのか分からないだろう。
ものすごくこわい...怖くないが!幽霊じゃないことを願い、心の中で神に祈祷を捧げながら、顔を覗くように声をかける。
「ここ、こんばんはっ」
なんとか90代のおじいちゃんは避けだが、声か少し裏返ったのは喉の調子のせいである。
はず。怖いとかではない。はず。
そして少女はきょとんと顔の上にはてなマークを乗せて小首をかしげると、急にハッと我に帰り音速を超えそうな速さで這うようにして移動し、変な人から距離を取る。
6m程のところで止まり、ぷるぷる身体を震わせながらこちらを警戒している。
僕はそのままじっと少女を見つめる。少女は徐々に赤面し、サッと床に落ちている布を自分の顔と僕の顔の間に、自分の顔を隠すように広げた。
とりあえず幽霊じゃ無いことは確定だろう、と、ほっとしながら再び彼女に目をやる。
少女はちょうど窓から光が当たる場所。中は暗いので光ざ差し込んでまるで天使みたいだなと、ほんの少し幻想的な光景に目を奪われそのまま彼女を見つめていると、
だんだん布の高さが下がっていく...
少し警戒を解いてくれたのかな?と少し期待したが、裏切られた。
ただ腕が疲れたから下がっているのだろう、ものすごく震えている。
布が隠していた顔は、とても可愛かった。リースさんとは別の可愛さだ。目と口をギューっと閉じていて、><にしている。
もう一度いうがとても可愛い。これももう一度いうがリースさんとは別だ。
雲一つない空のように澄んだ綺麗な空色の絹のような髪。少女の動きに合わせてなびく薄暗闇色のエプロンを着ている。
腕が自分の太ももについたところでやっと腕が下がっていることに気づき、顔を見られていたことにも気づく。
今度は急に、今にも煙を出しそうに顔を赤面させ、口をぱくぱくしている。
「あの〜」
再度声をかけてみた。
「はひっ!ぁ、こ、こんにち、は...店の入口、は、あちらです」
最後まで息が持たないのか、途切れ途切れで頑張って言ってくれている。
「クスリ」と誰もいないはずの僕の後ろで誰かが笑ったような声が聞こえた気がしたが、気のせいだろう。よく分からないけどこわ...くない。
礼を言い、賑々しいメインストリートへと足を向ける。
最後に目を向けるも、まだおどおどしている。なんかごめんね!そしてその姿も可愛い。
外に出て店を見る。【ホットアイス】というのがこの店の名前らしい。
そしてメインストリートという雑踏に身を投げる。もみ合いもまれ合い、5分と持たないだろう。しかし、訓練所までは2分と言った所だ!
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一つ道を入った所に訓練所はあった。中からはメインストリートの喧騒に混じりながらも、男達の野太い覇気のある声が響いてくる。
僕は変声期真っ只中なので、こんな声は出せないのだが、男らしくてかっこいいと憧れてたりもする。
現実に泣きながらも、先生の所へ急ぐ。
先生の待つ個室へ行き、そっと中を覗くと、
|先生(天才)が素振りをしている。
細腕が握る極細のレイピアから放たれる縦一文字。
僕の頭の中で周りの男達の声が掻き消える。
驚くほど鋭い。そして速い。空気が揺らいでる錯覚さえ味わう。
そこから逆袈裟斬り、手を返し横一閃。相手の肩や喉の位置を狙い、無数の石火の突き。
無数の斬光を輝かせている。僕が対峙していたら逃げの一択だろう...と考えていると、一際研ぎ澄まされた一閃が振るわれたとき、息付く暇さえなかった素振りとは思えぬ素振りが終わりを迎える。
僕は思わず溜まっていた唾を飲み込む。ゴクリと音がしてしまったのだろうか?先生が僕に気づく。
「やあ、シンくん。もう時間かい?正直私は動き足りないが、今日の稽古と行くか!」
凛とした声で気さくに話しかけてくる。
「こんにちは先生、とてもすごかったです!
が、その物足りなさを僕の稽古で晴らそうとするのはバレバレです、やめてください」
「なぬ...バレていては仕方が無い、いっそのこと君の想像を越えてやろうじゃないか」
悪な笑みを作りながら言うので冗談か本気かわからない...
謎のスイッチが入ってしまったのかもしれない。
「ははは、さすがにその冗談はないですよ」
乾いた笑みが漏れる。
「ん?冗談?私はいつでも本気だが?
さて、稽古を始めようか!遠慮なく斬りかかってきなさい。」
僕の乾いた笑みが顔にくっきり刻まれた。
そして両者の目が鋭い剣士の目へと変わっていく。
こうして稽古という名の地獄が幕を開けた......
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「はぁぁぁぁぁ〜〜!」
「お疲れさま!」
地獄から無事に生き残ることができたか、コロリと死んでしまって幻想のなかいるのかは定かではないが、|稽古(生き地獄)を終えた!
