とぅえんてぃすりー
** 1年後 **
高校を卒業した私は隣の県の大学に進学した。
そのため、今は少しお手頃価格のアパートに一人暮らしをしている。
もともと静かな場所を好む私には1人だけの空間は苦ではない。
雅とは若干の遠距離恋愛になるが付き合いが続いている。
大学を卒業した雅はちゃんと就職先が見つかったらしい(名前は忘れた)。
「あ…」
そういえば今日は、雅と付き合って1年目の日だ。
去年の今頃、私は雅に告られたんだっけ。
窓から夕日を眺めながらぼんやり思った。
ピーンポーン
インターホンが鳴った。
「誰だろー。」
ドアを開けるとそこには、「やっほー」と憎たらしいくらい大好きな人が笑顔で立っていた。
「な、なんで」
「明日から仕事始まるんだ~。それで、職場がこの近くなんだよね。だから、隣の部屋に引っ越して来ちゃった。」
語尾に☆が付いちゃってる。
「ま、まじですか」
「まじですよー。ということで今日からよろしくね、彼女兼ねてお隣さん?」
「あ、は、はい」
「よっぽど驚いてるんだね。ほら、おいで」
背中に手を回され抱きしめられる。
「会いたかったよ」
「会ってないのたったの1週間だけど」
「俺には2ヶ月くらいに感じた」
「そ、そう」
「あのさ」
「なによ」
「まだ荷物とかしっかり整理できてないから今日泊めて?」
「はっ?!」
続けて驚かされ心臓がおかしくなりそうだ。
「いいじゃーん、恋人同士なんだから」
「い、いや、私にも準備ってものが」
「細かいことは気にしなーい気にしなーい。今夜、楽しみだね」
そう言って雅はニヤリと笑った。
おしまい。
めでたしめでたし。
完結いたしました。
番外編が増えていくかもしれません。
読んでくださった方、ありがとうございました。




