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神様のお願いそれは……  作者: 暁アカル
3章 Bランク昇格試験
24/34

21話 忍者の里②

こういう感じに一話まるまる書くのは初めてなので読みやすいかどうか分かりませんがよろしくお願いします。

 時は変わり。リュウが気絶させられた後何があったかと言うと。


「リュウ兄! このー!」


 ハツネは抵抗していた。

 しかし、相手はハツネよりも大きく身長差もあり抵抗も虚しく無力化される。捕まってもなおハツネは、"キィ"と相手を睨み付け敵意をむき出しにしている。

 そんな様子に魔族は最後の忠告かのように釘を刺す。


「おとなしくしろ。こいつがどうなってもいいならな」


 魔族は気絶させたリュウの首元に爪を立てる。それが意味するところは予想しなくても分かることだ。

 ハツネは、今すぐにでもこいつらを倒したいと思っているようだが、渋々抑えて魔族に従う。


「よし。こいつらを運ぶぞ! 男はあそこにぶち込んでおけ」


 指示によりリュウとハツネは別々の場所へ。

 ハツネは、目隠しをされ連行される。


「お前はここにいろ!」


 魔族によってハツネは突き飛ばされる。


「きゃ!」


 ハツネは、ちょっとでも里のことが知りたいのだろうその魔族に話しかける。


「みんなはどこなの? リュウ兄は?」


 すると、別の魔族の男が後ろから現れて言う。


「知らなくてもいい。どうせ明日にはみんな殺されるから」


 その言葉を聞いた瞬間ハツネは恐怖を感じ身を震わせる。魔族の言葉を一言一句聞き漏らさなかったハツネはその言葉内で一つのフレーズに気になるところがあったようだ。


「みんなってどういうこと!?」

「おっと、まぁこうして捕らえてるから言ってもいいか。お前たちが抵抗しようがしまいが明日に里の人を全員殺すことは初めから決まっていた。むしろお前はある意味幸運だったんじゃないか。里の人々と最後を共に出来て」

「なんで私たちを殺すの?」


 ハツネはまったく理解出来なかったようだ。どういった目的がそこにあるのか。


「それは決まっているお前達が勇者に関係しているからだ。私たち魔族が世界を支配するにあたり脅威となる存在は全て排除だ」


 その返答にハツネは、強い意志を示す。


「絶対に負けない。必ず里のみんなを助ける!」


 恐怖がありつつもその瞳はまだ死んではいなかった。

 まだ諦めてはいないそんな様子に、


「それは不可能だな」


 魔族の男は嘲笑う。そして、思いついたように顔をハツネに近づけ提案してきた。


「そうだなぁ。ただ殺すのも面白くないから里のみんなの前で一番初めに殺してあげるよ。どういった殺し方がいいかな。はぁ~! それを見る里の人達がどんな顔をするのか」


 魔族の男の表情ははっきり言って気持ちが悪いほどニヤニヤしていた。

 それを言われて反論したかったようだが、今の状況にハツネは、苦渋の表情を浮かべることしか出来なかった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 里の中でも大広場に当たる所に手を拘束された里の人々が集められていた。周りは魔族によって囲まれている。人々がいる前方には大きな高さのある台が用意されていて魔族の男が一人その壇上に立つ。


「昨日はよく眠れましたでしょうか? まぁ、眠れませんよね~」


 魔族の男は、挑発するように言う。

 それに対する里の人々の反応は、


「「だまれー!!」」

「くそ!」

「長は無事なのか!?」


 口々に反論する。そして、中には反抗的な行動を取ろうする者もいるが、周りの魔族達が剣などの武器で威圧を掛ける。


「まぁまぁ。あと、長は牢屋にぶち込んでいますよ。この里にある秘宝について聞いたら殺しますけどね。時間も惜しいしそろそろ殺るとしますか」


 その魔族の男は、後ろに控えている部下に指示を出す。


「さぁ! 始めましょう。一番最初に殺すのは……」


 そのいちいちムカつく口調で"ダラダラダラ"と魔族の男は言葉で奏でる。

 里の人々は混乱した。だってそうだろう。周りで自分達の仲間でいない者がいるはずなのだから。お互いに確認し合う。しかし、誰一人欠けてはいなかった。では一体その殺されるのは誰なのだろうか? 人々の視線が壇上の魔族の男に集まる。


