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God of slayer  作者: 秦条 暁
神殺しの剣士
3/4

第一話 入学式

「ふぅ……」


とある石碑の前に立っている少年ユウ・エクシードが息を抜いた。

ユウは髪が白銀のように白く瞳は漆黒のように真っ黒であり吸い込まれそうなそうな瞳。

少し小柄であり中性的な顔立ちをしている少年は黒いロングコートを羽織っており、殺し屋のような雰囲気が滲み出ている。ユウは石碑の前に刺してある銀色の刃を持った剣を抜くと剣はこなごなに消え散った。


「行って来るよ【レオンハルト】」


ユウは石碑に別れの挨拶を伝えると遺跡の出口へと足を進める。遺跡の中は透き通るような水が通っており、その水を栄養分にいろいろな植物がその遺跡の中で育っている。この遺跡では食べ物も育っており、水も通っているので住んでも死ぬことはない。

ユウは長い長い上り階段へと足を置いた。その階段は螺旋のようになっており、上に進むにつれ景色がすぐさま変わる。下から見ると螺旋状の階段はとても長く先が見えないのだが、登っていくと周りの景色が変わり瞬間移動したように出口がすぐ近くに見える。この階段には幻覚がかかっており、侵入されても螺旋状の階段を見て逃げ出させるためである。ユウはカツカツと静かな足音で階段を上がっていく。

ユウは周りの景色を見ながら目に焼き付けるようにして再び見回す。


階段を上りきって遺跡から出るとそこには絶景といえるほどの森が広がっており、辺りからいろんな動物の鳴き声や魔物の鳴き声がする。この森には人や動物など何でも喰らう魔物が存在している。魔物は危険生物であり魔物討伐隊なども組まれたりしている。

遺跡から出てきた少年は木にもたれている金髪の青年に近づく。


それに気づいた金髪の青年は大きく手を振り返す。


「遅かったなぁユウ。レオンハルトが戻っていたのかぁ?」

「残念だがそれはなかったよガイ。これでしばらくお別れだから長引いたんだよ」


ガイ・ロンダートは肩まである金髪であり瞳は燃えるような赤い瞳を宿している。

青色の特性伸縮性ジーパンに真っ黒な半袖のTシャツを着ている。


「そうか……。残念だが仕方ねぇな。お迎えの船もすでに来てる。森をとっとと抜けるぞぉ」

「そうだな。時間もなさそうだ」


ガイは軽くストレッチすると森へと走っていく。ユウもガイを追いかけるように森を駆けていく。

ガイは次々と木の枝を渡りながらまるで忍者のように進んでいく。ユウもまたガイと同じようにして進んでいく。下を歩くと魔物などに襲撃を喰らうため時間がかかってしまうからである。


一応、魔物を倒しながら尚且つ速く進める方法もあるのだが、それをしてしまうと、力を使ってしまうため極力使わない。魔物は本能で動く種類が多数を占めており油断すれば簡単に魔物に殺されてしまう。そのため魔物討伐隊はより戦績を多い者を選抜で集めそして魔物の討伐に出発する。

中には単独で魔物を狩れるような化け物がうようよと存在している。その化け物の内の一人がガイなどが対象となる。


森を抜けると静かな波音がする綺麗な海が広がっており、その上に一つ大きな船があり、そこには船長らしき人がタバコを二本まとめてすっている。

タバコの煙は二倍のように濃くとてもタバコ臭い。真っ白な服に真っ白な帽子を着ており、タバコの煙が服につかないのかと思うほどである。白い顎鬚を生やしておりその風貌は船長の風貌を無意識で発しているように見える。


