十話 迷宮到達
草原にて休憩した僕達はそのまま走り続け、日が沈む前に森の入口に到達した。夜という光の少ない時間帯を見渡しの悪い森と言うフィールドで過ごすのは危険だと判断したためだ。
「――――土に嘆願する、囲いを作り給え」
僕は魔法を行使し、背の低い石の壁を周囲に建造する。高さで言えば大体五十センチくらいだろうか。乗り越えられない高さではないが、乗り越えるには時間が掛かる事だろう。これで大規模な魔物の群れにでも囲まれない限り大丈夫な筈だ。
「便利だな、魔法と言うモノは」
ケビンが僕の魔法を見て呟いた。
確かにそうだ、と僕は心の中で同意する。魔法の便利さは、常にと言って良い程その恩恵に預かる身な僕が一番よく知っていた。魔法が無ければ、僕は異世界にて初邂逅したあの亜竜種に食い殺されていた事だろう。本当、神秘に対する感謝が尽きない。
「そうだね。水が出せる、柵が作れる、火が出せる。この三つだけでも冒険なら破格だろうしね」
「前に組んだパーティにも言われなかったか?」
「言われたよ。まあ、その時は大変なのに出くわしていたから便利面よりも破壊面での評価が高かっただろうけど」
「例の氷柱か」
「……何だろう、行く先々で僕の得意魔法が露見してるんだけど?」
「ゲーム時代ではお前が一番有名な魔法使いだったんだぞ? マスクド・マジシャン。戦闘中その仮面を決して外さず、他の魔法使いとは違い人を助ける事を躊躇わないお助け魔法使いってな」
「それ、は。……まさか、広めている奴がいるのか?」
「あ、ああ、某掲示板なんかじゃお前さん専用のスレすらあるくらい出しな」
ケビンの話を聞いて僕は頭を抱えた。
ゲーム内での救出劇云々は、別に命懸けでも何でもない。課金というシステムが存在しなかった彼のゲームにおいて助かったと言えば精々アイテムを失わずに済んだとか時間を無駄にせずに済んだとかその程度の認識だろう。
甘かったのは僕の方だ。口外しないでくれと言った所で人の口に戸は当てられない。そして付いた仇名がどっかの特撮みたいな名前か。
助けなければ良かった、とは言わない。が、もう少し対策を考えるべきだったかもしれない。
「はぁ……」
知らず、溜息が漏れた。
僕は攻撃的な魔法の手数が少ない。それもその他の魔法使いと比較した場合の話ではあるが、だとしても手札が露呈する事は出来る限り避けた方が良かった。
堪らず、僕は頭を抱えたくなった。
「何を悩んでいるか知らないが、そんなにショックな事だったのか?」
「いや、ショックとは違うかな。ただ、悩み事が増えそうな気がするんだよ……」
「おっ、魔法使いは予知も出来るってか?」
「こらマイク、いきなり出てきて茶化すんじゃない」
「けっ、保護者みたいな口聞くんじゃねぇよ」
ニヤ付きながら話に割り込むマイクをケビンが嗜める。マイクは口調こそ怒った様に荒げているが、その声音に険は感じられない。
基本的に仲の良いコンビだ。一見相反する正確に見えるが、そこには互いを知り尽くしたから出来る内心への踏み込みが見て取れる。他者から見れば遠慮呵責のない言動も、この二人がお互いの危険域を知り尽くしているからこそのモノだろう。
少し、その関係が羨ましくある。僕にも、いつかそんな、親友と呼べる関係の人が出来るだろうか。
……、いや、いやいやいや、それじゃまるで、僕がボッチみたいじゃないか。
そんな訳がない。トーマスやジョウだって友達さ。リオンとは、微妙だけど……。シュンとシャオの兄妹も、……微妙。遊牧民のネラ、は、何か部族全体から特別待遇だし……。