「こいつだ!」


 かけ声と共にその人物が壇上に姿を現す。その人物は、十字架に鎖で貼り付けられ出てきた。

 里の人々は驚いた。なんとその人物は、行方不明になっていたはずのハツネだったのだから。


「「「「「ハツネ!!!!!」」」」」


 ハツネも答える。


「みんな!」


 魔族の男は、里の人々の表情を見て、


「あれ? なんか感動の再会っぽくなってるんだけど」


 里の人々から質問が投げかけられた。それを聞いて魔族の男はこの状況に納得し答える。


「ちょうど昨日里の入り口で捕らえたんだよね。なるほどなるほど」


 ハツネは心配していたことを聞く。


「リュウ兄はどこなの?」


 てっきりこの場にリュウも一緒に連れて来られるだろうとハツネは予想していたようだ。


「あぁ、どうなっているかな。もう死んでたりして」


 魔族の男は、ククッと笑いながらハツネの不安をより一層仰ぐような言い方をする。

 ハツネは、その事実かどうか定かではないがもしそうならと思うと、不安がより一層増したようだ。絶望の表情へと変わる。


「いいですね。やはりそういった感情はいつ見ても良い!」


 ここまでくるともうこの男の頭のネジは一部欠けているのではないだろうか。

 里の人々からは「解放しろ」、「俺が代わりをやる」など、どうにかしてハツネの処刑を回避しようとする言動が見て取れた。しかし、先ほどと同じで周りにいる魔族によって押さえられる。


「クソー!」

「ハツネーー!」

「そうですか、そうですか、そんなに待ちきれませんか。それじゃあ殺っちゃいましょう!」


 魔族の男は、部下に指示を出している。誰もそんなことは言ってもいないのに勝手に進めていく。もうこれは一刻の猶予も許さない状況まで来てしまっている。より一層里の人々が阻止しようと抗うが虚しく、そして、準備が整う。


「派手にいきましょう。三……」


 処刑のカウントダウンが始まる。


「二……一……ゼロ」


 魔族達が一斉に壇上の十字架へ火魔法を放つ。魔法は迷わず一直線に十字架へと向かう。

 火魔法が向かってくる。ハツネは、十字架から脱出しようと試みる。しかし、頑丈に固定されていては抜け出せるはずもなく……。


「リュウ兄……」


 魔法は、十字架に直撃する。それと同時にかなりの量を放ったため爆炎が上がり激しく辺り一面に爆風が吹きあふれる。

 その光景に泣き叫ぶ者、目を逸らす者、これからの自分を想像し意識を失う者。


「ハハハハハ! 最高ですね!」


 魔族の男は満足し高らかに笑う。

 爆発による風が止み煙が晴れてくる。それと同時に十字架も見えてくる。


「あれ? おかしいですね」


 魔族の男が首を傾げる。一体何があったのだろうか?

 煙も完全に晴れ十字架がはっきりと見える。けれども、そこにハツネの姿はどこにもなかった。


「ふぅ~、間一髪」


 不意に上空で声が聞こえる。

 その場にいる全員の視線がその声の主へと注がれる。

 そこには背に翼を生やした者が一人の少女を抱いていた。


 ハツネはゆっくりと目を開ける。自分は死んだと思っていたようだ。きょろきょろと見渡す。初めに目に入ってきたのは広大な青空だった。状況に思考が追いつかないらしい。ようやく気づいたようだ。誰かに抱かれていることを、そして、見上げる。


「りゅう……にい?」

「おう! 大丈夫か? ギリギリだったわ」


 決して幻覚などではない。

 ハツネを救ったのはリュウだった。

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