「遅かったなガイ、ユウ」

「遅れてすいません船長」


ユウは船長に少し申し訳なさそうに言うと船長はヒラヒラと手を振り

「別に気にしてねぇから」

と返す。


船長の本名はほとんどの仲間は知らず、知っているのは腐れ縁のあるやつだけだと言われている。


船長は運び屋であり任務の成功率は95%以上だと言われており、難破は決してしたことがない。相当な信頼を持っておりよく運んでもらっている。

いろんなところを旅した人であって情報量も並ではない。そして昔の人脈を生かしていろんな情報を集めてもらったりしている。


「それより早く乗れガイ、ユウ。おいしいご飯が待ってるぞ」


船長は興味をそそるように言うとガイが即効で食いつく。


「早く行こうぜユウ。俺の腹がこわれそうだ」


ガイはユウを待たず先に行ってしまう。ユウは小さなため息をつくと当たり前のようにガイについて行く。船長は筏をあげ、船の出港の準備が整う。

「未練はねえなユウ」

「ないわけではありませんよ」


簡単に受け流すとユウは個室へと足を運ぶ。

その後姿を見るガイと船長は肩をすくめる。


「可愛げがねぇな」

「まったくだ。顔は少しばかり女性グハァ!!」


船長のあごにストレートパンチが見事にヒットする。船長のまわりにお星様がキラキラと回っており舵が不安になってくる。


「全部聞こえているぞ船長。早く出発してくれ」

「……了解」


しぶしぶ答え船を出発させる。

ユウはかつていた小島の形を目に焼き付け、そして船内へと姿を消す。


この島は昔船で難破して辿り着いた島であり自分の人生のターニングポイントの一つでもある。きっとあんなことがなければ俺はこんな生活はしていないし、生きていたかすら危うい状態になっていた。

だからこそこの島は第二の故郷であり、故郷から飛び出すのは誰でも寂しい者である。

それでも自らがほしい明日のためにユウは狭い世界を飛び出したのだ。





◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇






世界は人と精霊が共存する世界。次世代の子供は精霊との関わりを強くするため精霊使いのみが通える学園を作ることを正式に決定された。世界では約90%の学校が精霊使いの学校である。


ルシフォード学園は敷地がドーム10個分というあまりにも広すぎて迷子や行方不明者がたびたびでるということでも有名な学校である。学園はもちろん、寮なども完備されており、精霊使いが憧れる学園となっている。金持ちしか入れないわけでなく、奨学金ももちろんあり実力のみで入れる実力制の学園である。

そんな世界の五本指にも入る学園に1億人に一人の天才が入ってくるということで話題が持ちきりである。


そんな天才クレア・パーシヴァルは可愛らしい桃色の綺麗なロングヘアをなびかせながら学園へと入っていく。目はクリッとして鼻は少し小さくとても可愛らしい。背は平均より小さく愛くるしく見えて中学校ではマスコットキャラとしても人気を博していた。しかし彼女の魅力はその愛くるしさの裏側の意志の強さとそれを実現させる戦闘能力の高さがある。

中学校は近所の精霊中学校に通っており中学三年に推薦状が来た。彼女は少し迷うも周りからの後押しで入学することを決意する。


学園に入ると真っ先に見えるのが世界でも有名なペガサスが描かれた校章が見える。

この校章は世界に羽ばたくという意味があるそうで、ここの卒業生はみなこの国を出て活躍している人間はとても多い。


(私はここで頑張って幼いころの約束を果たすんだ!!)


自分に決意を言い聞かせながら歩いていくと不意に誰かにぶつかってしまう。

「キャッ」と相手は少し驚いたように声を出し尻餅をつかせてしまった。


「大丈夫ですか?」


すぐに手を差し出すとそこには意外な顔があった。


「いてて……。私は大丈夫よ……ってクレア!?」

「アリサ!?」


二人とも目を点とする。

アリサは誰もがふりかえるであろう鮮やかな青髪に白いリボンをリボン結びで両端につけている。平均より背は少し高くクレアとは正反対の美しさをかもし出しておりお姉さんみたな感じである。男性からはもちろん、女性からも圧倒的な人気を誇る。その理由は女性ですらうっとりするほどの綺麗な顔立ちに凛としていてとても美しい。男に何度も告白を受けているがすべて断っているという一騎当千伝説まであるくらいすごい人である。