全身の節々、いたることろが悲鳴をあげている。
どこから攻めようがどんな揺さぶりをかけようが、先生はほとんど動かずに「微温い」と、僕に一撃をお見舞いする。
全く以て勝機が見えない。
「相手をしてくれてありがとう、お陰で身体が温まったよ」
「こちら、こそ、、ありがとうご、ざいました!」
肩で息をしながら礼を言う。
「いや〜、シンくんもなかなかさまになってるじゃないか!」
「まだまだ、足元にも、、達せてませんよ...」
御世辞にしか聞こえない。
そのまま冷たい床に突っ伏す。
「次はもっとレベルを上げていけそうだ!」
僕はさっきの稽古で受けた傷より、もっと何かをえぐられ、幻夢の世界へと加速する。
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世界軸"異世界英雄譚"ヨリ世界軸"集いし円環の地"ヘト移行ヲ開始。
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たしか夢の中でそんな言葉を聞いた気がした。
「いってて、、」
訓練所の済でシンは目覚める。
聞きなれない無機質な声で覚えのない誰かが呟いたような言葉だった。それから、、え〜っと、なんだったっけ?
不思議なものだ、夢の中の出来事はすぐに忘れてしまい、代わりにモヤモヤを置いて帰る。
「気がついたようだな、体は大丈夫か?」
先生がそこに居た。
「ご迷惑をおかけして申し負けありません...」
「なに、気にするな」
そう言ってレイピアを慣れた手つきで研いでいる。
この先生はナスメルト先生だ。
先生のお母さんが樹精霊族と人類族のハーフだったため、先生にもエルフの形質が少し見られる。
規則だだしく高潔な人だが、ヒューマンの血が混ざっているのか、口調はいつも優しく楽しくと言った感じだ。これらから尊敬の対称となることもしばしば...
形容は凛と逞しく、エルフの血を継いでいる若緑色の髪は驚くほど艶があり、どこか風を連想させられる。対人戦での剣の腕前はこの国でトップ3には入るだろう凄腕だ。
圧倒的なスピードで相手を圧倒する。そしてその細腕からは想像できないパワーもある。
僕がこうして先生としてご指導してもらっているのは、たまたまこの訓練所で剣を振っていたら隣から、
「いいじゃない」と一言かけてくれたのがきっかけだ。未だにその言葉は謎だが、とても立派な人格者だ。
先生は愛剣を研ぎ終わり、鞘に収め、
「私はこれで失礼するよ、次は3日後ね!」
そう言いながら笑って手を振ってくれた。
(濃い一日だった...)
ふと思うと僕は今日だけで三人もの美人、美少女達と出会ったのだ。
女性への免疫力が二くらいしかない僕にとっては一人会うことでも十分な偉業だ。それを今日は三人。
外を見ると空は夕焼け色一色だ。そろそろ帰ろう。全身の痛みもある程度取れ、僕の愛剣を腰に携えると、今日来た道を引き返す。
外は相変わらずの人の多さで、むしろ昼より多くなっている気もするのだが、ちょっと頑張ってホットアイスについた。
昼間の少女を少し探すが、いなさそうなのでレジに100ヘルを置いて地下へと進む。
途中、臙脂色のローブに身を包み、|フードを深くかぶった人物とすれ違ったが、やはり地下は空いている...
絶対ほかの人に教えないでおこうと誓う。
パンプキンガレッシュの店内でリースさんを探そうと思ったら、
「おかえりなさい、シンくん」
リースさんから声をかけてくれた。
この人も相変わらずの明るさだ。うっ、眩しい...。
ただいまと軽く笑うと、
「それよりスーちゃんと挨拶するの見てびっくりしたよ!あの普段は声を出さないスーちゃんが...大きくなったね...」
と、親戚のような口ぶりでスーちゃんのことを喋っている。
「あの〜、スーちゃんって?」
頭に浮かんだ疑問をそのまま質問する。
「スーちゃんはホットアイスの青い髪の毛の子だよ!とても可愛かったでしょ?」
あぁ、あの少女はスーちゃんなのか...
「うん、出会ったよ、でもなんで僕とそのスーちゃんが挨拶したことを知ってるの?」
「私は30km以内の音は全て絶対音感で聞き取ることが出来るのです。(ドヤッ)」
ジーっと怪訝の目で見つめると、
「ナイショです!」
ベーっと舌を出し目を瞑ってみせる。
ずるい...かわいい...
すると、他のお客さんが入店してきたのでいきますね、と悪戯な笑みを浮かべて去っていく。
(え?かなり距離縮まった?)
心の中でガッツポーズ、ハンカチ片手にスタンディングオーべーションをしながら店を出る。
寄り道をすることなく愛しの我が家へと帰る。疲労感が目に見える程のオーラとなりつつある今の僕はとりあえずゆっくり休みたい。
その時まだ少年は知らなかった。
今日の出会いも全て序章に過ぎないのだと。この一日、もっと濃い一日になることを。
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街の一角の屋根の上。帽子のつばを擦りながら
「さぁ、物語の2頁目をひらこうじゃないか!」
ローブがなびく。
もうすぐ7時の鐘が鳴る。
読んでくださってありがとうございます!
話が進まないことに焦ったため、ヒロイン枠の方達を2人同じ話に書いてしまいました!w
次くらいに英雄を登場させれそうです!
ですので、ストーリーを練る為、更新が遅れるかもしれませんがご了承ください(〃・д・) -д-))ペコリン
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