秘密
ある日結香ちゃんが家に遊びに来た。
「えっ…最近、
私の様子が変?」
「うん、お兄ちゃんが気にしてたの。
…お姉ちゃん、何かあったの?」
「…ううん、何も無いわよ。」
(まずいわね…
あの鈍感な和彦が勘づき始めた…)
私には秘密がある…
魔女…魔法使いの女
私のママは魔女…
そして私も…
「お姉ちゃん…
考え事?」
「うん、まぁ…ね」
(…結香ちゃんには、絶対話さなきゃいけない)
「…ボクに出来ることなら頑張るよ?」
…その純粋な目に改めて気付かされる…
(私は何てコトをしていたの、
自分をコントロールできない未熟な魔法で妹みたいな女の子に…)
これまで香織は魔法を使う際は未熟な為に、
夢の中のような感覚に陥っていた…まるで自分の体が乗っ取られたかのように…
『…あの子に魔法をかけていたのはは自分だった…』
そう気付いたのはつい最近のこと
真実を知ったとき、
それまで自分の中に押さえていた罪悪感が徐々に外へと出て行く…
(アレは私がしていたコト…だから
話すなら今しかない…)
「…絶対に和彦にはナイショだから…」
そうして私は結香ちゃんに真実を話す…
「…ホントなの?」
「本当にごめんなさい!」
私はその時、
初めて結香ちゃんの前で涙を見せた…
「お姉ちゃん…泣かないで」
ギュっと小さな体に抱きしめられる。
全てを包んでくれるような安心感、
そして自分の心が浄化されて行くような純粋な心。
自分よりも小さいのにそう感じてしまう。
私はこの子のために何が出来るのだろう…
そう考え始めたある日だった。