「久しぶりねクレア」

「本当に久しぶり。もう何年ぶりだったかな?」

「アリサがこの学園の中学に進学して私は近所の中学に進学」

「あのときは何度も誘ったのにクレア結局こなかったものね」

「……彼がいなかったから」

「……そうだね」


アリサの声が小さくなるとクレアが慌てて頭を上下に何度も頭を下げる。

アリサは苦笑するとクレアはまたもや上下に頭を何度も下げる。


「ごめんねアリサ。……嫌なこと思い出させたりして……」


二人の間に沈黙の風が走り去る。この沈黙に一筋の汗が止まらなく流れる。


「でも大丈夫。自分の中ではケリをつけたから。……それより早く行かないと入学早々遅刻するよ!!」


アリサの顔が元に戻って安心するクレアは慌てて時計台を見ると後二分でチャイムが鳴ろうとしていた。クレアの顔に焦りが出てあたふたと慌て始める。


「入学早々の遅刻はさすがに嫌だぁ!!」


そう叫びながらクレアはアリサと一緒に走っていく。

そのときクレアの視界の隅に一人の生徒が目に入る。その生徒は過去に見たことのある彼に似ていた。


「……見間違いかな」


クレアはそう思い視線を外しアリサを追いかけていく。彼女が見た生徒は白髪の黒いロングコートを来た少年であった。





◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇






「……暑いな」


ユウは黒いロングコートを脱ぐとロングコートは砂で作られた城が崩れるように消える。


「あいかわらず便利だなぁ隠蔽のステルス・コート

「だが一度消すと出すのが邪魔臭い」


ユウはそう答え校舎へと足を進める。


「にしてもこの学園の始業式変わってるな」

学園は始業式と入学式を同時に行い新入生と在校生との交流を深めるために新入生対在校生の自由な対決を設けている。学園交流ランク対戦と呼ばれ期間は始業式から一週間までであり、新入生が勝てばポイントを在校生から奪うことが出来、ポイントが多い人間はランクを上げることができ、ランクが上がれば上がるほどより高いランクのクエストを受けることが出来る。逆に在校生はポイントを必死で守らなければならない。新入生は在校生と誰とでも戦うことが出来るが、新入生も在校生も一週間で一回しか戦えないので慎重になる人間は多い。ランクはE~Sまであり特別な人間のみが到達できるとされるSSは基本到達する人間はいない。新入生のときからランクをある程度上げておけば学園での生活は困らない。毎月支給されるお金はランク制でありランクが高ければ高いほど多くもらえる。部屋もまたランク次第で綺麗にもなる。ただし、ポイントはランクで定期的にとらなければならないノルマは決まっており、もし締め切り時に足りていなければランクは落とされる。この学園は実力主義であり実力さえあれば問題ない。

「まさに実力だけの学園だな」

「まぁ、それでも俺たちには到底追いつかねぇよ」


ユウはまるで次世代にいるような口ぶりで呟く。ガイたちは無意識に力を抑えることを覚えている。


戦闘のプロは無意識に力を押さえ自分の強さを他人に悟られないようにしている。力を知られてしまうと対策が打たれいくら特殊の力でもそのアドバンテージを失ってしまう。脳ある鷹は爪を隠すというように賢いやつは力を押さえ相手に悟られずに戦いを始める。ガイは闘志を剥き出しにすることが多いが力を剥き出しにはしない。いくらバカとは言え戦闘経験が豊富の奴は嫌でも理解する。

