11話 迷宮③
すいません遅れました。
『死霊の楽園』、現在十五階層。
ここまで特に苦戦を強いられたことと言えば、あの亀の骸骨魔物だったんだよな。なんと言ってもあの甲羅がヤバかった。それだけではない。やっとのことで倒したと思ったら復活したんだぜ。それはまるで……あの某ゲームのカ○ンですか? そんなのありですか!? 異世界だからありなのでしょう。じゃあどう倒したのか? それは……メッタメッタに叩き潰して粉々にしました。特にこれと言った奇策はありません。シンプルイズザベスト! でも甲羅は潰せなかったけど。
そして今、目の前には……。
「デカイ門だな」
「大きいね~」
「どうやらここがボス部屋っぽいね」
ここ『死霊の楽園』のボス部屋まで来た。
あとはここのボスを倒したらこの迷宮はクリアになる。
少しばかり緊張してきた。
「ここを倒した後はどうなるんだ?」
「聞いた話では転移できる魔方陣が倒した後に出てくるらしいよ」
「そうなのか。何が出てくるかわかるのか?」
「骸骨共が沸いてくるらしいよ」
「今まで戦ったような奴らが?」
「それもあるらしいがまあ色々だね」
そんな奴らが出て来るのか。それにしてもよく知ってるなぁ。
「それってどこで集めたのアレス?」
「ギルドで聞いたことだよ。情報収集は大事だよリュウ」
肝に銘じておこう。
「そろそろ行かないか?」
「そうだよ行こう!」
「「おう!」」
そして、シルフィが門を開ける。
すると、急に目の前が白い光に飲み込まれる。
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光も消えゆっくり目を開ける。
俺は、この後どうするか聞いてみた。
「で、どこから敵は来るんだ?」
みんなを見たがその表情は険しい。
「なにか問題でもあったのか?」
「いや、聞いてたのと違うんだ」
「アレス。警戒したほうがいいと思うが」
「そうだねシルフィ」
「とりあえず周りを見てみない?」
リリアの提案により俺たちは周りを見ることにした。
と、言っても俺たちがいる所は周りを岩などで囲まれた四角形の形をした部屋にいる。そして、正面の壁には不気味な雰囲気を醸し出している扉があるだけだった。
「どうやら開けて中に入るしかないようだな」
「あぁ、俺もそうしたほうがいいと思う」
「僕は反対と言いたいが他に方法はないしね」
「それしかないけどでもな~。凄く嫌な感じ」
近づいてよく分かる。目の前の扉から放たれる肌に粘り着くような嫌な感じと息が詰まるような圧力、この中にいる奴はかなり危険だろう。
それでも俺たちは扉を開けて中に入った。
中は暗く何も見えない。
「暗いな」
「気を抜くなよリュウ」
「わかってるよシルフィ」
俺は、警戒心を強める。
突如、部屋に明かりが灯った。どうやらこの部屋はさっき転移で飛ばされた時の部屋と同じ作りをしていた。
リリアが何かに気づいたようだ。
「あれなんだろう?」
指を指した方を見ると玉座が置かれていてそこに誰かが座っていた。
「みんな!」
アレスの一言で警戒心をより一層強める。
「ほう……。久々に使ってみたがまさか人族が来るとは」
玉座に座っている奴からこの声は発せられた。そして立ち上がりこちらに近づいてくる。
「あれはまさか」
アレスは驚いていた。そして他の二人も。
俺はこの深刻であろう状況について行けてない。
近づいてきてはっきりとその容姿が分かった。漆黒のローブを纏った人型の骸骨。
なんでそんなに驚いているのか? ここに来るまでにそのタイプの相手とは散々戦ったはずなのに、違う点で言えばしゃべったことだけど。
「そんなに驚くことなのか?」
俺の質問にシルフィが答える。
「あれは、ノーライフキングだ。Aランクの魔物だ」
Aランク! 初めてだ。そんな奴が何でここにいるのか。
「四人か。そう警戒するな。まずは名乗ろう、我の名はワイズ魔王幹部の一人だ」
「「「「!!!!」」」」
今なんて? 魔王幹部? まさか……。ますます気になるなんでこんな所にいるのか。
アレスが、
「どっ、どうしてこんな所に魔王幹部がいるんだ?」
「でも……。ワイズ? 聞いたことがないな~」
「それもそうだろう我が魔王幹部としていたのは三百年も前のことだからな」
三百年! どんだけ前なんだよ。
シルフィが、
「三百年前……。まさか!」
「そのまさかだと思うぞ。勇者と戦った、我はその時の生き残りなのだから」
んっ? 勇者、あれかこの前読んだなこのエーテルに召喚された人達か。でも、あれでは魔王そして幹部などはすべて倒されたと書かれていたが。
「我は、あの時勇者に倒されたふりをして逃げその後ここに迷宮を作った。そしてたまにここに暇つぶしで誰かをここに転移させる。いつも魔物ばかりだったがな」
暇つぶしって……。
「お前はここに俺たちを呼んでどうするつもりだ」
「暇つぶしに我の相手をしてもらうつもりだが?」
おいおい、どうするんだよ。暇つぶしなのにあちらさんは殺る気まんまんじゃん。
「どうするんだ?」
「やるしかなさそうだな。ただし、魔王幹部だとランクはS以上または測定不能になる」
「僕もそれが妥当だと思うよ」
「やるしかないね」
そして、臨戦態勢に入る。
「少しは我を楽しませてくれよ」
ワイズが臨戦態勢に入ると同時に高密度の魔力が放出された。
なんて魔力だ! これが魔王の幹部の力か、元だけど。
みんなはあまりの魔力に一瞬怯む。
ワイズは、手に武器を出現させた。鎌だ。死神が持つような奴でワイズが持つと死神にしか見えない。
その鎌に魔力が集められる。
「ヤバくないか?」
三日月型の黒い斬撃が放たれる。
「よけろーーーー!」
みんなそれぞれにそれを回避する。
「どうする?」
アレスが、
「そうだね。僕とリュウで攻めてシルフィはリリアを守りながら遠距離攻撃でどうだろう?」
「とりあえずそれでいこう」
「回復は任せて!」
アレスと俺は、交互にワイズに攻撃をする。
しかし、それを軽々とワイズは大鎌で捌く。
「こんなものか人族よ」
俺は、なんとかして攻撃を当てるためスキルを使い反撃しつつ、アレスとうまく相手のスキを付くような攻撃。
シルフィは魔法を使い強化や援護攻撃をする。
「いいぞ! 人族よ、我をもっと楽しませろ!」
絶え間なく行った攻撃により一瞬のスキが生まれる。
「今だ! リュウ!」
俺は、その生まれたスキに渾身を込めた一撃をワイズの命の元である核に攻撃する。
「うぉぉー!」
ワイズの核に剣が刺さる。
しかし、手応えをまったく感じない。そして、ワイズが霧となり消えていく。
「やったのか?」
「いや、まったく手応えがない」
「どういうことだ?」
どこからとなく声が部屋中に響く。
「フッ、ハッハッハ!」
突如またあの霧が発生しそこからワイズが現れる。だが、今度は何体も出現した。
「今のはなかなかよかったぞ」
なんだよそれ。やった感じがないと思ったら……。
「これは我のスキル『幻影』だ。お前は我の分身を斬ったのだ」
「初めからそうしていたのか?」
「そんなわけなかろう。そろそろ攻撃を受けそうだったからな」
チッ、またやっかいなスキルを使いやがって。
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