あの日…
俺は…あの日から結香に答えを伝えられずにいた。
…結香はいつもと変わらすに俺と接してくれている
ホントは何も知らないんじゃないのか?
アレは香織の思い過ごしじゃあ…と考えてしまう。
「ねぇ…お兄ちゃんってば!」
「ん?、ああ悪い結香。
ちょっと考え事を…な…」
あの日から初めて結香と二人きりだ。
「お兄ちゃんってばボクのコト…
いつまで保留にしておくつもりなの?」
「保留、そう言って逃げていたのかな俺は…実はさ…答えは出てるんだよ。
でも、結香を傷つけたくなくて…言えなかったんだ。
…結香、ごめんな
俺は結香のことを彼女としては見れない。
確かに結香のことは大好きだよ、でも、
恋人じゃなくて…妹としてなんだよ」
「…そっか、ありがとね。
答えを聞かせてくれて…
やっぱり初恋って叶わないものなんだね」
心が痛い…でも
「…あのとき起きてたのか?」
「うん、目が覚めたら二人がキスしてて…
そっか、やっぱりダメだったんだなって。
お姉ちゃんは気付いてたけど、鈍感なお兄ちゃんはやっぱり気づかなくて…なるべく今までどおりにしてた。
やっぱりお兄ちゃんは優しいね、そんなにもボクのコトを考えてくれて。
ボクは大丈夫だから、お兄ちゃんが思ってるほどもう子どもじゃないもん。
…だから今までどおりのお兄ちゃんでいて欲しいな」
無理に笑う結香の姿…
俺はたまらず結香を抱きしめる
「ホントごめんな」
「…お兄ちゃん…」
涙声で結香はギュッと抱きついてくる
俺には、涙で濡れる頬をいつまでも撫でることしかできなかった。