ガイは満足げに口にすると入学式と始業式の始まる体育館へと足を進める。ガイはニヤニヤしながらユウの隣を歩く。


「……急にニヤニヤして病気か?」

「……この程度で追いつかれたらぁ俺ら何やってたって話になるしな」

「まったくだ」


ユウも呆れ気味でつぶやき、ガイと共に体育館に向かう。


「それに……こうやって並んでたら身長の……絶対的な差が浮き出るなぁ」


ガイは190cmオーバーの身長でユウの170cm弱の身長の頭と比べる。


ユウは沈黙した後額に血管が浮かびガイの足を踏みつける。

しかしただ踏みつけたではなく踏み砕いたという表現が正しい。

ガイは足を押さえるがユウは気にせず歩いていく。


体育館は川のような長い列が出来ている。

この学園はあまりに入学制が多すぎて始業式は非常に混雑する。しかもここには貴族などの位が認められないため貴族も並ぶ。


ユウも列に並ぶとその前の男子がニヤニヤと見てくる。

髪を七三に分けた中流貴族とサラサラでイケメンアピールをしている中流貴族は相手の魔力が自分より下だと思うと初対面であろうと見下す癖がある。


ガイは一切見ようともせず完全に無視しておりユウも大好きな推理小説を読みふける。

そんな二人の行動にイラついたのか彼らは見下すように話しかける。


「よう、君達は奨学金で入った落ちこぼれたちかな」

「君達みたいな弱者はこんなところに来たって大恥をかくのが落ちだぜ」

「「……」」


ガイは立ったまま眠りユウも相変わらず小説に読みふけっている。


貴族からしたら平民ごときが貴族を無視することが極めて不快であり、彼らは平民とは天と地の差があると思っているため平民ごときが調子に乗るなと思う。

イケメンの中流貴族がユウの肩を掴むと視界が反転する。


イケメンの中流貴族は何が起こったか理解できず地面に倒れこんでいる。

ユウは手をはたくと逆に見下すように見る。


イケメンの中流貴族は怒りをあらわにしいますぐにでも襲い掛かりそうになるがなんとか押さえ制服を整えると「フンッ」と鼻で笑い列に戻る。


ユウは小説を読みながらしょうもないやつもいたもんだ、と毒突き本に読みふけていく。

ユウ達もやっと体育館の入り口まで行くとそこにはお手伝いの女子生徒たちが新入生になにやら小さな紙を配っている。

ユウも紙を貰うと

「失くさないでくださいね」

と微笑みながら注意される。


ユウは少し違和感を覚えるのを感じながら失くさないようにポケットに入れ体育館へと入る。


中はまるで舞踏館のような装飾が施されておりとても体育館とは思えない代物である。素人目からしても一級品と呼ばれる品物が体育館の端に展示されており、それは学園のランクを示している物とも考えられる。


「これは……すげぇな……。予想の斜め上いってるぜぇ……」

「その意見には同感だ……。これは……すごすぎる」


彼らは疎外された場所で育っており、一応有名な家に生まれたユウですら感嘆するほどである。


「体育館って……こんなところだっけ?」


ユウはそんな疑問を呟くと一人の少女がトントンとユウの肩をたたく。

ユウは振り返るとそこには少女がニコニコとユウを見ていた。

灯火のような美しい赤色のツインテールの少女であり発育途上でもあるが将来間違いなく美人になりそうな雰囲気を漂わせている。幼い顔立ちにその笑顔は異性同姓構わず虜にしかねないほどである。


「久しぶりだね……お兄ちゃんっ!!」


一人の少女の言葉に周りが突如ざわめく。

ガイは口を抑えながらなぜか笑っており、ユウは軽くため息をつき


「……なんでこんな早く見つかるかな……」

「おまえその白髪なかなか目立つからなぁ」

「髪の色変えておけばよかった……」


ユウは自分の髪を弄りながらそう呟くと少女をまっすぐ見る。


「……人違いじゃないんでしょうか?」


淡々と他人行儀のように話す。


「忘れたの……リナ。リナ・ミルフォードだよ!!あなたの妹だよ!!」

「ええ……リナさんとは一度もお会いしたことありませんね」


ユウは妹であるリナから二歩、三歩と距離をとる。

ユウの瞳にはリナは写っていなく何も見ていない。

リナの瞳からじわじわと熱いものがあふれ出ているのが分かる。


もともと妹であるリナと出会う前からミルフォード家の姉妹がいるのはすでに知っていた。それを承知の上で入学を決意、自らの目的のために危険を冒したのだ。彼はもう兄と名乗ることを辞めたのだ。たとえリナからどんなことを言われても決して覆らない決意である。