……あれ、実は僕って友達少ないのだろうか。
「? どうしたライガー、何沈んでんだよ?」
「きっと悩み事が有るのさ。ほら、この位の年頃は色々あるじゃないか。何だったか、お前がノートに書いていた、確か……」
「おい止めろ、止めなさい、ソイツの話は持ち出すなッ!!」
何か騒がしいが、落ち込む僕には関係なかった。
いや、でも、こっちに来てから友達増えたような気がする。ほら同居人の巨大蜘蛛とか。あの蜘蛛は色々と問題を起こしたりするけど、屋敷周りの害虫駆除や物品の整理を率先してやってくれる。非常に有り難い存在だ。そんな友達、普通出来るだろうか、いや出来ない。……これって、僕が蜘蛛を利用しているだけじゃなかろうか。帰ったら優しくしてやろう。
後は、アリッサだろうか。ジュースの話とか魔法の話とかで盛り上がる。彼女との時間はとても有意義なモノだ。しかし、彼女も何か腹の内に隠し事が有る様だし、完全に信用できる存在ではない。好きか嫌いかで言えば間違いなく好きと言える存在だろう。
「……はぁ」
「『喰らえ、俺の究極奥義。ゴールデン・ダークネス・ソード・スティレットッ!!』」
「ギャァァァァァァッッ!?!? 俺の貧弱だったボキャブラリーを完全再現するんじゃねェェェェェ!!」
ケビンとマイクはこれ以上に無い程盛り上がっている。
やはり、そのやり取りが羨ましかった。
◇
「……よし、出来た」
夕食を食べた後、僕は魔法にて簡易的な風呂を作っていた。
囲いを作った時の要領で溝を形成し石を詰め、水と火の魔法で湯を作る。そうして完成した風呂が人目に付かない様に囲いを作り完成。後は誰が順番に入るかだ。
「こういうのって、レディファーストよね?」
「その意見には賛成だわ。尤も、貴女はまだレディと呼んで良いのか微妙な年齢だけどね?」
「…………」
「…………」
女性陣が一番風呂を掛けて睨みあいを始めた。
現状の街は、上下水道が発達している為シャワー程度の設備は存在するが、物件によって有る所と無い所がある。故にシャワーが無かった物件の者はシャワーが有った物件の者を探して借りさせてもらう、または水で身体を拭く事で一応の清潔を保っていた。中には水を湯にまで温めてからそれを行う者も居たが、燃料の事を考えると高く付き結局は水に戻してしまう。故に、浴槽にたんまりと注がれたお湯に我を忘れているのだとシュンは語る。
「面倒だな、テメェら纏めて入りゃ良いじゃねぇか」
「あ」
「……それも、そうね」
シャオが思いもしなかったという表情で驚き、リオンが暫く黙考した後納得してシャオの手を引いた。
「なら早い方が良いわ、さっさと入りましょ?」
「あ、ちょ、待って下さい」
その後、余りにも長すぎる風呂に男性陣は痺れを切らして酒盛りを始めてしまう。
と言っても飲んでいるのはケビンとマイクの二人だけだ。未成年組である僕とシュンは最早お馴染みとなりつつある果実ジュースで喉を潤していた。
下らない話で盛り上がり、三杯目を飲み終わる頃だろうか、漸く女性陣が出て来た。しかし、その表情はさっぱりとした雰囲気とは違い後ろめたそうにしている。
「どしたん?」
「……ちょっと耳かして」
リオンが集団から僕を連れ出し耳打ちする。
どうやら風呂に入るのが久方ぶりの為湯船が凄い事になってしまったらしい。何らかの理由でライフラインが途絶した環境に身を置いた時、救助に来た自衛隊が仮設風呂を設置した際に良く見る光景だろう。
しかし僕は魔法使いだ。そんな事は気にしなくとも良いのである。
