17th.危機・逆転
「右手は使い物にはならないけど…この前であなたの実力はわかってるの。左手だけで十分よ。」
エルメスは笑みを浮かべながら、左手に剣を持ち、ジョン達へと足を進めて行った。
「…隊長。こいつは俺がやります」
「無茶だ、ジョン!爆発に巻き込まれて本調子では無いだろう!」
「いいえ、大丈夫ですよ…そのくらいちょうどいいハンデっす。だから隊長は他の奴らを押さえてください。ケリを…つけます。」
「…わかった。死ぬなよ、ジョン」
「そっちこそ」
短い会話をかわした後、二人は別の方へ走って行った。
ジョンはエルメスに、ジェクトは未だ燃えている車に群がっているジェルズの兵士達に。
「ハンデねぇ…言ってくれるじゃない。いっとくけど、私と貴方じゃ元々の能力の違いが…」
「でゃぁぁ!」
油断しきっていたエルメスに先制で銃を撃ちながらジョンは突撃した。
「人の話は最後まで聞きなさいよ!」
エルメスは横に飛びのいて回避したが、少しだけバランスを崩した。
「其処だっ…!」
そこにジョンが飛びかかって切りつけた。
「くっ…!」
互いの剣が交差し合う。
鍔迫り合いの状態になり、形勢は今の所はジョンが有利だった。
「単純な押し合いで…男が負ける道理はないんだよっ!」
「…そうね、普通に考えればそう…でも、ね」
グッとエルメスの入れる力が強くなる。
「なっ…どこにそんな力が…!」
「ふふ…貴方じゃ私には勝てない…永遠にね」
ガキンと言う大きな音とともに、ジョンが吹き飛ばされた
「ぐあっ…!」
「ふふふ…第二ラウンドよ」
刻一刻と、危機は迫っていた。
次回更新は七月に入ってからとなる予定です