「冗談はやめてよ……お兄ちゃん……。私だよリナ・ミルフォードだよ。あなたの……ユウ・ミルフォードの妹だよ……」

「これは奇遇ですね。ファーストネームは同じだ」


彼は少しおかしそうに尚且つ笑っている。


「何がおかしいの……。それにファーストネームはって?」

「そのまんまの意味ですよ。僕の名前はユウ・エクシード。ファミリーネームは異なります。顔が似てるのかもしれませんが僕は別人ですよリナさん……」



バチンッ



体育館にはじけるように音が広がる。


周りの生徒の視線が一斉にユウとリナに集まる。リナは目から涙をボロボロに流し体を震わしている。ユウはそれでも無表情であり彼の瞳には悲しみの一つも浮かび上がらない。


「お兄ちゃんなんて……大っ嫌い!!」


リナは人ごみの中に腕で涙を隠しながら走っていく。

ユウは引っ叩かれた頬をさすりながら妹を視線で無意識に追っていた。


「ひっでぇ兄貴もいたもんだ」


ガイは鼻で笑うように言う。

ユウはドス黒い何かを漂わせる。


「……茶化すなよガイ。それ以上言うとおまえを捻りつぶす……」


ユウは殺気の入った瞳でガイを睨みつける。ガイは両手を前に出し「冗談、冗談」と軽く謝る。

ユウは制服を整える。


すると体育館の電気が一斉に消え舞台にスポットライトが当たる。


そこにはちょび髭の入った白髪と黒髪が入り混じった髪形をしている。体型は少しばかり痩せているがその身からだしている熟練のオーラは健在である。俺たちでも少し驚くほどの力を有している。

校長はマイクに近づき軽くため息する。


「あ~新入生の皆さん在校生の皆さんおはようございます。不思議と思うかもしれませんが中高の在校生がそろって入学式や終業式などをやるのです。うちはとても強大なマンモス校でありみな一丸となるのを目標としています。幼稚園と小学校は少し早いので外しており、大学も先に進みすぎなので離していますがみな仲良くし共にこの学園生活を楽しんでいってください!この学園は実力制ですが緊張せず青春を謳歌しましょう!!」



「「「オオオオオオオオオ!!」」」



男子生徒はみな手を上げ雄たけびを叫んでいる。


精霊使いは女子生徒がとても多く男子生徒の割合が少ない。そのため男子生徒の間ではここに入ればリア充の生活ができるといわれている。ただし、この学園は実力制なので顔よりも強さをとられるためイケメンには向いていない。男子は主に騎士になる者がとても多く精霊使いの学園が女子高なのは消して少なくない。そのため精霊使いの共学は男子にとっては夢の学園だが、男子が少ないことによって男子の威厳はとても小さい。ゆえに女子の威厳のほうが高く後々分かることだが男子より女子のほうが優遇なためプライドが高すぎる貴族などは退学することが多い。主に女性を襲って返り討ちにされて校長によって退学にされるケースが。貴族からのプレッシャーはあるが、国から認められているため貴族ごときが潰せる学園ではない。だからこそ一年後は本当の実力者しか残らない。

ルシフォード学園で結果を出していけば国直属の精霊使いにもなれたり、国の大きな研究所で研究できたりと結果を出せば試験なしでどこの仕事にも就くことができる。


校長は髭を触りながら

「ではワシはこれで」

と言うと一瞬にして消えた。


正しい表現はおそらく転移したと思われる。極稀に属性の精霊ではなく空間などを操る精霊もおり精霊の種類はいまだ定かではない。こんな学園の校長を勤めているのでみな大して驚かない。