「大丈夫だよ、それぐらい直ぐに入れ替えるし」
「それ、貴方の負担にならないの?」
「うん、遊牧民の皆さんの水瓶を満たすために子供二人が入る大きさの水瓶を一日に二百満たすとかやったくらいだし、これくらい軽い軽い」
「……じゃあ、お願い」
少し頬を赤らめながら言うリオンは、可愛らしいのだが少し可哀想だった。
お湯を入れ替えるとケビンとマイクが赤ら顔のまま風呂に突っ込んでいく。
「ヒャッハ―!! 嬢ちゃん達の残り湯堪能だぜぇ!?」
途中、お酒のせいで気が強くなったマイクが阿呆な事を抜かしたために女性陣から白い目で見られていたが僕の関与する所ではない。後、湯は新鮮な入れたてなのでご期待には添えない。そして僕とシュンは酔っ払いに絡まれたくないが為にその場で待機している。
女性陣の入浴時間の四分の一ぐらいで二人は出て来た。
浴槽で何かあったのか、気を失ったマイクを抱えながらケビンが出てくる。
「どしたのそれ?」
「馬鹿が暴れたから鎮圧した」
「把握した」
ケビンはまるで荷物の様にマイクを放り投げると己の寝床に戻る。
その後僕とシュンはそそくさと身体を洗って風呂に入る。そして屯している恐竜達に餌を与えた後に眠るのだった。
◇
早朝。
朝早くに起きた僕たちは軽く朝食を済ませると亜竜種達を引き連れて森を進んだ。森の中でこの亜竜種が役に立った。臭いか音か、何が原因かは解らないが猛獣や魔物が近付くと唸り声を出して威嚇してくれるのだ。それも早期に。亜竜種達が唸ったら得物を取り出し構える僕達。奇襲を受けないだけでも、戦闘のし易さは格段に違った。
遭遇した魔物達の死骸は取れる分だけ取って放置した。何せ、僕達が食べなくとも森に住む連中が片付けてくれるのだ。処理の手間が省けて有り難い。また一羽、つい先程倒した熊の魔物の死骸に降り立ちその肉を啄ばみ始めた。
亜竜種達もそれに参加していたが、最初に遭遇した三体ぐらいで見向きもしなくなった。
お腹が一杯なのか、それとも喰い過ぎると動けなくなると言う習性なのかは解らないが、彼らが共に旅をしてくれた事で様々な恩恵が有った。
そして僕達は、日が最も高くなる頃に迷宮の入口を見付けた。
入口は情報通り洞窟の中にあり、突き当たりに狭い階段が有る。覗いて見ると随分長い階段だ。
「……皆、準備は良い?」
振り返り、僕はメンバーに視線を配りながら言う。
帰ってくる視線には若干の緊張と怯えが含まれている。それでも冒険をしようという気概が見て取れた。大丈夫だ、そう朧気に感じた。
各自、己の得物を手に取りいよいよ準備は満タンだ。
それを見て、僕も槍杖を取り出した。
「よし、行こう!!」
≪応!!≫
掛け声と共に僕達は足を踏み出した。
「――――光に嘆願する、我らの行く先を照らし給え」
魔法を使い、暗い階段を照らす。
一段一段の差が大きい。お年寄り何かには優しくない構造だ。三十分ほど歩いただろうか、その階段を抜けると、途端に開けた場所に出た。
広大。その一言に尽きる。地下に広がる空間は一つの世界と形容できた。階段出口の広場から放射状に広がる段差世界。それぞれの階層に点在する建造物。それらが僕の好奇心をして仕方がない。
「これ、は……」
「凄い」
圧倒されていた。
それらは自然に出来たモノではない。明らかに知性と文明を持つ者が何らかの意図で建造したモノだ。等間隔で察知された天井に伸びる柱一つとって見ても、表面に細かく施された彫刻は麗しいと言えるものだ。これを、知性無き者に作れる訳がない。
