持つべきものは
メリーが父親とロイズに居る頃。ウル達は、メリーの父親のアパートに居た。
「メリーちゃん。ちゃんと上手くやってるのかな?」
「メリーの事情は、僕達が突っ込んでいいものじゃない。あとは家族の問題さ」
「うーん」
「自分と重ねすぎて、要らぬ不安を積もらせるじゃないぞ? 君が参ってしまったら困るんだ」
「メイル」
「……心配といえば、司令部建設の件もだって。いつまでもこういう抵抗が通用するとは思えないって」
「ウルにしては鋭いわね。なんとかしないといけないよ」
「ティタ。なんか良い案ないって?」
「私達に出来る事。それをするしかないよ」
「それってなんだって?」
「……いるじゃない。心強い味方が」
※ ※ ※
「もしもし。テレサ元帥をお願いしますって」
ウルが電話を掛けている。掛けた先はロンド司令部。元帥補佐を通して、にょんちゃんへと電話を繋いだ。
【もしもし?】
「にょんちゃん元帥? 俺、ウルだって」
【ウルクン! お久にょん!】
「えーと。実は、にょんちゃん元帥に話があるんだって」
【にょん?】
ウルは、にょんちゃんに事情を話した。
事情を聞いて理解したにょんちゃんは、バタバタと物音を立てている。物音が止み、にょんちゃんの声が受話器から聞こえてきた。
「にょんちゃん元帥?」
【ごめんごめん。資料を探していたにょんよ。……ノランの、司令部建設の件だったにょんね】
「そうだって」
【確かに、ノランの代表と軍との間で協定が結ばれているにょん。本来なら既に、ノラン司令部が出来ていてもいいにょん】
「街の人達の粘り勝ちって?」
【そうなるにょんね。軍も反感を避けたいだろうし、代表だって、支持を失いたくはないにょんし】
「でもその粘りも、そろそろ限界?」
【そうにょんねえ。代表と軍による強行が始まるにょん】
「なんとか出来ないって!?」
【この協定は生きてるにょん。当人同士でないと、協定の変更や破棄は難しいにょん】
「難しいってことは?」
【流石ウルクン。勘がいいにょん。元帥の権限で、この協定を破棄することは可能だにょん。けれど、それはノランの代表に対する裏切りになるにょん。ノランと軍との〝これから〟を左右することになるにょん】
「そうかって。無理を言ってごめん。聞いてくれてありがとうだって」
【ウルクン!? 別に、にょんちゃん協力しないなんて言ってないにょんよ!】
「でも!?」
【街に住む人が納得しない事を行使して、代表にも軍にも旨味はないにょん。一度白紙にして、ノランの代表と住民、軍とで話し合うにょん】
「ありがとう、にょんちゃん元帥!」
【お礼はいいにょん。友達の為でもあるし、国民の為でもあるにょん。じゃあ、にょんちゃんの方で根回ししとくにょん】
「うん!」
にょんちゃんの協力を得れた今、ウル達から不安が一気に削がれていった。
ウルは思い知った。持つべきものは、元帥だと。