「では続きまして新入生代表のアリサ・ミルフォードさんお願いします」


司会がそう言うと一人の女子生徒が舞台へと上がる。


すると男子からは歓喜の声が沸きあがり女子からも歓喜の声が上がり憧れの視線が感じられる。


「ああ、麗しき姫君」、「綺麗過ぎる……」など男子からは気持ち悪いぐらいの褒め言葉が聞こえてくる。

「ああ、私達のお姉さま……」、「さすがアリサ・ミルフォードの跡取り、優雅だわ」などとお姉さま扱いしている女子生徒もいる。


アリサは透き通った水色の髪に髪の両端に赤い紐を括っておりその姿は凛々しくとても同年代とは思えない雰囲気をかもし出している。

アリサは舞台の真ん中まで行くとマイクを手に取る。


「私は中学のときからこの学園にいます。私はこの学園をもっと有名にするため頑張りたいと思っています。みなさんどうぞよろしくお願いします」


すると生徒たちは大声で歓声をあげる。


みな暖かい応援コールなどを叫びその言葉にアリサは「ありがとうございます」とお辞儀する。


「おまえの姉ぇさんすげぇじゃねぇか」

「……俺と違って才能あったからな」


ユウは吐き捨てるように言う。


「では……!!」


アリサは急に言葉を詰まらせるとある一点を見る。ユウはその目線に一足早くに気づきとっさに気配を消し生徒の中にまぎれる。

島の生活で魔獣とあったときにやり過ごすために磨いた隠蔽である。気配を消し大勢の生徒に紛れ込む力で、主に人ごみの中や草木の中などで使うことが出来る。

しかしアリサはすでにユウを見ているため完全に隠蔽することは不可能に近い。


「……失礼しました」


アリサは舞台の階段を下りながら怒りの視線をユウへとぶつける。

ユウはそれを気づかないような仕草で舞台を直視しアリサを視界にいれない。


「では入学式、始業式を終わります。学園交流ランク対戦についてはクラスに入ってから説明しますのでその間は決して戦わないでください。……戦った場合はとてつもないペナルティが待っているので……。クラスについては入り口で渡した」


司会がそう言うと紙が光り色と数字が浮かび上がる。そこには赤で7組と書かれている。


「ちなみにクラスは適当に配っているので特に強さで分けているわけではありません。二年になると強さによってクラス分けを行いますが一年はそのようなことは行いません。ですので一年でしっかりと実力を付けてテストでいい成績をとれば試験でダメだった子でも二年ではエリートのクラスになれるので頑張ってください。では解散」


司会はうれしそうに言うと司会は暗闇に紛れるように体育館の部屋へと入る。


「ユウ……何組だ?」

「……7組だ」

「奇遇だなァ……俺もだ」


ユウはガイと顔を見合わせるとプッと吹く。


「マジかガイ。相変わらず……くされ縁だな」

「そうだなァ。ユウとはよくこういう行事では一緒になるなァ」

「まったくだ」


ユウはガイと一緒に体育館を出る。


新設のような校舎であり教室の中は机と椅子が並べられており不自然なまでに綺麗である。

黒板に書かれている指定された席の隣にはアリサ・ミルフォード、後ろにはクレア・パーシヴァル。ユウは思わず絶句する。


(……なぜ俺はこれほどまで昔の友達や姉妹と縁があるんだ……)


ユウは落胆しているとガイが肩に手を置き


「幸せ者だなユウ……グハァ!」


思わずガイの顔を殴る。

ガイの口が少し切れているがきにしない。


「……ガイ。俺たちの目的を忘れてねぇだろうな」


ガイは口が切れて出た血を拭うと


「覚えてるぜぇ。……忘れるわけねぇだろ。俺の生きがいなんだから」

「そうだな。すまん愚問だった」


ユウはもう不幸なこと危険がこの身に迫ってると感じていた。

それが見事に的中しクレア、そしてアリサが入ってくる。


アリサの瞳には炎のように荒ぶる怒りがほとばしっているのがすぐに分かる。自然に体の回りからオーラらしきものをだし、生徒を怖がらせている。

アリサと目が合うとアリサは怒りの言葉がユウへと襲う。


「久しぶりねユウ。何年ぶりかしらね」


アリサから怒りのオーラがあふれ出ておりユウも少し顔が引きつる。


「さぁ、話してもらうわよ。なぜ、家を出て行ったのか?どうしてこの学園に来たのかを!!」



ちょっとだけ文章を増やしてみましたが……相変わらず文が思いつきません(汗

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