暫く観察していると、亜竜種達が唸り声を上げ始める。敵に対する警戒だ。僕達は即座に得物を取り出し構えた。
「……どこから来る?」
「! ライガー、右っ!!」
「なっ!?」
僕の真横で発光現象と共に何かが姿を現す。褐色の肌と子供の様な背丈。その大きさに不釣り合いに発達した筋肉と獰猛な顔。デミヒューマンタイプの魔物であるゴブリンだ。
振り下ろされる棍棒を防ぐ。貧弱な僕のそれとは比べ物にならない一撃が生み出す衝撃に仰け反るが、気合で踏ん張り徐々に押し返す。そうして鍔迫り合いの様相を見せる。
そこに矢が飛んできた。飛来した矢はゴブリンの頭を正確に射抜きその息の根を止めた。
視線を向ければ、矢を放った体勢のシュンが居た。
「助かった!!」
「ああ!!」
礼を言って再度周囲を見渡す。
先程の一体を皮切りに二十体程のゴブリンが発光現象と共に姿を現した。最近のゴブリンはテレポートでもするのだろうか。そんな事を冗談交じりに考えた。が、そうではない。魔法を行使する時に感じられる不可思議な感覚が残留しているのだ。
形容するのならば残り香という言葉が近いだろうか。どうやら、この迷宮には魔道具、もしくは魔法使いが居る様だ。
「下がれ坊主、前衛は俺が務める!! 行くぞケビン!!」
「オッケーマイク!!」
ケビンとマイクの二人がホプロンを前面に構え、油断なく身構える。
「シャオ、俺達の仕事はディフェンダーに群がろうとする奴らの排除だ!!」
「うん!!」
ケビンとマイクに殺到するゴブリン達へシュンとシャオが、文字通り矢継ぎ早に矢を放つ。それで五体のゴブリンが命を落とした。やはり長い間合いを持つ弓は戦闘において有利に立てる武装だ。
矢を射かけられたことに気付いた数体がシューター組に駆け寄る。しかしシューター組は動かずにディフェンダーに向かうゴブリンへ矢を射続ける。その表情に不安は一切ない。
やがて、ゴブリンの一体が腰に挿しているナイフをシューター組へ投げつけようと動く。そして、ナイフを投げつけようとしたゴブリンは、駆け付けた黒い影の働きにより宙を舞った。
「……死ね」
静かにリオンが呟いた。刀身に青い光を纏うバスタードソードが血に濡れている。リオンは眼にも止まらぬ速さでゴブリンへ接敵し、懐に入るとゴブリンを斬り撥ねたのだ。
シューター組へ向けて走っていたゴブリン達がその足を止める。リオンは鋭い視線を他のゴブリンへと向けると、得物の発する青い光を残しその姿を掻き消した。
次の瞬間、二体のゴブリンの首がほぼ同時に撥ねられた。先程姿を掻き消したリオンが、ゴブリンの後方へ即座に移動しその首を撥ねたのだ。
常軌を逸する速度を所有者に付与する。これこそがリオンの持つバスタードソードの能力であり、それを十全に活かした高速且つ一撃必殺の技法こそリオンの戦闘スタイルだ。
リオンがバスタードソードを振り下ろし刀身の血を掃う。そのバスタードソードが振られる際の音にゴブリン達は立ち竦んだ。そして、立ち止まったゴブリンなど都合の良い的に過ぎない。立ち止まったゴブリン達の急所を矢が襲い、その命を貫いた。
「っかぁ!! 嬢ちゃんは相変わらず怖ぇなぁ!!」
「まったくだ、敵として出てきたら裸足で逃げ出すかもしれないよ」
軽口を叩きながらディフェンダー組は己の手に携えるホプロンで矢の攻撃を抜けたゴブリンを叩く。シールドバッシュと呼ばれる盾を用いた制圧攻撃は、巨大な盾を用いたならばそれは壁に攻撃されるのと同義だ。
身体全体を強かに打ち据えられたゴブリン達が地面に転がる。二人はその腹を踏み付けると、ゴブリンの首へホプロンを持たない方の手に持つブロードソードの切っ先を突き刺し、そして捩じる事で止めを刺した。ディフェンダー二人の一連の動きは鏡映しの如く正確に類似し、そのタイミングも同時であった。演武と言われれば納得してしまう程の見事な動きだ。まあ、それも素人である僕の感想なのだが。
そうこうする内にゴブリンは全滅していた。
僕はと言えば、目まぐるしく動くリオンの残す残光を追って首を振る亜竜種達の世話ぐらいしかやる事が無かった。
◇
「お疲れ、一端休憩しようか?」
「ああ、頼む。水くれないか? 緊張で喉乾いてさぁ……」
「あ、私もー」
額の汗を拭いながら来るシューター組に冷えた水をグラスに注いで渡す。
それを行き来飲みした二人は即座に御代わりを要求してきた。突き出されたグラスを見た僕は空きビンに水を注いで二人に渡した。
「洗浄をお願いできるかしら?」
「俺達のも頼むぜ」
ディフェンダー組とリオンが血に染まった得物を見せる。
まずはリオンの武装と防具から取り掛かった。その間にもディフェンダー組の二人とシューター組の二人が周囲を警戒する。一斉にやると奇襲を受けた際対応できないのではと訓練中に提案したのはケビンだったか。時間は掛かるが、警戒を疎かには出来ない。こう言った事に対する発言が多いのは何時も彼だ。切れ者、とでも言うのだろうか。得難い人材である。
付着した血液や脂肪を火と水の魔法を行使して作ったお湯で洗い流し、水分を布でふき取ると火の魔法で乾かす。刃を持つ武器は脂により切れ味を鈍らせるのでしっかりとやらなければいけない。防具などは乾かす際に燃えてしまわない様にする為の加減が少し大変だ。
この工程を三人分繰り返し、後の整備は持ち主の仕事だ。
「はいどうぞ」
「ありがとよ」
ケビンが己の剣を受け取る事で僕の仕事が終わる。
僕達は軽く食べ物を口に入れた。食べ過ぎて動きを鈍らせる訳にもいかないので少量だが、それでも食べないという選択肢はない。緊張によりストレスが蓄積する分、それを何かで解消する必要があるからだ。僕はいつもの干し肉を食べながら建造物を見て回る。
一言で表せば柱としか言いようのない建造物だ。見た所仲が空洞になっている様子も見当たらない。物質界的な考えでこれを見るならば、これの価値は天井を支えるだけだ。一本解体して調べたい気持ちだが、今は集団行動中である。下手な真似をして周りに迷惑が掛かったら目も当てられない。そう考えた僕は名残惜しいながらもその建造物を放って置く事にした。
「よし、そろそろ休憩は終わりで良いかな。……それで、休憩を挟んでみて身体に不調が出た人とかいる?」
三十分ほどだろうか、軽く食べて落ち着いた様子を見せるメンバーそれぞれに視線を向けながら言う。
「大丈夫そうだ」
「ちょっと疲れたけど、まだまだイケますって!!」
シューター組のシュンとシャオは先の一戦で緊張が解れたのか、先程よりも余裕のある表情をしていた。これが油断に繋がらなければ良いのだが。
「問題ないね」
「応、いつでも行けるぜ?」
ディフェンダー組のケビンとマイクは何でもない事の様にそう言った。
「行きましょう、まだまだ始まったばっかりよ?」
バスタードソードを肩に担いだリオンが笑みを浮かべて言う。その笑みは、探索を始める前よりも上機嫌に見える。先の戦闘で何か機嫌を良くする要因が有ったのだろうか。
しかし、頼もしい面子に恵まれたものだ。
「じゃあ、再開と行こうか」
僕の宣言と共に皆が歩き出す。
第一階層と何ら違い見られない第二階層へ。